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<ネタバレ>大変申し訳ないがホラーとしてはあまり怖いと思わなかった。最初のドッキリには呆れたが、本番になっても型どおりの怖がらせだけでそれほど刺激的でもなく、わざと怖くないように作ったのかという気もした。プロットとしてもよくある話のように思ったが、根本原因だけは少し意表をついていた。アメリカ人なら誰でも知っている事件だろうが邦画ホラーでは出て来ようがない発想である。
この映画の見どころは、何といっても題名の死体である。最初は土中にゆで卵が埋まっていたような印象で、その白い身体を男連中が勝手にいじくり回して滑らかな肌を切り開くというのが痛々しい。最初は単なるsleeping beautyだったが、目を開けてみると思わず惚れてしまいそうな微笑の美女になり、次に口を開けたところは驚いたような顔だったが、解剖が始まってみると悲しげな顔にも見えて、自分の身体にこんなことをされるのは誠に遺憾という表情のようでもある。基本的には被害者顔に見えたのが愛おしく思われたが、最後になると気高くも見える顔になっていたのがまた美しい。一応見終わってからも、また彼女に会いたくなったというのはもう呪われている。
死体以外では「スタンリー」というのがなかなか愛嬌のある奴だったが残念なことだった。