大事件もドラマティックな展開も起きない。ただ、手紙を届けるだ .. >(続きを読む)
大事件もドラマティックな展開も起きない。ただ、手紙を届けるだけなのに、緑が映える山々のように情感豊かに紡がれていく。80年代当時の一人っ子政策で次男坊が犬であるあたり、中国のお国事情を覗かせながらも、素朴で忘れかけていた人々の繋がりがそこにあった。スマホやメールで一瞬で繋がる現代だからこそ、長い道のりを越えてきた手紙で想いを受け取ったときの感慨も深い。あれから30数年、急激に成長していく中国において、その社会から取り残されたような世界に住む彼らは今でも心を失わずに郵便配達をしているのだろうか。