私の優しくない先輩 の 激辛カレーライス さんのクチコミ・感想

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私の優しくない先輩 の 激辛カレーライス さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 私の優しくない先輩
製作国
上映時間102分
劇場公開日 2010-07-17
ジャンルドラマ,コメディ,学園もの,アイドルもの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 タイトルは「私に」じゃなく、「私の」である。この違いはとても大きいが、日本人でも気付かない人が多いに違いない。主人公の女子高生ヤマネコ(あだ名)は、友人のキクコと親友として振舞う。だが実は見下している。最初からモノローグだらけの映画だが、そんな友人へのネガティブな本心も隠さない脚本に好感をもった(原作由来か?)。だがたぶんそれは、人間なら100パーセント「当たり前」のことだろう。仲良しに見える友人や恋人といっても、多数の見下しがあるものだから。

ヤマネコが恋する男子高校生アイジが全然魅力的に見えない。部活などで成果を出してるわけじゃなし、何が魅力的なのか。たぶん容姿だけだろう。ということは、ヤマネコの恋は上辺だけ。中味ゼロの恋だろう。

つまり主人公ヤマネコは実は完全に空っぽの人間である。何もしていない並の女子高生だから当然か?

だが「フワ先輩」は違う。いつも熱い、暑苦しい。超・前向きで思ったことを言うし行動する。暴力的に見えて、ぜんぜんそうじゃない。いい奴じゃないか? ちなみにフルネームが「不破風和(ふわ・ふうわ)」という名前だが、映画内で特に語られない(ウィキペディアで調べて知った)。

さて……この映画には原作小説があり、脚本も監督は書いていない。監督は山本寛(ヤマカン)で、「問題発言が全宇宙の星の数より多い」という噂の人らしい。元々はアニメ監督のようだが、私はぜんぜん知らない。興味もない。いま44歳で、この映画は2010年公開である。30代前半で撮ったのだろう。才能があるのかどうか不明だ。調べたが、今のところ実写映画はこの『先輩』だけのようだ。

宇多丸氏が酷評していたので興味があって観た。宇多丸氏のトークは二回聴いたが、的外れの気がする。なぜなら、私はこの映画を楽しんだし泣けたから。宇多丸氏は貶す前提で感想を言った気がする。宇多丸氏の映画トークは面白くて「すごく内容がある」ことが多いので聴くのが大好きだが、彼は主観が強すぎるタイプの気がするのである。

ところで主人公はどうなる? 病気のことは曖昧だった気がする。
しかし、良い青春映画だと思う。満点は差し上げられないが「8点」差し上げる。

<追記2019年7月末>
今月18日、京アニが放火されて35人が亡くなり、30人以上が入院中らしい。京アニは山本氏が以前在籍し、先輩や同僚が多い企業で、その不幸を嬉々として語る「この映画を監督した山本氏」には失望した。点数は変えない。再見したとき、変えるかもしれない。
激辛カレーライスさん [DVD(邦画)] 8点(2019-03-01 18:08:57)
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