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《ネタバレ》 荻上監督らしからぬトランスジェンダーといった難しいテーマでしたが、、監督の個性ってどうしても作風に出ますね(笑) 内容のわりに、ほのぼのとした空気は本作でも健在でした。監督、そして主演二人ともに新境地に挑戦したことは、大いに評価したい。先般で既に言われていますが、LGBTのカップルと他人の子、この組み合わせはまさに近年の「チョコレートドーナツ」を思い出しました。その展開はかなり違いますが、やはり感じたのは人と違う生き方を選んだ人たちには、それなりの"覚悟"がある、ということです。そして彼らは自分たちの問題行動が差別や偏見を助長することを承知していて、本能的に我慢すること(耐えること)で自らを守っています。トモがママレモン?で相手を撃退した場面が印象的でしたが、彼ら二人であったらきっと耐えたでしょう。でも決して、その心中はおだやかではありません。108個のちょんぎった"あそこ"、送られてきた巨大なおっぱい。とても本作をよく象徴する小道具であり、心のうちを出さない彼らの叫びを代弁しているように思いました。怒り、悲しみ、失望、、その感情の全てを編んで、燃やして、心を浄化することにより、彼らは耐えていると思う。(何かが大きく変わるわけではありませんが、)たくさんの人に観てほしい映画ではありました。
【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 7点(2017-03-05 17:06:48)
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