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パールが母親の古い服(ウエストの絞られたエドワーディアン風ドレス)を一張羅にしていて、義理の妹が最先端のフラッパーファッションに身を包んでいるというのは、明らかにパールの境遇(抑圧)と欲求(解放)の対比だろう。抑圧された女主人公が限界を迎えて大爆発するプロットといったら、やはり頭に浮かぶのは『キャリー』だ。しかしキャリーが「プロムに行くことを夢見るイジメられっ子の少女(見た目は冴えないけど超能力持ち)」という同情を誘うキャラクターであるのに対して、パールは自己中心的なシリアルキラーとして描かれるので、だんだん見る側の調子も狂ってくる。「銀幕スターという分不相応な夢を望む主婦(精神異常者なだけで凡人)」に、感情移入は難しい。パールの大暴れは見ていてハラハラする一方、「なんだこいつ…」と心が離れていく。この人物描写の雑さはA24スタジオ製作の他の作品にも共通するところだと感じる。そういう意味では、なんでもかんでも「親ガチャ」などと言って責任転嫁する現代の視聴層には合っているのかもしれない。
【乱泥】さん [インターネット(字幕)] 5点(2024-11-20 21:52:40)★《新規》★
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