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《ネタバレ》 20世紀初頭の時代設定で同時代の日本と比べると贅沢な生活ですけど、登場人物たちは上流階級の人たちではなくあくまで中産階級と新興ブルジョワであるところがこの作品のミソでもあります。その時代の英国がいかに豊かな社会であったかが偲ばれます。ヘレナ・ボナム=カーターのカマトトぶった振る舞いもヴィクトリア朝時代の女性のカリカチュアみたいなもんですが、ピアノでヴェートーヴェンを弾くところなぞは中流階級の新しい女性像を巧みに表現しているとも言えます。この作品の面白いところは、“Poor Charlotte(可哀想なシャーロット)”とみんなから陰で煙たがられるマギー・スミスと、スノッブを絵に描いた様なダニエル・デイ=ルイスの絶妙なキャスティングで、両名の憎たらしいいまでの好演は見事でした。使用されているプッチーニのオペラもまったりとした物語に良くマッチしているし、ジェームズ・アイヴォリーの趣味の良さに、素直に脱帽させられました。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-16 01:18:59)
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