1. BANANA FISH
《ネタバレ》 小説でも映画でも到達できない領域がある、マンガってここまで凄い事ができるんだ、って思わせてくれた作品。少女マンガというカテゴリーに存在しながら、そのバイオレンスの世界は全く容赦なく爆発し、衝撃を与え、それゆえに作品世界と対比するとどうも甘く思えがちな友情物語が一縷の望みとして輝いています。血と暴力に塗れたアッシュ・リンクスの生涯は、到達すべきところに到達するしかなかったのですが、悲劇と言うよりも、短くも激しく燃えた男の生きざまを見せ付けてくれる熱いマンガ、といった風情でした。この国のマンガがいかに成熟した文化であるのかを象徴する、極まった表現力を見せる(明らかに大友克洋の影響が見て取れるにしても)作品でした。 10点(2009-01-02 22:52:17) |