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タイムパラドックス。もっともポピュラーなSF設定の一つ。この設定を利用し、数々の作品が誕生した。しかし、この設定には宿命的なアキレスがある。それはタイムトラベルしたことによって生じる多重時間軸である。これこそが、タイムパラドックス設定の避けては通れぬ、一番の難問でしょう。そしてもっともツッコまれやすいところでもある。だが私はあえて声を大にして言いたい。夢物語、なんだと。ありえないお話なんだと。あーだこーだと論争しても結局は、非現実のおとぎ話でしかないんだと。個人差はあると思いますが、そこんとこをどれだけ許容出来るかによって、楽しみ方が変わってくるでしょう。で今回のこの作品、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」である。いや~まあ時間軸のオンパレードである。あの時間とこの時間が・・・などと言い出したらキリがない!もう好きなだけ言い合いをして下さい。と、まるで挑戦状を叩きつけられているようにさえ思えてくる。実に挑発的な作品です。実際私も観賞後に連れと、あそこはさ~、いやいやあれはさ、などと大いに盛り上がったクチです。まんまとハマってしまいましたよ。それほどまでに魅力的な作品でした。日本人が原作ということもあり、細かな配慮を随所に感じられました。大味なハリウッド作品とは明らかに一線を画しています。監督の手腕も見事でした。繰り返される時間の見せ方が非常に丁寧で、主人公の内面と上手くリンクしていました。トム・クルーズもそんな監督に応えるかのように、実にイキイキと演じてました。ヒロインのエミリー・ブラント。一本調子な表現で終始押し通していたので、もうちょっと色んな表情も見てみたかったかな。とまあ色々と述べてはきましたが、とにかく観ておいて損のない映画でしょう。そして、あれこれと考えを思いめぐらせてください。きっと迷宮にハマってしまいますから・・・。
【Dream kerokero】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-07-06 07:16:02)
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