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《ネタバレ》 竹野内豊さん演ずるニシノユキヒコがモテまくる、とか、幽霊となって登場、とか、そういう突飛な設定にばかり目がいきがちですが、実はこの映画のキーワードは、冒頭の「バナナパフェ」にあります。「まさか、男性がバナナパフェなんて食べるわけないだろう」、こういう、偏見にかんするお話なんです。 確かに彼は男性から見ても理想の顔だし、もちろん女性にはモテる。しかし、女性たち目線のニシノユキヒコの評価、それは顔とか雰囲気とか声とか、結局はそういう部分なんです。彼と一緒にいることで、自分の価値が高まる、癒される、そういった部分。言うなれば、彼の存在はブランド品とか、ペットの犬や猫に近いんじゃないかな。だから、女性のみなさんは彼の「心」にはあまり興味がなくて、「カッコイイからモテるでしょう?」「たくさん彼女がいて結婚願望ないでしょう?」と初めから一方的に決めつけている。 例えば、名門大学を出ているなら、一流企業に入ってアタリマエでしょう? とか、40代で独身なら、もちろんお金たくさん持ってるよね?(泣) とか、、彼の心の痛みは、そういう決めつけられる苦しみであって、、つまり本作は、深層心理的には誰でも心当たりのある共感しやすいストーリーなんです。 「幽霊」という設定はちょっとした遊び心で深く考える必要はないと思うけど、全体的にユルくて、笑いと切なさのさじ加減がよかったと思う。 楽団が奏でるでたらめな演奏は、男と女の「不協和音」ですかね。嚙み合わないけど、なぜか愛おしい、という。 既にユーカラさまが言われていますが、犬や猫といった動物やロケーション (風や自然光) との調和も素晴らしかったように思う。
【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-05-08 11:58:44)
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