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《ネタバレ》 アメコミ界屈指の骨太な傑作が爆誕。あのウルヴァリンが、プロフェッサーXが驚く程衰え、観ているこっちが痛々しい。
思えば前作SAMURAIで「君は死を望んでいる」という余計すぎるお世話により能力を奪われ殺されかけたローガンだが、実は的をえており本作の彼は自らの死に場所を見失った悲しき老人となっていた。武士道を重んじるキャラクター故に、誇り高き死に際を迎え損ねたこの男は無様でも生き続けなければならない業(ごう)に苦しみ、無気力になってしまったのだろう。ローガンとチャールズが背負った重荷も敢えて直接語らず、ふたりの表情、目だけで十二分に表現しきれており、まんまと感情移入してしまった。ここは近年のアメコミ映画の中でもグンバツの名シーンであり、爆涙ポイントである。そんな中現れたローラという希望。彼女のために全身全霊で最期の生を振り絞る男達のドラマに心が震えない人がいればきっと異常だ。精神鑑定をオススメする。 アメコミ映画として燃える展開もガッチリ抑えており、ラストのドーピング薬物ガンギメからのバーサーカーモードはR指定のバイオレンス描写も手伝い大興奮で、「いいぞ!やれぇ!ブッコロせぇ!」と心の中で野蛮な雄叫びをあげてしまった。 それもこれも全て本作で最後のウルヴァリンとなるヒュー・ジャックマンの並々ならぬ意気込みのおかげ。思えば身長の高さで心配させた一作目からこの最終作までただの1度も手を抜かず、全力で120%期待に応え続けてくれた。シリーズの中には決して誉められたものではない残念な作品もあったが、ヒューに対する悪評は聞いたことがないし、降板せずに演じ続けてくれるだけに留まらず毎回記録更新するバルキーな肉体に仕上げてくるプロ根性には脱帽、最敬礼、いや土下寝でも足りず地面に頭を突っ込んで三点倒立したい。彼にとってもそれだけ重要な役であり、今回もまた完璧なボディビルドに加えて素晴らしい演技でも魅せてくれた。更には作品の完成度を上げるためにギャラを下げてまでR指定を勝ち取ったなんてエピソードを聞いてしまっては好感度ブチアゲ、永久高止まりで見ず知らずの人にも「この方マジ最高なんすよ」と教えて回りたい。ありがとう、ヒュー・ジャックマン!そしてお疲れさま、R.I.Pウルヴァリン! 【けんじマン】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-06-05 20:21:01)
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