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レビュー情報
《ネタバレ》 戦史上有名な「バラクラバの軽騎兵の突撃」を、トニー・リチャードソンらしいシニカルな視点で再現しています。英国史における「バラクラバの軽騎兵の突撃」は、日本史でいうと「日露戦争の旅順港閉塞作戦」みたいな英雄的な戦闘という位置づけになりますが、無能な高級軍人たちの愚行が原因で起きた悲劇であると喝破しています。この映画の面白いところは、時代背景やクリミア戦争勃発にいたる経過をリチャード・ウィリアムスの手によるアニメーションで説明しているところで、当時の諷刺画を基にした画でヴィクトリア朝時代の雰囲気を見事に再現しています。軍装や時代考証は行き届いていて、当時の英国軍の服装や装備が50年前のナポレオン戦争時代から進歩していないことが良くわかります。前半は主人公たち3人の三角関係が物語の中心になりますが、戦争が始まる後半になるとそんな話は影も形もなくなってしまい、脚本のバランスの悪さが目立ちます。公開当時この作品は、興行的に失敗し批評家からも酷評されましたが、歴史物としては良くできた作品だと私は思いますし、再評価されても良いのではと思います。
【S&S】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-21 01:03:24)
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