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映画を観る前には、それなりのテンションを準備しておくことが大事だと思う。題材が現代の科学を超えたものだから、変に考えずに眼前の光景を楽しもうと決めて臨んだ。しかし、節々で中途半端に哲学ごっこしているので、その時々で考えさせられるが、ポンポン展開が飛び、わけのわからん異形の者たちが出てきたりで、こちらの思考も中途半端になってしまった。観終わってしばらく澱が残った。考えさせられる部分はあるが、考えがある程度実を結ぶより前に「はい次~」っていう。だから不安になる。不安は不安で残しておくのもまたよいが、不安は不満にもなるもので、考えさせっぱなしにするか、思考停止させっぱなしにするか、どっちかにしてよ、とも言いたくなる。SF的要素、アクション、ホラー性(というより滑稽味)、物語展開の原動力としてのアドベンチャー性(旅の構造)、哲学的要素、さまざまなマテリアルを散りばめて間口を広くしているのだろうが、どれもが突き抜けていなくて、監督の意図が不明瞭だ。モンスターの滑稽さは緊張感の中でこそ活きるはずなのに。それでも、音楽には感動した。特にエロイ族のハゲどもがなんだなんだと集まってくるシーン。しかし、内容が追いついていないような、というより噛み合っていないような、ただいい感じに雰囲気が作れたから、「これよくない?」「いいじゃんこれ~、これで行こうよ~」みたいな。初めて撮りましたっぽさ、言葉は悪いが素人臭が出てる感じがします。純粋に感動しようとしたけど、何かが引っかかって、素直に雰囲気に身を委ねられなかった。CGによる視覚的快楽はあったし、サマンサ・マンバという魅力的な女優を見つけたし、損をしたとは思わないが。
【トリプルH】さん 6点(2003-04-02 16:03:24)
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