2.原作未読。原作者が苦手なので敬遠していたのだが、歴史は好きなので見てみた。まず時系列が行ったり来たりするが見難い(戦後のストーリーをメインにして戦前は回想形式にした方がよかったのではないのかと)。結果、全体的に中身がなく、役者の演技も現代劇のような感じで、薄っぺらい印象。そのせいか、思っていたよりあっさりしていてイデオロギー性は感じられなかった。皆さんのコメント読むと、ストーリーを端折ったり、イデオロギー性を取り除いたり、色んな意味で原作ファンの期待を裏切る内容であったようであるが、ある程度のイデオロギー性を覚悟をして見た原作未読者にとっては拍子抜けする作品ではある。もうちょっとクドイ感じで作ってもよかったのではないだろうか。とは言え、出光は昔は独特の社風であるにも関わらず、ワリと評判のいい企業というイメージがあり、その一端は窺える内容にはなっていたと思う。ただし、近年では上場したりシェルとの統合時に創業一族の反対で揉めたりともう昔の出光ではないので、本作で描かれた創業者の想いというのは消え去ってしまっているのだろう。これも時代の変化なのだろうけど。