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《ネタバレ》 是枝監督らしからぬ法廷ミステリで且つ、オリジナル脚本で勝負しているのは評価できるし、完成度は決して低くない。明確な答えのないモヤモヤ感のまま、日本の司法制度に問題提議を掲げているという意味では理にかなっているとも言える。だがやはり、複数のキーワードの表面を触れただけで終わり、登場人物が深く掘り下げられていない気がする。被害者の社長による実娘への性的虐待を見かねた前科者が再度殺人を犯し、それが公になることを恐れ、彼女を守るために自ら死刑になることを選んだというのが一般の解釈だ。メディアでは一方的に悪のレッテルを貼り、世間はそれに追従する。しかし、真実なんて掴みどころがなくて、たとえ偏ったものでも提示された情報でしか判断できないところに、人間の脆さとリンクする。殺人犯の真意など100%誰も分からない。それは理解している。ショッキングな描写や過剰演出に頼らない作風の限界かもしれないが、もっと深みを描けなければ「それで?」で終わってしまうのだ。
【Cinecdocke】さん [地上波(邦画)] 6点(2019-11-14 07:51:42)
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