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《ネタバレ》 ドロドロ・コテコテの宮廷劇といえばもうイングランドのチューダー朝がピカイチ、この暗さと複雑な人間関係がたまりません。その集大成と言えるのがエリザベス一世治世ですが、この映画はその前半部分でスコットランドのメアリー・スチュアートとの関係や外交をばっさり切って、暗殺がらみの陰謀とロバート・ダドリーとの愛憎に絞ったストーリー展開となっています。 エリザベス女王はもちろんケイト・ブランシェットの当たり役にして出世作、ルックスはもちろん話し方や訛りまで変幻自在なカメレオン女優ケイトの面目躍如です。この映画はまだ若いころの出演ですが、改めて観てケイトはティルダ・スウィントンと瓜二つというかキャラ被りしてたんだなと、つくづく感じました。特にラストの白塗り顔になると区別がつきません、こんなことに喜んでいるのは私だけですね(笑)。だけどストーリーテリングは、ロバート・ダドリーとのメロドラマに軸足を置き過ぎた感じは否めませんでしたね。ここら辺を観ていると、知ってはいましたがよくもぬけぬけと“ヴァージン・クィーン”なんて言わせたものだ、さすがヘンリー八世の娘だと感心します。そこにエリザベスの秘密警察長官であるウォルシンガムが絡むわけですが、このジェフリー・ラッシュはなかなかいい味だした演技です。メアリー・オブ・ギーズの死の件やロバート・ダドリーの謀反とその処遇なんかは初耳でどう考えてもフィクションですが、まあエンタティメントですから五月蠅いことは言いますまい。だけどあまりに重苦しいストーリーテリングで、ちょっとは息が抜けるところがあっても良かったんじゃないかな。そういやヴァンサン・カッセルのアンジュ―公が女装趣味の持ち主だったとエリザベスにばれるシークエンスがありましたね、この映画で唯一笑えるシーンでした。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-01-23 23:51:01)
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