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《ネタバレ》 昭和42年に突然公開された、日活が制作した唯一の特撮怪獣映画です。この年は、松竹も唯一の怪獣映画『宇宙大怪獣ギララ』を公開しています。特撮映画に志が低い両社ですが、特撮のレベルは『ガッパ』の方がはるかに高かったというのが公開時の感想でした。さて40年ぶりに懐かしの『ガッパ』と再会してみて、やっぱ、「何でこんな映画作ったのだろうか?」と首をひねる出来ですね(なんでって、そりゃカネを稼ぎたかったからに決まってますよね)。簡単に言うと、過去の内外の怪獣映画のプロットの寄せ集めということでしょうか。そもそも、怪獣が我が子をとり返しに来ると言うのは『怪獣ゴルゴ』のパクりですし、南海の孤島は東宝、ガキを前面に出すのは大映、というところでしょうか。ガッパの造形は、これ絶対に高尾山の烏天狗をヒントにしてますよ、たぶん…。 特撮自体は、渡辺明という元東宝特撮スタッフが参加してますので、当時としてはそこそこのレベルかなと思います。しかしこの映画を観直して、怪獣映画というのは本編部分の出来や音楽がいかに大事かということを痛感させられましたね。怪獣が存在する設定やディティールにこだわりがないといかんということです。それにしても、ガッパ親子が体面するシーンで親ガッパが涙を流すのですが、古今東西の怪獣映画の中でも涙を流した怪獣・モンスターはガッパだけでしょう。特撮映画史に残る迷シーンです。
【S&S】さん [映画館(邦画)] 3点(2010-05-31 23:44:17)
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