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《ネタバレ》 『ユージュアル・サスペクツ』の、というよりか最近はすっかりアメコミ映画界隈に取り込まれてしまった感のあるブライアン・シンガーのデビュー作です。まだ映画監督としての粗削りな面が目立つのは否めませんが、さすがに映像面にはセンスを感じさせるところがあります。私は米国が舞台の映画で最恐のジャンルはいわゆる〝スモールタウンもの”だと思っていますが、本作もそのジンクスに違わぬストーリーでした。まずどこからともなくブリュースターというスモールタウンに現れた男ワイリー・プリッチャー、劇中では素性や前歴もまったくスルーしているので、なんか不気味です。きちんとスーツを着こなし眼鏡をかけた知的な姿で地元のケーブルTVの放送枠を買って町民からの電話を待つラジオのDJみたいな番組を始めるが、現代では個人系ユーチューバーといった感じかな。実はこいつは魔界から来たサタンで人間たちに不和の心を植え付けて町を乗っ取ろうとする、なんかスティーヴン・キングの小説にあったようなお話しなのかと思いきや、言ってることには過激さはほとんどなく、なんかテレフォン人生相談でもやってる様な感じです。そのくせ野心家の町長の肩は持つし、町長の悪事を暴こうとした男を見つけてからは連続殺人を犯す。しょうじきここら辺の展開はさっぱり理解不能でした。このワイリーなる男を演じた白人なのか黒人なのか微妙なルックスのロン・マークエットという俳優、調べるとなんとこの映画出演の翌年に30歳そこそこの若さで自殺しているんですよ。それを知ってしまうとこの映画の不穏な雰囲気が、なんか納得できる気がしました。
【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2025-01-28 23:18:52)《新規》
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