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《ネタバレ》 冒頭、採れたての魚を売るために、漁港で父と兄に代わって交渉するルビー (エミリア・ジョーンズ) の姿。そして、汗も流せず、キレイな洋服に着替える間もなく、魚臭いまま学校へと向かう・・。彼女は優しいから顔や態度には一つも出さないけど、家族の「通訳」として多くを犠牲にしてきたであろう、若い彼女の半生を想像するだけでちょっと泣けてくる。 この映画の面白いのは、音楽の使い方。まず、学校 (合唱部) と家 (家族) を二つの音楽のスタイルに例えて、対比的に描いてる。学校がバークリー音楽大学を目指すほど芸術志向の音楽なら、彼女の家族たちは生き方そのものに「ロック」を感じさせる。 なぜって? 手話で風を切って下ネタを連発する彼らの姿、、これは少なくともオペラやクラシックじゃない (笑) この映画は「手話」を音楽に例えて、表現の一つのスタイルである、と言っているんじゃないかな。大切なのは、日本語、英語、、そして「手話」も同じで、それは "話し方" という表現であり個性だし、その人の心や本質はそれによって変わるものではない、ということ。もちろん、どういう人生を選んで、どういう歌を歌っても、ルビーはルビー、彼女が彼女であることにも変わりはない。 個性豊かな登場人物たちと多くの歌と音楽による、生き方と表現による人生のハーモニー、とも言うべき映画でしたが、むしろ見た目からは伝わらない「内面」にある本質、耳には聴こえてこない心の「声」、、そこを描いているところが素晴らしいと思えます。
【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 8点(2022-02-27 14:49:28)(良:1票)
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