1. ベルセルク
現代のエピソードを話もそこそこにぶった切って12巻にも及ぶ過去編に突入するなど構成にはやや行き当たりばったりな感じもありましたが、荘厳な世界観を作り出すのが非常に上手いですね。特に高尚さを通り越して人間味がまるで感じられないグリフィスと冷徹でありながら人間臭い側面を持つガッツの対比が絶妙で2人の対立を軸としてみると非常に面白い作品でした。ただ、ガッツが復讐よりもキャスカの保護を優先してからが問題でストーリーのイニシアチブを完全にグリフィスに奪われる形となってしまったのが残念。明快な目的意識を失ったガッツ一行に見せ場を作ろうとして魔法の概念を登場させてしまったばかりに話が散漫となり収集も付かなくなりかけている印象です。『HUNTER×HUNTER』のクラピカ同様、復讐を断念した時点でガッツの出番を削りグリフィス主導のストーリーにすればここまでグダグダにはならなかったでしょう。 8点(2008-05-29 17:47:20) |