1. DEATH NOTE
《ネタバレ》 天才同士の対決をDEATH NOTEという小道具だけでここまでスリリングに描いたことはやはり凄いことだと思う。奈南川のヨツバ社員としてのプライドの発言や相沢の火口逮捕時に語ったいかにも少年漫画的な臭いセリフが全て無駄に終る皮肉にも笑えた。ただ、どちらかといえば欠点の方が目立つ。まず、ドラマが希薄なこと。テンポ重視のためわざとやっているのはわかるが、おかげで月にとって重要な意味を持つはずの「正義の象徴」夜神総一郎がLの足を引っ張っているだけにしか見えない。それから、DEATH NOTEルールに後付が多いのも気になる(特に「ノートに触ると失った記憶が蘇る」というのはかなりご都合主義的に感じた)。それから第2部の「Lの後継者との対決」というのはあからさまに焼き直し。どうせなら、キラに反目する犯罪者との共倒れを見たかった。アニメも見たけど今のところ実写映画版のラストが一番良かった。 ちなみに「文章が長いのは漫画として失格」という意見は必ずしも正しくないと思う。「絵で表現すべき」というのは正論だが、極端になると絵画や映画に任せれば良いことだし、絵だけでなく文章も使えるのが漫画表現の利点なのだから最大限に活かして然るべきだろう。事実、アメコミは格段に文章が長いし、「HUNTER×HUNTER」ではアクションシーンにおいてテンポを乱すことの無い状況描写を可能にしている。 6点(2008-01-04 16:39:06)(良:1票) |