知らなすぎた男 の ゆき さんのクチコミ・感想

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知らなすぎた男 の ゆき さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 知らなすぎた男
製作国,
上映時間94分
劇場公開日 1998-11-21
ジャンルドラマ,コメディ,犯罪もの
レビュー情報
《ネタバレ》  主人公が有能なヒーローであると勘違いされる映画、好きですね。
 「サボテン・ブラザース」然り「ギャラクシー・クエスト」然り。

 そういった訳で、上述の作品を愛する身としては
「何時、主人公が真実に気付いて、慌てふためく事になるのかな?」
 なんて思いながら観賞していたのですが……

 結局、最後まで周りを勘違いさせたままエンディングを迎えたんだから、もう吃驚です。
 さながら「刑事コロンボ」で犯人が捕まらずに、そのまま逃げ切ってみせたかのような衝撃。

 でも、決して「裏切られた」という印象は受けず、完走し切ってくれた事に、心地良い満足感を味わえましたね。
 途中で主人公が真実に気付いた方が、そこから二転三転させてのストーリーを展開させ易いだろうに、あえて初志貫徹してみせたかのような作りは、本当に天晴だと思います。

 ラストのキスシーンの背後で、悪役を乗せたヘリが爆発するんだけど、その事にも主人公は気が付かないまま。
 何かが爆発したかと思うくらいに衝撃的なキスだった、と呑気にヒロインに話す辺りなんて、実に微笑ましい。

 他にも、自白剤を飲まされた主人公が「今日は誕生日だ」という情報を口にした途端、悪役達が反射的に「ハッピーバースディ」と声を揃えて祝福してみせる場面なんかも、お気に入りですね。
 この映画が備えている「愛嬌」を、如実に示したワンシーンだと思います。

 そんな中で、あえて不満点を挙げるとしたら……
 「最後は弟と一緒に葉巻を吸って欲しかった」と、それくらいになるでしょうか。
 序盤にて、葉巻を吸う事が誕生日のゴールであるかのように描かれていたので、その予想が正解であって欲しかったんですよね。
 あとは、主人公である兄に比べると、弟の扱いが不憫だったので、兄弟仲良くハッピーエンドを迎えて欲しかったなと、そう思えちゃいました。

 映画が終わった後も、主人公は周りを勘違いさせたまま、敏腕エージェントとして活躍し続けるのか。
 はたまた正体がバレてしまい、無事に結ばれたはずのヒロインとの仲も危うくなってしまうのか。
 そんな後日談について考えるだけでも、楽しい気分にさせられる一品でした。
ゆきさん [DVD(吹替)] 7点(2016-05-21 05:38:57)(良:2票)
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