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《ネタバレ》 昨今の有名な映画作家の間では3D映画を撮ることがトレンドですが、ダリオ・アルジェントはその題材にオーソドックスなゴシックホラーを選びました、というわけです。 ご存知『吸血鬼ドラキュラ』ですが、ストーリーのアウトラインは原作や過去作とはだいぶ違っています。まず舞台がドラキュラ城の周辺に限定されていて、ロンドンにドラキュラが出現するオリジナルとはだいぶ違いがあります。まあこの辺はバジェットの都合も有ったんでしょうね。トーマス・クレッチマンのドラキュラ伯爵は新しいタイプのドラキュラ像を開拓したいという意図のキャスティングなのかもしれませんが、優雅なのは良いとしても迫力に欠けています。「ドラキュラはいろいろなケダモノに変身できる」という原作の設定は活かして狼やフクロウに変身します、過去作では意外とここはスル―されてきたのでちょっと新鮮かも。昆虫好きのアルジェントらしく蠅などの虫にも変化するのですが、中盤でドラキュラが巨大な○○○○になって襲ってきたのには心底びっくりしてしまいました。いやー、ほんと映像観ていただければ判ると思いますけど、とてつもなくシュールで最初は観てて訳わかりませんでした。 終盤はジョナサン・ハーカーの妻ミラに亡き妻の面影を観てしまったドラキュラの悲恋物語になって来て「ちょっと待てよ」と言いたくなりました。その最期もなぜか狼男みたいに銀の弾丸で撃ち殺されるというのも、なんかアルジェントが勘違いしてるんじゃないかと首を傾げたくなります。正直これじゃコッポラ版の『ドラキュラ』の方がはるかに面白かったと思います、やっぱりアルジェントにはゴシックホラーは似合わないんですよね。 アーシア・アルジェントも久々のアルジェント映画出演でしたが、ムダ脱ぎさせられるは悲惨な殺され方するはで、アルジェントお得意の娘いじめは健在でした(笑)。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-18 20:47:59)
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