Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧。2ページ目
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! 《ネタバレ》 
ド派手なカーチェイスとポリス映画お馴染みの“イカした台詞(言い回し)”で、まずツカミはOK。“主役”刑事の見事な死に様に大爆笑し、これは自分好みのコメディだと確信しました。(ちなみに、イケてる刑事の最期は個人的に大変ツボでして、コメディタッチの刑事ドラマの最終回は、すべからくこれを採用して欲しいとさえ思いました。宙に舞うタカとユウジ。最高じゃん…)バカ過ぎる展開としょーもない小ネタの数々、これぞアメリカンコメディ。爆発炎上シーンも欠かせません。主役の脇役2人が、最後まで脇役(アザー・ガイズ)であり続けた一貫性も良かったと思いました。ただし、エンドロールには疑問符が付きます。意図は理解できるものの、ここに来てのインテリ臭は不要です。バカ映画の価値が下がってしまいます。バカはとことんバカであってこそ輝く。このあたりは『みんな~やってるか!』の精神を見習って欲しいと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2011-11-18 18:54:46)
22.  アイアンマン 《ネタバレ》 
“遠足は遠足の準備のためにある”は、確かさくらももこ(ちびまる子ちゃん)の名言だけど、本作を観るとまさしくコレが当てはまります。“実戦は準備を楽しむためにある”。アイアンマンの製作過程が楽しくて楽しくて、仕方なかった。1号機は、悪条件下での製作というシチュエーションに燃えたし、2号機以降は丁寧な試作実験の繰り返しに痺れた。製作過程をつぶさに観ることで、スタークのアイアンマンではなく、僕のアイアンマンになっていく。ラストの決戦。上空で凍結した敵をコツンとやる快感!!こちとら、そんな欠点は克服済みなんだよ、と。アイアンマンスーツがボロボロになっていくのもタマラナイ。マジンガーZでもガンダムでも、最終回では壊滅状態。少年の心を酔わせた、あのヒロイズムが蘇ってくる。もう、アイアンマン、カッコ良すぎ。大好きだ!この際、物語の薄っぺらさなんて気にしません。フィギアも買います。遊ばせて。
[地上波(吹替)] 8点(2011-02-21 01:34:04)(良:2票)
23.  アンストッパブル(2010) 《ネタバレ》 
一度失敗したとはいえ、ヘリで運転室に乗り込むのが最も確実に列車を止める方法でした。然るに、何故2度目のチャレンジは行われなかったのか。それは対策本部に責任を取る覚悟がなかったからです。一度目の失敗は言い逃れできても、2度目はそうは行かない。出て来るプランは惨事を防ぐための最善策ではなく、経営陣保身のため次善策。だから決断が後手に回る。デンゼルとクリスがいなかったら、手をこまねいて最悪の事態を眺めるだけでした。かといって、2人は善意で命を張ったワケでもない。デンゼルに有ったのは解雇に対する怒り。彼は経営陣に言ってやりたかったのだと思う。「お前らの判断は(いつも)間違っているんだよ!」と。要するに意地です。手柄を立てれば、解雇が取り消される目論見もあったのかもしれない。若造の方はプライベートのゴタゴタで判断が鈍っていたところを言いくるめられた。美談ではありません。彼らは賭けに勝っただけ。でも、結果的に多くの人命や財産が救われたのは事実。それで十分。ヒーローが生まれる時って、案外こんなものだとも思う。事態終結後のインタビューは本来であれば無粋な描写です。でも冒したリスクの分、見返りは欲しい。誰だって良い事をしたら褒められたい。そんな人間の本音をさらけ出したラストだったと思います。キレイ事で終わらせなかった。でもそこがイイ。
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-03 20:52:29)(良:2票)
24.  悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 
ホラー・スプラッターのジャンルで、名作の誉れ高い本作。それ故に鑑賞を躊躇してきたのですが(気分が沈むのが嫌だから)、ついに観てしまいました!監禁や追いかけられる恐怖は、類似作品とそんなに変わらないし、残酷描写のエグさは『SAW』シリーズの方が上だと思います。飛躍的に技術が向上した視覚効果の分野では、70年代作品に勝ち目はありません。にも関わらず、本作はこの先も名作であり続けるであろうことを確信しました。本作の何がスペシャルなのか。それは“理解出来ないモノ”で溢れているからです。例えば、印象的な瞳の接写。これだけ執拗だと確かに気色悪い。けれども、監督の意図は理解出来ます。理不尽な監禁と容赦ない虐殺。でも殺人鬼ならそれくらいやるでしょう。理解できるものは、克服できる。しかし、キーパーソンと思しき車椅子の男をアッサリ殺したり、ミイラ爺さんに無理やりトンカチを握らせたりするのは、意味が分かりません。親父が女性を捕えたときに“ほうき”を使ったのも。完全にツッコミ待ちのボケですもの。実際、ミイラ爺さんがタライにトンカチを落とす度に爆笑しました。笑いながら、気分が悪くなりました。怖かったはずなのに、笑うって何なのさ。隣り合わない2つの感情が同居した事が不快でした。監督のセンスが、自分の許容範囲を超えていたのだと思います。極めつけは、レザーフェイスのダンス。何それ。何だお前。これ、一歩間違えば、いや半歩間違えばクソ映画です。でもその半歩を外さない手堅さも感じます。クソ映画と傑作が紙一重とは。良い映画とは何なのでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2010-09-19 21:27:21)(笑:1票)
25.  アドレナリン:ハイ・ボルテージ 《ネタバレ》 
前作の課題「アドレナリンを出し続けろ!」より、本作の「充電し続けろ!」の方が判り易くて良かったです。終始一貫、あの手この手で人体充電法を披露してくれました。物語の方は前作を遥かに凌ぐバカっぷりで、ハッキリ言って無茶苦茶です。弾けた演出は、良く言えば「悪ふざけ」悪く言っても「悪ふざけ」という感じ。製作サイドが楽しんでいるのは分かりますが、ノリがキツ過ぎて受け入れられない人は多いだろうなと。少なくともタキシード&イブニングドレスの紳士淑女の評価は糞味噌でしょう。本作一番の驚きは、あっちのヤーさんは、落とし前をつけるのに小指ではなくびーちくを落とすのだということ。知らんかった。てか、知らんでも良かった。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-24 21:59:02)(笑:1票) (良:1票)
26.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
“アバターはイチローである”。自分は本作をそう結論付けました。『アバター』は言わずもがな最新3D映像が最大のウリ。その圧倒的な画力によって観客は異郷の惑星パンドラを体感します。世界の美しさに息を飲み、スピード感溢れる極上のアクションに酔い痴れます。本当に素晴らしい。ただ、脚本は普通だと感じました。良くも悪くもない。ナヴィたちは人間に比べて遥かに優れた能力と豊かな文明を有しています。主人公じゃなくても生まれ変わりたい。ミイラ取りが特上ミイラになっただけの話です。命を賭した主人公にその資格はありますが、冷静になれば結構身勝手ではないかと。ナヴィ=アメリカ先住民族と見立てられる設定ですが、ナヴィ=クジラと見ることも可能です。だとすれば主人公は、某エセ環境保護団体と変わらない。同種族間の侵略行為と異種族間の闘争では意味合いが全く違います。意思疎通が可能な人間とナヴィの関係は、丁度その中間くらいと捉えるのが正しい気がします。主人公の微妙なスタンスを把握しておかないと、人間が一方的に悪いと感じてしまう脚本なので注意が必要だと感じました。心情的にはナヴィを応援したいですが、主人公には最後まで人として生きて欲しかった。ただし、鑑賞中はそこまで思考が回らない。映像の感動に引っ張られて、物語も非の打ち所が無いように感じてしまう。ここで冒頭の結論に戻ります。イチローは国民的ヒーロー。それは彼がプロ野球選手として活躍したからで、人間性は関係ありません。本来は。でも現実にはそんな区別はなく、人間イチローが丸ごと素晴らしいと評価される。もちろん評価は総合点ですから、得意分野で点数が稼ぐのは構わない。本作の評価もそれと同じと考えます。世界興行収益の記録を塗り替え、観客を劇場に呼び戻した本作の功績は絶大です。この人気を一過性の流行に終わらせるか、映画復興の呼び水と出来るかは、後発の映画に懸かっている。ただし視覚効果のインパクトは必ず薄れます。爆発力があるほど、飽きられるのも早い。3D特需の今こそ、求められるのは良質な脚本だと思います。
[映画館(吹替)] 8点(2010-01-31 19:25:51)
27.  悪魔のシスター 《ネタバレ》 
映画知識に乏しい自分でも“デ・パルマタッチ”という呼び名は耳にした事があります。技術的な考察は出来ませんが、本作を観てデ・パルマ監督らしいとは思いました。画作りに特徴アリです。で、自分が注目したいのは“画面分割”や“瞳のアップ”ではなくて、“死体を隠したソファに血が付いているシーン”。何気ないカットなのですが、妙に気になりました。血の染みは事件を立証する決定的な証拠。でも登場人物の誰一人として気づきません。知るのは観客のみ。当然その心境は「記者よ、早く気づけ!」となる訳です。ドリフで言えば「志村!うしろ!!」状態。でも、探偵役の記者は気付かない。まあ、これは当然の成り行き。お約束です。でも、犯人には気づいて欲しいと思います。あるいは後々の展開で、証拠として活かして欲しい。何故なら、“ソファの血にカメラが寄る”というフリに対するオチが必要だからです。ラストのトボけた味わいにしても同じような事が言える。もう事件の焦点は其処に無いんですよと。「腑に落とさせない」微妙なスカシが本作の隠れた味わい。それが結構面白いと思いました。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-20 20:25:38)(良:1票)
28.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
最愛の家族の死を目の当たりにし、人類滅亡の過程をつぶさに見てきた主人公。彼が心底絶望していたであろうことは想像に難くありません。世界を救うための研究も、生存者への呼びかけも、日課のひとつ。大した意味など無かった気がします。彼をかろうじて支えていたのが、愛犬サムの存在でした。唯一残された家族。そして命の温もり。パートーナーを失い、彼は壊れた。遂に自殺行為に及びます。感染者を一人や二人殺したって何の意味もありません。そもそも感染者に罪がないのは彼もよく知っている。でもどうにもならない。彼の心は擦り切れてしまった。だから生存者の登場にも戸惑うばかり。「とっておきのベーコンだったのに」なんて、全く観点がずれています。一度切ったスイッチはそう簡単には戻らない。真の絶望は奇跡をも拒絶する。主人公の最期の決断について。彼は何故死を選んだのでしょう。彼は淡い希望を目前にして、怖気づいたのではないか。このまま希望を託しつつ楽になりたい。再度の絶望に耐えられないと感じたのだと思います。その気持ちは理解できます。でも決して希望を捨てなかった女性の強さに、より共感します。伝説という冠は彼女にこそ相応しい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-06 22:17:35)(良:1票)
29.  アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 
「アドレナリンを出し続ければ毒の進行が遅れる。約1時間なんとか凌げれば、友人から解毒剤を打ってもらって助かる」そういう希望を主人公も観客も抱いていたと思います。ですからそれが叶わぬと分かった時点で、少なからず落胆があると思う。維持してきたハイテンションにブレーキがかかってしまう。これは本作の成り立ち上問題あり。主人公の生死の問題は有耶無耶に、最後まで突っ走ったら良かったのではないか。例えばラストカット。とりあえず、ムクッと立ち上がったら面白かったと思います。「お前、不死身か?!」オチで、だいぶスッキリするのでは。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-30 20:48:54)
30.  unknown アンノウン(2006) 《ネタバレ》 
ただ脱出が目的ならば、最初から電話で警察に助けを請えばいい。それが出来ないのは、物理的な環境によるものではなく、心理的に抑制されているから。誰の心の中にも、自分が誘拐犯かもしれないという疑念がある。だから逃げることに徹しきれない。この設定は上手いと思いました。ただその反面、誰が犯人か推理することを放棄せざるを得ないのがツライ。誰でもいい、明らかに“シロ”の人間を設定し、彼を探偵役にしても良かったのではないかと。(もちろん結果彼がクロでも構いません。)“記憶の回復“に謎解きをお任せしてしまったのはもったいない。主役(観客の感情移入先)はジャケットを着た男。彼が潜入捜査官だったというオチでは弱いので、実は悪人だったというサプライズはアリだと思います。でも伏線が無いので取って付けたような印象。これまた惜しい。雰囲気○、着想○なのですが、そこから先の展開にアイデアが欲しかったです。
[DVD(字幕)] 5点(2007-12-01 20:23:01)
31.  あの頃ペニー・レインと
以前、外国人の女性と飲む機会(仕事関係)がありました。歳は20代前半、スパニッシュ系アメリカ人です。なかなかキュート。トークが苦手な自分は、いつもなら当たらず触らずやり過ごすところ。しかし席が隣とあっては、無視する訳にもいきません。自分のトーク得意分野はプロレス・お笑い・マンガあたり。でも日本に来たばかりの彼女には通用しないでしょう。っていうか、日本人の女性にも通用したこと無いけど(泣)。そこで映画の話題を振ることに。「ワット・イズ・フェイバリット・ムービー?」彼女曰く「それは、なかなか難しい質問ね。強いてあげるなら『リトル・ミス・サンシャイン』『オールモスト・フェイマス』あたりかしら」とのこと(多分)。ヤバイどちらも観ていない。でも僅かな知識を振り絞ります。「リトル・ミス・サンシャインはアカデミー賞にノミネートされたよね。オールモスト・フェイマスは、日本では『あの頃、ペニーレインと』って言うんだよ。それ以外にも邦題には面白いのがあってね…」と話したつもりですが、英検4級の実力では厳しい。半分以上伝わってないみたい。でも場を繋ぐことは出来ました。『リトル・ミス・サンシャイン』と本作を鑑賞したのは、こんなキッカケから。『リトル』に出会えたのは、彼女のおかげだと感謝しています。また、本作の方も質の高いロードムービーでした。少年の淡い恋と成長の物語としても王道。飛行機の中の本音トークは面白かった。ただ、バンドのグルーピーに共感する部分はなく、ペニーレインに思い入れることが出来ずに終わりました。それでも彼女と映画の嗜好が合っていることは分かりました。(余談)実はその彼女が今の妻でして…なんてオチはありません。でも仲良くはなれました。映画は国際語ですね。ちなみに好きな映画俳優は?と聞いたら「当ててみて」ですって。古今東西、女性の受答えは一緒だなぁと妙に感心した次第です。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-16 18:27:48)(笑:1票)
32.  悪魔の沼 《ネタバレ》 
序盤、宿屋の主人が女を鉤で刺し殺したシーン。あれは生々しかった。ただ、ここがマックス。後は緩やかな下降線でテンションが落ちていきました。大鎌のビジュアルは良いのですが、リアリティには欠ける。しかも男が使いこなせておらず、こけおどしに見えたのはツライ。もう一つの目玉、クロコダイルも本能的に恐怖を抱く対象じゃない。不意打ちでしか人を殺せない宿屋の主人は、殺人鬼として疑問符が付きます。なごみ系レトロなB級ホラーとして楽しむが吉。怖くは無いです。
[DVD(字幕)] 5点(2007-10-21 17:11:51)
33.  アバウト・シュミット 《ネタバレ》 
職を離れ、妻を亡くし、友を失い、ひとりになったウォーレン。孤独な現実が彼に突きつけます。お前の生きてきた証がこれだ。お前の歩いてきた人生がどんなものか判るだろう。最後の砦、娘まで奪われて失意のうちに帰宅する主人公。そんな彼を待っていたのが、援助をしている子供からの手紙でした。この手紙に彼は涙します。それは無意味に思えた人生を僅かながらも肯定してくれたから。ウォーレンの泣き顔が心に沁みます。そしてこの事は全てに通じる“どんでん返し”でもありました。「恵まれない子供への援助」は、主人公に心情を語らせる演出上の仕掛けのように見えます。チャリティ自体も結構インチキ臭い。でもそれは自分の“勝手な思い込み”でした。彼の援助は本当に子供を救っていた。彼は必要とされていた。それは本作の既定事実にも当てはまることに気付きます。妻と過ごした歳月は虚しいものだった。娘の結婚は間違いだ。主人公の人生は無意味だった。これらの結論は全て彼の“勝手な判断”です。いみじくも彼は結婚式でスピーチしています。「2人の道は交差した」と。人生は自分だけのものではなく、関わり合った全ての人のものでもあります。だから一人でその価値を判断することに意味はない。そんな気がしました。苦くて切なくて笑える「シュミットについて」。彼は30年後の自分の姿でもあります。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2007-09-15 20:19:51)(良:2票)
34.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 
年齢も性別も違う各キャラクターに感情移入しまくり。父、夫、子供に戻ったり、経験も無いのに妻になったり、ゲイになったり。そして中年の一人の男として。可笑しく、切なく心を揺さぶられました。あまりにリアル。人間のイヤな部分、見たくない箇所を見せつけられました。でも妙に心地良かったりもする。“人間”を見事に描いている作品でした。結末は主人公の死。それも銃殺。どう考えてもバッドエンドです。しかし不思議と充実感がある。理不尽に命を奪われたことに対する憤りよりも、今までの人生に対しての感謝が勝る。彼をそういう気持ちにさせたのは何か。それは生きている実感だったと思います。生きている時から“死んでいた”主人公。彼を生き返らせたのは、ある少女との出会い。娘と同じ年の美少女。恋に落ちるのに理由は要らない。彼の望みはただ一つです。あえて下世話な言い方をすれば、「ヤリたい」「セックスしたい」。それが男の本音。もともと男はそんな生き物。彼女とヤリたいがために体を鍛える。まるで高校生です。そう彼は青春を取り戻した。それは性欲でもある。性欲は、すなわち生きようとする力。社会に研磨されるうちに、あるいは日々の生活で磨耗するかのように、失くしてしまったもの。しかし結局彼は少女を抱きませんでした。彼女が処女と知って、42歳の大人の自我が待ったをかけた。青春を取り戻しても、10代の精神に戻るわけじゃない。今まで積重ねてきたものは消えてなくならない。それが人生の重み。もし、彼女を抱いていたら殺されずに済んだかもしれない。でも“彼女を抱かずに殺される”ほうがしっくりくる。妻を殺人者にせずに済んだ可能性もある。これはこれで悪くない。決してベストじゃないけど、そこそこベターな結末。最後の刹那に浮かぶのは愛娘の顔、そして妻の顔。つまらん人生だったけど、ありがとう。もしそう言えるならば、その人生は悪くない。
[DVD(字幕)] 9点(2007-09-01 00:33:24)(良:2票)
35.  あなたに降る夢 《ネタバレ》 
天使を介在させることでファンタジー色を強調。好感度の高い(?)ニコラス・ケイジの起用により、上手く美談に仕上げています。ただ、自分はいいお話だとは思いません。とくにオチがいけない。みんなの善意が主人公カップルを救ったという結末ですが、その必要性を感じません。2人が得た大金は所詮あぶく銭。それを失ったところで元に戻るだけです。ニコラスは愛情がない妻と縁が切れたわけですし、ブリジット・フォンダも誠実な夫を手に入れた。2人はこの出来事から、十分な恩恵を受けています。お金以上のものを手に入れた。何も無いところからでも、2人は前を向いて歩こうとしています。それでいい。それが素晴らしい。だのに、この期に及んで援助が必要でしょうか。新聞記事に煽られて寄付をした人たちに言いたい。自分の善意を満足させたいなら、ユニセフに寄付したほうがよほど有益だと。赤十字でもいい。愛の小鳩事業団やカンガルー募金、ドラえもん募金だってある。北への支援米は止めておいてね。本当に援助を必要としている人たちへ、その善意を向けて欲しい。強欲妻へのお仕置きは、無いと締まりが悪いでしょう。ただ、金タライの一つも頭に落としておけば十分だと思います。正直、彼女に良いところは見当たりません。でも極悪ってわけじゃない。誰よりも人間らしいのは、実は彼女なんじゃないかと。よく見ればライス国務長官よりもちょっとカワイイし。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-26 18:07:57)(良:1票)
36.  アザーズ 《ネタバレ》 
見事に騙されました。でもアンフェアな印象はありません。振り返ってみれば、ヒントは豊富に出されていたことに気付きます。出し過ぎと思えるくらい。早々にオチに気付かれた方が多いのにも納得です。有名な類似作品もあります。分かってしまえば、気付けないのが不思議なくらい単純なロジック。でも優れたトリックほどタネは単純。真実をカモフラージュする技術が素晴らしいのは、映画も手品も同じです。真相を知ってから観る2度目の鑑賞も悪くないです。台詞の意味が違って聴こえます。ただ基本的に何も起きていない物語なので、オチのためのお話に見えてしまうのが少々惜しい。この家族はこれからもこの屋敷に居続ける。光の恐怖は去ったものの、喜びも消えてしまった。これもひとつの地獄。余韻は深いものがあるだけに、オチ抜きでも魅力的な物語性が欲しいと感じました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-31 18:23:05)
37.  或る夜の出来事 《ネタバレ》 
ラブコメというジャンルは凄い。時代を超える普遍性があります。当時の時代背景等の知識がなくても、すんなり入っていける。『ローマの休日』然り『お熱いのがお好き』然り。本作もそんな古典ラブコメの名作とのこと。もっとも自分はそんな事も知らずに鑑賞したのですが、これが滅法面白い!そして上手い!例えば、娘が所持金4ドルの状態で1ドル60セントのチョコレートを買おうとするところ。これだけの描写で、彼女の人となりが伝わってきます。探偵相手に2人で芝居をするエピソード。ここで一気に2人の距離が縮まります。何十回の気楽なデートよりも、たった1回共に苦難を乗り越えるほうが、絆が深まる。よく分かります。そして後々唸らされたのが、序盤での主人公のある台詞。彼は世間知らずな娘をたしなめるために、こんな言葉を投げかけています。「何でも金で解決できると思うな」。これは、娘の父親が婚約者に多額の慰謝料を払う部分の伏線でもあります。“金で解決できないものがある”は、すなわち“解決できるものは大して重要ではない”ということ。このエピソードひとつで、これまで語られることが無かった婚約者の人格を想像することができます。彼を殊更におとしめることなく、“金目当て”であったことを匂わせる。2人を快く祝福するためには、婚約者は“嫌なヤツ”でなくてはなりません。もっとも、これはひとつの解釈。婚約者は泣く泣く彼女を諦めた可能性もありますし、金の力無くして2人は結ばれなかったのも事実。二重の意味で「金の力で~」は深い台詞になっていると思いました。ラブコメとして優れたフォーマット。ニヤニヤクスクス、ときに大笑い。やきもきしつつもハッピーエンド。見事な恋物語であり喜劇を堪能させてもらいました。
[DVD(字幕)] 8点(2007-05-21 18:22:45)(良:3票)
38.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 
一言でいえば大味。それを強く印象づけるのはアクションシーン。つまり企業側のトラブル対応の悪さに起因するものです。秘密裡に処理しなければならない案件なのに、ドンパチやるのは不自然です。映像の煩わしさも個人的にマイナス。でも、設定、物語のディテールは決して粗くはありません。人の部品を採るための製品。製品にも人生を与えなくては、品質は良くならない。製品にはオリジナルの記憶がある。記憶の保存場所は脳だけではないということ。これらから読み取れるメッセージは何か。ミラクル連発。“九死に一生”の行き過ぎた展開。これは「君たちは神に愛されている」という台詞を言わせたいがため。神に愛されている彼らは何者か。「それが命の値段なら安いものだ。」「人は生きるためになら何でもする。」印象的な台詞も多いです。(「どんな世界でも女にカードは持たせるな」が一番ですけど。)クローン、脳死、臓器移植。本作のファクターは“人の”生の根元に関わる問題ばかり。軽々しく扱えるものではありません。でも考えなければならないこと。本作がこれらの問題提起を目的としているとは思えません。でも、そのきっかけに“してはいけない”ということはない。少なくとも自分はこの問題について考えました。それだけでも本作には価値があるかと。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-07 21:57:28)(良:2票)
39.  アサルト13 要塞警察 《ネタバレ》 
本作の攻城戦には、立て籠もる側の勝利条件に“引き分け”がありました。これがあるのと無いのとでは大違い。戦略が全く違ってきます。相手を全滅させる必要はなく、時間切れに持ち込めればOK。持ち堪えるため、時間を稼ぐためにどんな工夫を凝らすのかが見もの。その観点からすると、いささか物足りません。13分署は単なる箱でしかなく、砦として機能させようという意識が守備側にみられません。その箱に歯が立たないのだから、寄せ手はもっと情けない。“時間制限”という緊張感を煽れるファクターがあるのに、活用しない展開がもどかしい。人物の描き込みも今ひとつ。先の事件で心に傷を負うほど繊細な主人公が、今回の事件で立ち直るのは腑に落ちません。民間人まで死なせてしまった本件の失策の方が、より重大だと思います。同僚が死ななかったからOKなのでしょうか?とは言いつつも、実は結構楽しめました。そもそも自分はこういう設定が好きなのです。秘密基地をつくった世代だからでしょうか。ただ、期待値までは届かずでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-03-28 19:11:35)(良:2票)
40.  悪魔の棲む家(2005) 《ネタバレ》 
義父が盛んに言う「悪いのは家じゃない。罪を犯すのは人間だ。」という台詞。義父を凶行に駆らせたのは確かに悪魔の仕業。しかし何故悪魔の代理人に彼が選ばれたのでしょう。先の事例から察するに、成人男性だった(悪魔の原型に近い)という理由もあるでしょう。でもそれだけではない気がします。同じ物を食べても、食あたりを起こす人と平気な人がいるのと同じ。彼が選ばれたのは、心の闇に付け込まれたからだと思います。血の繋がりの有無を見せつけられたよう。ここが一番残酷かも。結果的に被害は犬一匹に止まりましたが、家族の間に出来た溝は深い。おそらくずっと埋まることはないでしょう。この手のジャンルとしては奇跡的な被害の少なさ。恐怖の質も即時的なものなので気軽に観られると思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-02-20 18:16:36)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS