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<ネタバレ>保守的なワイオミング州と男らしさの象徴であるカウボーイに相反するように描かれる同性愛は、二人の人生に大きな波紋を広げ、大きな影を落とす。仕事上、大自然で二人だけだからこそ恋に落ちてしまう過程に説得力があり、会えない月日で広がる心の空虚さを埋めるように、ブロークバック・マウンテンだけが二人を受け止める唯一の居場所なのだろう。当然、お互いの妻は遠い世界を見ている夫とズレが生じていき、不幸になっていく。もし、二人が出会わなければ双方の家庭は幸せになっていたかもしれない。偶然恋に落ちた相手が"男"なだけにすぎないのだから。一人は死に、もう一人は孤独なトレーラーハウス暮らしに身を落とす。永遠に会えない男のシャツに「愛してる」と呟き、夢の中で己を慰めるしかない。心に残る半面、不器用な生き方しかできなかった男たちのとても悲しいラブストーリー。