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《ネタバレ》 スイスの古城にある謎のオカルトチックな診療所、この診療所内の雰囲気からしてあの怪作『ケロッグ博士』をミステリー・ホラーに仕立てたような感じです。老人ばかりの入所者たちの成れの果てを観ると、これまた『コーマ』を思い起こさせてくれます。この診療所のウリはやたらと飲ませられる水とウナギで、とくに前半はテンポが良く謎が深められるような伏線が張りまくられていて期待が高まります。山頂に建つ古城から見渡せる山並みが綺麗で眼を見張りますが、実はこの山々はCGなんだそうで知ってしまってちょっとがっかりでした。この映画は凝った映像が多くて、監督の拘りが感じられます。主演のデイン・デハーンの顔相がストーリーが進むに連れて病的さが増してゆくのも印象的、彼が意にそまぬ奇怪な治療を受けるところは、もう拷問ホラーです。さすがにあの歯に穴を開けられるところは、神経が逆なでされて眼をそむけてしまいました。画的には色々と見どころがあるんだけど、詰め込み過ぎて長尺になってしまったストーリーには首をかしげたくなる部分が多々あります。ロックハートが水槽やトイレで見たウナギ群は彼が見た幻視だとは理解できますが、これが有機的にストーリーに結びついているかと言うと首を傾げざるを得ないです。彼の父親の眼前での自殺というトラウマも伏線なのかと思いきや、けっきょくストーリーにはなんも絡まず、ムダだったとしか言えないですね。まあ中盤あたりでヴォルマー所長やハンナの正体には気づくでしょうが、最期がゾンビ映画みたいになっちゃったのは白けました。やっぱ『シャッターアイランド』みたいな幕の閉め方の方が自分は好みです。あとこんなの見せられたらウナギがしばらく喰えなくなっちゃうよ、最も最近はあまりに値が張るので滅多に喰えないですけどね(笑)。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2025-02-13 21:35:15)
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