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(ネタバレあります)最後の皆さんが言われるところの「どんでん返し」は自然で、違和感なく、なるべくしてなった必然的展開だと思う。驚くには驚いたが、その澱みのなさという印象のほうが強かった。「どんでん返し」という観念は浮かんでこなかった。(おそらく皆さんも便宜的に使われているのだと思うが) 怖さというのもあまり感じなかった。(不気味さで言えば2回目のほうが怖かった) ホラーとかサスペンスとかスリラーといったジャンルで括ることは、作品世界を素直に感受することの障碍になると思うので、なるべくそういったものが浮かんでこないよう見るようにしている。あえて言えば、深い愛を、形を持たないからこそ、より実在感をもって感じさせるドラマ、というような捉え方をした。敬虔なカトリック教徒の母親が、自殺を禁じられてるにも関わらず(私が知ってる数少ないカトリックに関する知識)混乱して自殺にいたったということに、印象に残るものがあった。それでも主は哀れみ、お許しになった。それが時間軸上はそれ以後の(映画のストーリー上はそれ以前の)母親のリアリティ、行動としての説得力になっているのではないか。子供たちなどに対する立ち振る舞いはそれに即したものだと思うし、メッセージとしてもより伝わってくるものがある。そもそも愛憎表裏と言うくらいだから、憎しみも愛の一つの表現と言ったほうがよいか。ただ、そういったものをより感じたのは2回目以降だから、私の中ではこの映画は正味4時間である。こういう映画を作らせてしまうのだから、監督はもちろん、イエスという存在は偉大だ。カトリックの方の感想も聞いてみたい。
【トリプルH】さん 7点(2003-02-27 01:39:33)
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