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《ネタバレ》 人の心とは一体どういうものなのか? という問いに対して使われるロボットの扱い方が巧いと思いました。法律を遵守することに重きを置かれていない点は現実世界でのロボット物語を考える上で大きな穴ではありますが、そこにこだわるとこの物語は大変紡ぎにくいものになってしまうので目をつぶるしかないなと思いました。ロボット本人は自身の記憶が消去されることに恐怖も悲しみも持っていないけれど、本人がそれなら何も問題ないということではなく、人間は何ものかと思い出を共有したいものなんだということがよく伝わってきました。二つの存在が一つの記憶を共有している時、片方がその記憶をなくしてしまうというのは、無くした側に悲しみがあるのではなく、その相手の側にある。寂しさを耐えていたのは主人公ではなく、サランドン演じる図書館の女性であり、主人公の息子でした。相棒を失った主人公は物忘れがひどかったため、喪失の淋しさを感じなくて済んだようですね。その突き放したラストシーンがまた、記憶を持続している鑑賞者側としてはとても切ない気持ちになる。かなり『時をかける少女』(大林宣彦監督版)のラストを思い出させる感じではありましたが。ロボットの道徳的価値についてボカしたことも、ロボットに気の利いた嘘や切ない嘘をつかせるために大事だったでしょうね。知ったかな人はこのてのものでロボット三原則がどうたらこうたらとすぐ言いたがりますが、そういうことにがんじがらめにならないことで良い話に仕上がっているなと感じました。庭に埋められているのは宝石だけなのかな? ロボットの記憶を消した後、消息が全く不明にされたまま同型ロボットを2台も初めて登場させる締め方は唸りました。
【だみお】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-07-18 19:50:29)
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