ある愛のすべて の S&S さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > ある愛のすべて
 > S&Sさんのレビュー
ある愛のすべて の S&S さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ある愛のすべて
製作国
上映時間110分
劇場公開日 1973-05-19
ジャンルドラマ,ラブストーリー
レビュー情報
《ネタバレ》 『ある愛のすべて』、まず邦題からして如何なもんでしょうか。これは言わずと知れた70年の『ある愛の詩』のパクり、まあこの大ヒット映画とは似ても似つかないグチャグチャの三角関係の愛憎劇なんですからねえ。 セレブな建築家のマイケル・ケイン、その有閑マダムを絵に描いたような豊満な妻がエリザベス・テイラー、ケインが浮気のつもりで手を出したがだんだんマジになってゆくブティック・オーナーがスザンナ・ヨーク、というのが基本的な登場人物、というかこの三人だけで進行するストーリーです。この頃のケインは男の色気が絞ったら滴りそうな絶頂期、そのキャラ付けは60年代の出世作『アルフィー』の主人公がセレブに成り上がったという感じ。そのケインとリズの夫婦喧嘩が凄まじく、これを延々と見せられる前半はほんとうんざりさせられます。リズは『バージニア・ウルフなんかこわくない』を彷彿させる役柄、仲の悪い夫婦の悪妻はもはや彼女の十八番と言えそうな域に達しています。浮気相手のヨークにも面と向かって悪態をつくし、素のリズも口が悪いことでハリウッドでは有名だったので、けっこう本人も愉しんでいたんじゃないかな。でもそれを見せられる方としては愉しめるかと言うと、そんなわけないですよね。ケインもロールスロイスを乗り回す身分ながらリズのクリーニング代金にも文句をつけるケチ臭い男、小物感は否めません。 大喧嘩を繰り返した挙句ヨークとアパートを借りてリズと離婚するという展開なのに、リズがケインには未練たっぷりでお話しはすんなり進行せず行きつ戻りつ状態、挙句の果てにはリズがリストカットして自殺未遂という波乱のストーリー。「こりゃ、いったいどういうオチになるの?」と呆れているとヨークがリズに打ち明けたある秘密から予想外の展開になり、ラストカットのケインの表情と同じく観ている方も啞然茫然となる幕の閉じ方でした。 けっきょく誰にも感情移入できず、大人の恋愛というレベルのお話しにも達していない。三人ともキャリアに脂がのりきった時期の作品なのになんでこんなに埋もれた映画になってしまったのか、そりゃ観れば納得できますよ(笑)。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 3点(2022-02-19 21:51:31)
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-04-09フランケンシュタイン(1994)5レビュー6.59点
2025-04-06プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち3レビュー4.00点
2025-04-03ジョニーは戦場へ行った9レビュー7.34点
2025-03-31仕立て屋の恋7レビュー7.42点
2025-03-28夢のチョコレート工場7レビュー6.96点
2025-03-25ビートルジュース6レビュー6.08点
2025-03-22ミザリー8レビュー7.32点
2025-03-19そろばんずく1レビュー3.22点
2025-03-16アミスタッド7レビュー5.74点
2025-03-13眼下の敵7レビュー7.45点
ある愛のすべてのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS