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《ネタバレ》 ともすれば地味な作品なのに、不思議なほどに見入ってしまいます。感情の起伏がはっきり見てとれるので、見ていて飽きないのかもしれません。
ヒュー・グラント演じるウィルの人柄は最高。軽薄そうに見えて情が深く、無関心そうに見えて意外と優しく、嘘つきなんだけど、大事なところではいつも正直者。好きではないが嫌いになれない『ウィル』という人物を、最高のバランスで魅力的に演じきっていたと思います。こーゆー役をやらせたら、ヒュー・グラントは天才的にはまります。 正直ゆーと、ストーリーは個人的に物足りない部分はありました。マーカスの恋の行方や、友人関係、ウィルの人生設計の見直しなど、どれか一つでもいいんで、もう少しだけ踏み込んで、建設的なストーリー展開を見たかった気はします。ラストの『ウィルとマーカスには支えてくれる人たちができた。』っていうのがこの作品のクライマックスなんでしょう。ですが、その結果具体的に二人の生き方が、どう変わったのか見せてくれないと、ただ雰囲気が良いだけの映画になってしまいそうです。 その雰囲気の良さだけでも高得点あげられちゃうくらいには面白い。ですが、せめてウィルにはなんか自分のしたい仕事やなりたい自分を見つけて、空っぽの自分からの脱却をはかろうとするきっかけくらいは、最後に見せてほしかったかな。 マーカスは『ブレない母親思い』がかっこよかったですね。もうちょっと音楽か勉強か、何かを頑張る姿を見たかった気もしますが、友人達からバカにされいじめられても母親を大切に思う彼は本当にかっこいいです。個人的にはこの作品の一番のポイントだと思います。 どちらかと言えば、ストーリーうんぬんよりも、人物の魅力を味わう作品。 落としどころが気になって最後まで見てしまうタイプのずるい映画という気もします。 どちらにせよ、そのプロセスは十分に楽しめるヒューマンストーリーに仕上がっていますね。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-04-27 04:00:33)(良:1票)
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