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ケビンスペイシー&ジェフ・ブリッジスのダブル主演なのにこの安っぽさには驚かされます。(悪い意味で安っぽいB級映画風に見えてしまっていて非常に勿体ない) 中盤、若干の間延び感があるので余計にかったるいのかもしれませんが、まあ、哲学的な雰囲気の作品なので致し方ない部分なのかもしれません。
個人的にはこの映画にかなりハマってしまったので原作本まで取り寄せましたが、原作本と映画版は結構雰囲気が違っていて驚きます。原作と比較すると映画はより宇宙人に寄せて描かれています。映画ではどちらかというとプロート目線で、地球人(+パウエル医師=ジェフ・ブリッジス)の救済といったファンタジックな流れの優しい雰囲気に仕上がっていますが、小説版ではもっとパウエル医師の目線で、どちらかというと現実路線で精神病と向き合いつつも説明がつかない謎をどうやって理論的に説明するか?といったような、小難しい流れがメインとなります。 色々書くとネタバレになるので書きませんが、この映画には素敵な教訓が沢山散りばめられています。外から見た地球人という観点から、観客自身が自分たちの置かれている状況を客観的に考えることができるようになっています。光の速度で旅して行って帰ってくるという小芝居はあまりに適当過ぎて笑えますが、「結婚という概念があるのは地球だけだ、宇宙では誰もそのような非合理的なことは行わない」など、妙に説得力がある話も多くて興味深い。 青い鳥の一件と合せて故郷(K-PAX)へ帰ると言い始めてから俄然面白くなります。ラストへ向かう緊迫感とスピード感は大変素晴らしく、オチもかなり納得できるものでした。重要だったはずのプロートが何者であったのか?という疑問が小さなことのように感じられる素敵なラストは今も心に残ります。個人的には非常に高評価だったので一生懸命人にお勧めする作品ですが、一般的には知名度が低くて非常に残念な作品だったりもします。 【アラジン2014】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-09-04 16:51:29)(良:1票)
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