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《ネタバレ》 この監督とソリが合わないのはなぜか、この映画を観てわかった。この人の恐るべきユーモアの感性の無さだ。いつでも質感のしっとりとした小道具と背景で画を美しく撮り、芝居のしっかりしてる役者を使って雰囲気は極上だ。だけど、詐欺サスペンスの話で、してやったりやられたりといった爽快感が無くてどうするんだ。年寄りをマジ破滅に追い込んでどうする。
大問題なのは、オールドマンの財産だけでなく真心まで粉砕したってことだよ。押し込み強盗で絵画だけごっそり盗られた方が全然ましだ。 贋物の中にも本物がある=偽の愛でも真実かもしれないと心のどこかでクレアを待ち続けるオールドマン。でも来訪するのはかつての秘書のおじさんのみ。落胆のような絶望のようなオールドマンの表情。 一体どうしてくれるのか。ドレスや宝石をみつくろい、嬉々として自宅へ帰るオールドマンの姿を思い出すと私はこの上なく辛い気持ちになるんだが。 映画を観終わって、苦い感想を抱くものがあってもいい。けれど人の心の弱くて優しい部分を踏みつけにして可とする脚本などセンスが良いものではないと思う。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-10-19 00:13:29)(良:3票)
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