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《ネタバレ》 なかなか面白かったです。史実をうまい具合に変えた作品ですが、かなりうまくできています。
金剛代艦計画は存在していましたが、現在知られている二案とも戦艦の計画です。ですから、これを空母と戦艦にしたのはフィクションです。戦艦なら対米戦争、空母なら戦争回避という前提で話は進みますが、無論そこには何の根拠もありません。しかし、これを話の基本に据えたことでうまく物語は進行してゆきます。戦艦建造を防止するため留学を辞め、山本五十六に請われて到底無理と思われる短期間での建造費用の見積もりに挑む天才青年。そこに立ちはだかる軍事機密の壁。わずかに見える突破口も無理だとあきらめた瞬間に起きる奇跡。それを察知したかのように届く期間短縮の知らせ。天才のひらめき。見積もりの成功。しかし、それさえも論破され強行される戦艦建造。だが、その戦艦建造には全く思いもよらない意義があったのだ。 この最後の戦艦の意義が泣ける。冒頭のシーンが思い返され感謝の思いに心が震える。傑作とまでは言えないが、胸が熱くなる。8点。 史実に追加。金剛代艦計画は海軍軍縮状況下で検討されたもので直接大和とは関係ありません。あと、自分の知る限りでは戦時中、戦艦大和の存在は秘密とされており、国民の戦意に影響を与えるものではなかったと思います。 【たこのす】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-02-23 18:02:14)
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