1. レベルE
『幽☆遊☆白書』でジャンプ編集部と対立した冨樫のガス抜き的作品。「天才的な悪人」ではなく「天才的な意地悪」を主役にしてしまったところが素晴らしい(笑)。読者の予想を見事に裏切る展開や、無駄なシーンが無くテンポよく進んでいく展開はいかにも富樫らしい。食人鬼編の切ないラストでありながらベタベタのお涙頂戴演出を行わずにサラッとどこか哲学的にまとめるあたりも藤子・F・不二雄を髣髴とさせる。しかし、本作や『HUNTER×HUNTER』を読む限り冨樫はとことん「少年漫画的」な展開を嫌う漫画家であることが伺える。だからこそ「少年漫画の範疇でありながら大人向け」な作品を描くことが出来る、今のジャンプ(と読者)にとっては貴重な存在なのだと思う。 9点(2008-01-05 18:11:36) |