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《ネタバレ》 素直に感動したのですが・・・見終わってしばらく経つと、なんだか自分の中にザラついたものが残ります。映画の作りそのものについては、前半かなりゆるいので、言論の自由が奪われた世界の陰鬱さをもっと力強く描いてほしかったです(仕事を干されて自殺に至るまでの登場人物の成り行きなど)。物語については、ヴィースラーがなぜドライマンを守り始めたのか感情の変化に説得力がなく、多大な自己犠牲を払わせるほど人を変える曲が本当に存在するものか現実的に考えにくい。時間が経過するとラストの感動が薄れてしまったのは、ドライマンはヴィースラーに対面せず、本人に直接告げるべき言葉を「売り物」にしたからだ。ヴィースラーはもともと何の見返りも期待せず己の信念から犠牲を払ったろうが、ドライマンのやり方は現実的に観ると商魂を感じて冷める。女性の死はヴィースラーよりもドライマンの睨みによる所が大きい気がするので、それも重い。数年で本を書いて自分の顔を大刷りするほど立ち直れるものだろうか? ヴィースラーの「善き人」ぶりに比べてドライマンが「いい気なもんだ」と思えてしまう。
【だみお】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-05 00:18:04)
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