1.某旬報の批評の中にもあった「身体性」。やはりこれだろう。
クライマックスの御神木落としのスペクタクルは、その直前の染谷将太の
もやい結びや、伊藤英明の猛ダッシュのワンカットに及ばない。
染谷と長澤まさみがムキになるフィジカルなドッジボール。
その二人を素早い左右のパンで捉えるカメラワークは、
御神木に大鋸を入れ協働する伊藤・染谷の二人を捉えるパンニングへと連なっていく。
大型バイクを颯爽と駆る長澤、そして
チェーンソーをあたかも本職のごとく扱いこなす伊藤の自信に満ちた身のこなし
が清々しい。
別れのシーンでも、彼女は懸命に疾走し、彼は全力で抱きしめる。
ここでもひたすら身体的だ。
藁葺き屋根の民家へと登る坂道や森の木漏れ日など、いい情景も多数ある。
撮影は芦澤明子だ。