地獄のデビル・トラック の ゆき さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > 地獄のデビル・トラック
 > ゆきさんのレビュー
地獄のデビル・トラック の ゆき さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 地獄のデビル・トラック
製作国
上映時間98分
劇場公開日 1987-07-18
ジャンルアクション,ホラー,コメディ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》  監督と脚本をスティーブン・キングが担当したという、それだけで映画史に残ってしまいそうな一本。

 こういう場合、いっそ「破滅的に酷い出来栄え」であれば、カルト映画として人気になってたかも知れませんが……
 本作は「一応そこそこ楽しめる」ってタイプの品なので、評価に困っちゃいますね。

 勿論、粗は多いです。
 例えば冒頭にて、機械が勝手に動き出す場面も、映像だけ見れば不気味なのにBGMがロックなAC/DCなので、何かチグハグなんですよね。
 キング当人がAC/DCのファンであるがゆえの選曲なのでしょうが、ミスマッチとしか思えなかったです。
 男がトラックに轢かれる場面でも「止まってる車に男の方からぶつかってる」としか思えない撮り方してるし、演出の拙さが目立ちます。

 脚本に関しても「新婚夫婦の車だけは暴走しておらず、人間が自由に動かせる」って事が伏線だろうと思ってたのに、全然そんな事は無くて、理由が説明されないまま終わっちゃうんだから、もう吃驚です。
 主人公達が籠城するガソリンスタンドの地下には、武器がたんまり秘蔵されており、戦力的に主人公側の方が有利っていうのも、ちょっと歪なバランス。
 わりと序盤の段階から「バズーカあるから勝てるじゃん」って思えちゃうし、途中で出てきたマシンガン搭載の車に対しても、わざわざ主人公が近付いて手榴弾で爆破なんかしなくても「バズーカ使えばいいじゃん」ってなってしまう。
 そんな感想が間違ってなかった証のように、最後は普通にバズーカ撃って、敵の親玉トラックを倒して終わりだし……
 観客に違和感を抱かせない為には「切り札であるバズーカを中々使えない理由」を、ちゃんと描いておくべきだったと思います。
 本業は小説家のキングだから、演出は拙くとも脚本には光るものがあるだろうと期待していたのに、それさえも裏切られた気分。

 そんなこんなで、欠点を論ったらキリが無いんだけど、ちゃんと良い所もあるというか……
 「長所」っていうよりは「愛嬌」を備えてるタイプの映画だったので、不思議と憎めないんですよね。

 まず、予算は問題無く確保出来たようで、トラックが破壊される場面はキチンと描いているっていうのが嬉しい。
 「玩具の車を口に突っ込み死んでる犬」とか、同じキング作品の「クリスティーン」や「クジョー」を知ってるとニヤリと出来ちゃう場面があるのも、程好いファンサービスって感じがしましたね。
 他にも「芝刈り機は襲ってくる」し「下水パイプの中を移動する」しで、さながらキング作品のオールスター状態。
 それらの「元ネタ当てクイズ」をするだけでも楽しめちゃうし、ちゃんと「スティーブン・キングが脚本を書き、監督を務めた事」に、意義のある作品だったと思います。

 キング作品ではお約束の「可愛らしい子供」も登場しているし、キング当人も冒頭にカメオ出演しているしで、嫌々撮った訳ではなく、きっと楽しんで撮ったんだろうなって思えるような、微笑ましさがあるんですよね。
 最後の気象衛星オチも、非常に馬鹿々々しくて「何じゃそりゃ!」と、呆れながら、笑いながらツッコむ事が出来ました。

 面白かった……とは言い難いんだけど、それなりの満足感は得られたし、また何時か気が向いたら、観返したくなっちゃいそうですね。
 話のタネになるという意味でも、観ておいて損は無い映画だと思います。
ゆきさん [DVD(吹替)] 5点(2022-02-02 11:50:11)(良:1票)
ゆき さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-01映画ドラえもん のび太の地球交響楽8レビュー8.00点
2024-02-17グリーンブック8レビュー7.97点
2023-12-26あなたが寝てる間に・・・6レビュー7.21点
2023-12-20メリーに首ったけ6レビュー6.23点
2023-11-28メイズ・ランナー 最期の迷宮5レビュー5.50点
2023-11-28メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮6レビュー4.78点
2023-11-28メイズ・ランナー5レビュー5.82点
2023-11-03魔法にかけられて6レビュー7.05点
2023-10-24キートンの蒸気船8レビュー7.78点
2023-10-19ロイドの要心無用9レビュー7.36点
地獄のデビル・トラックのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS