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この世界の片隅に

連載開始2007年
連載終了2009年
コミック数3冊
連載終了
平均点:9.17 / 10(Review 6人) (点数分布表示)
ドラマラブストーリーコメディ戦争ものファミリー
[コノセカイノカタスミニ]
新規登録(2009-05-18)【あにやん】さん

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作者こうの史代
掲載誌漫画アクション
出版社双葉社
あらすじ
広島市に生まれ育った、絵を描く事が好きなすずは昭和19年、呉市の、顔も知らない軍人・周作の元へと嫁ぐ。様々な事件を巻き起こしつつも、嫁として戦時下の日常を生きてゆくすずだったが、やがて軍都・呉に戦禍が及び始めるのだった・・・
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【クチコミ・感想】

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6.映画見て、詳細確認したくなり、全巻購入して一晩で読破。
観て読んでから半年、クールダウンしてきましたが、やはり9点は付けて置きたいです。
あの時代の事は、話してくれる当事者が居る反面、語りたがらないお年寄りも少なくない。
空襲は1度しかなかった地域なので、東京や広島の人たちとは温度差もあるでしょう。
この漫画が、描いている事が、ある人からは嘘くさくて、ある人にはそのままなのも事実でしょう。
自分の母親と祖母は18歳しか歳が離れてません。すずさんよりも早い嫁入りでした。
しかし自分の母は晩婚で、31歳で結婚。時代の差は凄い物です。駆け足で昭和が過ぎて28年。
改めてあの時代に思いをめぐらす、きっかけになったという意味で、とっつき難い他の名作よりも
功績が大きいかもしれません。
辛い時代を語るのに、正座を強要されない、自然体の媒体として、大変貴重だと思います。
グルコサミンSさん 9点 [全巻 読破](2017-06-15 00:39:56)
5.戦中の日常生活を描くという主眼は成功していると思う。当時の風物をよく勉強されてる感じで、生来のユーモアや遊び心もあって楽しく読めました。
ただ終戦直後の描写は何かおかしく残念。どう収束させるか考えが纏まっていない内に終章辺りまで来たという感じなのかな。
「最後まで戦い抜くべき」なんて伏線もなく唐突に言い出すし「暴力で支配されていた・・この国の正体かね」というのは、GHQによる公職追放やそれによってメディアを牛耳る事になった在日によって、後になって人工的に形成された思考。終戦になっていきなりこんな事を考える人は居ないでしょう。「少年H」の時にさんざん言い尽くされた話かと思ったら、まだ罠に引っかかってる人いたのね・・という感じ。この辺で減点。
これは筆者氏がサヨク的思想というより、根が素直なので読んだもの聞いたものをよく考えずに信じてしまう性質ゆえという気がします。
同じ女流ベストセラー作家でも、戦前生まれで実際の経験者である小説家の某女史などは、終戦直後の混乱や「三国人集団」の暴虐などがごくごく普通に正確に描写されており、改めて流石だなと思いました。
番茶さん 7点 [全巻 読破](2017-04-16 22:53:00)
4.《ネタバレ》 俺は映画版に魅せられ、原作であるこうの史代さんの漫画も買ったクチでしてねえ。

すずさんやりんさんにもっともっと会いたくなりまして。読んで良かった、出会えて良かった。

この作品には、こうの史代が今まで描いてきた作品の要素も散りばめられている。
「ぴっぴら帳」の鳥たち、「こっこさん」の鳥と絵描きのはづき姉ちゃん、「長い道」「街角花だより」のタンポポ、「さんさん録」の料理…いや時代設定で言えば今までの作品はこの映画の“未来”であり、この作品は“過去”として諸作品に繋がっていくのではないか。戦争の無い平和な日常が続く未来に。

そして、“死”が未来を生きようとする人々に絡みつく「夕凪の街 桜の国」に対し、本作はひたすら“生”に寄り添い進み続ける。作者自身のアンチ・テーゼでもあるのだ。

1巻(前)と2巻(中)でしっかり描かれていた右手が3巻(後)で見切れ、満面の笑みでわろうてるあの人の姿も切なくて。でもカバーを折り返すと…!

原作はりんさんとの二度の再会や戦後の台風といった泣く泣く、それこそ壁や地面に腕を打ち付けるくらいの思いでカットしたであろう部分もたっぷりでして。

アングルといったカットの違いも細かい。漫画の方は気づくと「あっ」とか「あ…」とか「あああああああああああああああああああああああああああああああ」でね、歩いているとこをふと横を見ると…あああ。

1話ごとに冒頭で挨拶するように登場人物(主にすず)の全身像が描かれる演出は「ぴっぴら帳」を思い出す。

馬に乗って現れ胡坐で「まぢうまし」と飯をかっ喰らい去っていく楠木公(楠木正成)、種を土から盆栽・屋根の上まで一粒ずつ入れていく「試験栽培」、円を描くように吐き出される「くどくど」、月夜に伸びる植物、地平線に浮かぶ船を見て親子そろって手を振る光景を思い描き、密集する中から選ばれる取り壊し。

館の前で二人で座り、胸元から取り出す「従業員の名刺」、フクロウ、鍵、鈴(すず/りん)、ヨメのギムはなんかきりがないねえ(「古事記」感)、ベランダから見送る視線、風でなびく髪、うなじにかかった「おくりもの」を握りしめる笑顔。

野屋の二階で寝ていた「住民」、竹を切りながら見つけたとんぼ、「字」を見て知ってしまった「あの人」との関係、駆け込み机の中から取り上げたノートにあった「切れ端」、風呂場から覗かせた裸が夜の営みの裸へと繋がり、手と手、視線が向き合う相手を受け入れるべきか迷う表情。

姉さんへのご相談、不幸の手紙はちり紙に、障子の隙間から困り顔で見守る姉さま。

脚蹴にした袋から出てきた“脳みそ”、竹槍持って雪道を進み、出迎えてくれた人に冷たい雪を馳走し、雪原をキャンバスに竹で常夏の海を描く。

ちょっとどころじゃない栗本さん家の事情、道端に倒れた材木と亡骸。
お兄ちゃんからの贈り物と船の上を飛ぶ「落書き」、豊かな髪を櫛でとかそうとする乙女の色っぽさ、艶やかな着物姿で挨拶を交わす再会、細ばかまを下に履き桜の樹を登り贈られる紅入れ、中に舞い降りる桜の花びら。

台風の件なんてねー、いきなり写実的な「眼」がパッチリ(台風の目)で広島の真上に来やがりやがってで、土砂降りの雨の中を梯子で屋根の上に登るすずの強さ、倒れてもさり気なく支えてくれる周作さんの優しさ、空襲でも怪我をしなかった面々に降りかかる雨風、嵐、崖崩れ…そんな状況でも郵便を届ける女たちのたくましさ、轟音とともに叫ぶ解雇報告に笑って泣きそうです。

その後に「あの人」が居たかも知れない瓦礫の山、焼け残った黒髪、砕けた器の破片、静かに眠るように隣で微笑む「あの人」を思い描くとこなんてもうね…どうしてなん?生きてみんなでゼイタクしているとこを見たかったんやで…。

そんな気持ちを「ぴっぴら帳」や「ぼおるぺん古事記」を読んでほっこりさせた私でした(何の話だ)。

空を埋め尽くす板チョコ、鬼イチャン冐險記(冒険)、すずと周作が出遭った「あの人」の正体、灯りでもつけたかのように、白黒の世界が彩られ鮮やかに光り輝く帰り道。

こうの史代は後書きであんなことやこんなことを語っているが、この作品はその「だらだら続く」愛すべき日常の素晴らしさを改めて思い出させてくれる。とっても素敵じゃありませんか。
すかあふえいすさん 9点 [全巻 読破](2017-03-27 08:02:16)
3.《ネタバレ》 戦時中の広島・呉の物語であり、表面的なほのぼの感に騙されていると後で痛い目に遭うと思って警戒しながらも、律儀に1話ずつ笑えるオチをつけていて本当に大笑いしてしまうところがある。また「夕凪の街 桜の国」でもそうだったが、現実というより登場人物のイマジネーションを視覚化している部分があったり、何気ない描写に深い意味があったりもするようで、マンガでも映画でも文章のように読もうとしてしまう自分としては、まずは絵で表現されたものをしっかり受け取らなければと改めて認識させられる作品だった。どこまで読み込めば本当にわかったといえるのか、いつまでも自信の持てない物語でもある。

ところで無粋なことをわざわざ書くと、この物語全体の受け取り方に関して、まず①個人の問題としては、主人公が人生の変動期と戦争の受難をくぐり抜けて、今いるこの場所での自分の存在を肯定するに至った話と取れる。同時に②少し広い社会の問題として、主人公を含む人々の家庭生活や近隣社会が、戦争に圧迫されてひどく傷つけられながらも、なお存続していこうとする柔軟なしたたかさが表現されていたとも取れる。また一方では、①②のいわば反転像として、主人公とその家族や周囲の人々に回復不可能なダメージを残した③戦争の残酷さを表現しているともいえる。基本的姿勢として戦争に否定的なのは当然のことであり、その意味で「反戦」的な作品として受け取られるのも間違いとはいえない。
物語中には個人的な立場として気になる箇所もなくはないが、それも含めて無用の対立を呼び起こさないための配慮がなされていたとも考えられる。少なくとも日本人の範囲であれば、さまざまな立場を超えて共有できる場になりうる作品であり、上記①~③をあわせた形で、昭和の戦中期を新たに描き直したという歴史的意義のある著作といえるかも知れない。

なお個人的には心優しく可愛らしいすずさんは大好きだが、その他の登場人物を含め、作中の愛すべき人々が戦争で傷つけられていくのはやはり痛々しい。自分にとって全体を通じたキーワードのように思われたのは、お姑さんの「みんなが…ええのにねえ」だった。
くるきまきさん 10点 [全巻 読破](2017-02-02 19:47:36)(良:2票)
2.どこか牧歌的で、穏やかな表現・筆致なのに、そこに清濁併せ持った感情の全てが静かに込められている。

もっと大袈裟に、お涙頂戴的に、押し付けがましい教科書的な作品になってしまいそうな昭和戦時下の日常物語を、こうの史代の真骨頂ともいえる語り口で丁寧・丹念に描ききっている。

こうの史代漫画の神がかり的なバランス感覚は、もう見事としか言いようがない。
aksweetさん 10点 [全巻 読破](2010-09-30 02:19:16)
1.《ネタバレ》 『夕凪の街 桜の国』というひとつの到達点を得た作者が描く、戦時下の広島・呉を舞台にした新作、って読む前は単なる『夕凪~』の焼き直しに落ち着いてしまうのではないかと期待よりも不安が勝る状態でした。連載ではなく単行本で読んでいったのですが、第一話以前のプロローグにあたる部分は既に本編の連載誌とは別のマンガ雑誌で読んでいて、ああ、これもその一部だったんだ、と。それは『夕凪~』よりもコメディ主体の、従来のこうの作品に近く、続く本編も戦時下の日常を生きる天然キャラすずのコメディというカタチで描かれてゆきます。上・中巻では従来型こうの風味と『夕凪~』的ヒロシマの物語とが、一体どういうところに落としどころを見つけてゆくのだろう?という感じで世界がいまひとつ掴みきれない感じがしましたが、下巻において従来型も『夕凪~』もない、実はそれらを遙かに超越して最早マンガという表現メディアの極致にまで高められてしまったんじゃないかという凄い存在である事に気付かされました。何気ないアイテム、挿入される絵、タッチの違い、それら1つ1つに意味があり、1つの作品として閉じた時、最初に読んだ幾つものエピソードが全く別の意味を持ってきます。全てが戦争に翻弄され、それでも「戦争のある日常」を生きたすずの物語を紡ぐ大切なエピソード、アイテムであった事、綿密に張り巡らされた伏線によってプロローグ3話、本編45話が最初から計算され尽くした上で描かれていた事をまざまざと見せつけられ、そして最後に「歪んだ世界」が花開くように再生してゆく、そのさりげなくも感動的な幕に「凄いものを読んだ」と心を激しく揺さぶられるのでした。イデオロギーを超越し、映画でも小説でも決して到達し得ない、マンガ独自の力が辿り着く世界を、できるだけ多くの人に触れて頂きたいと切に願います。
あにやんさん 10点 [全巻 読破](2009-05-19 20:15:06)
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【点数情報】

点数分布 [全巻未読] [全巻読破]
Review人数 6人
平均点数 9.17点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7116.67%
800.00%
9233.33%
10350.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 タイトルマッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 10.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 感泣評価 10.00点 Review1人
5 爆笑評価 10.00点 Review1人
6 作画力評価 10.00点 Review1人

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