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《ネタバレ》 尊厳死という重いテーマの割に軽快で爽やかな語り口。
スペインの映画とは思えない、ハリウッド的な娯楽性が見易くさせている。 …とは言っても過剰ではない絶妙なバランス。 実話だがプライバシーの事情で大幅な脚色がされているが故に、窓から海へ飛び立つ幻想的なショットが活きてくる。 もう戻れない自由への憧れが切なくも美しい。 よく「生きているだけで素晴らしい」という言葉が感動的に描かれる風潮は、 狭い世界に押し込められている人間にとって生の肯定ではない。 価値観の強要であり、尊厳を剥奪する行為に過ぎない。 介護だってラモンにとっても家族にとっても負担がかかり、本音ではそれぞれ諦めたものもあったはずだ。 揺れる家族の葛藤に、同じく動かない神父が、マスコミが、スクリーンの前にいる我々が口を出して騒ぐ。 それでもマヌエラはこう言うだろう。 「あなたはやかましいわ」と。 死を選んだラモン、病を受け入れ生きることを選んだロサ、そして新しい命。 この三者三様の想いを乗せて海に還っていく。 答えはないけれど、この"着地点"が深い。 【Cinecdocke】さん [映画館(字幕)] 8点(2016-11-26 00:49:58)(良:1票)
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