<ネタバレ>『ラスト、コーション』みたいな官能心理サスペンスだと思ってい .. >(続きを読む)
<ネタバレ>『ラスト、コーション』みたいな官能心理サスペンスだと思っていたら、成人向けの『アナと雪の女王』だった。大金を求める侍女・スッキと自由を求める令嬢・秀子。伯爵に持ちかけられお互いを陥れるはずが、次第に心を通わせていく過程を丁寧に掬い上げ、気持ちが高揚していく。日本に対するコンプレックスと憧れを体現した淫靡で壮麗な美術が異空間として広がっていき、重苦しい展開をユーモアで繋ぎ止めるパク・チャヌク監督の真骨頂だろう。第三章は意外性の物足りなさ、逃走劇の詰めの甘さが気になったが、自分たちを支配しようとする叔父と伯爵を懲らしめてハッピーエンドは爽やかで悪くない。舞台をヴィクトリア朝の英国から日本統治下の朝鮮半島へ大幅に改変して原案同然になったからこそ出来た結末だ。日本に憧れを求めた"ニセモノ"からの解放。性別と階級と国籍からの解放。しかし、時代背景からすると末永く幸せに暮らしましたとは思えない。二人からはどこか淡く儚い、幼子の遊びみたいなものを感じるのは自分だけだろうか。細かい人間関係及び小道具を見直したくなるくらい面白かった。