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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 
とにかくジュリア・ロバーツが最高にキマッている映画だ。彼女の存在もそうだし、アン・V・コーツ女史による素晴らしい編集も合わさり、より目が離せない作品だった。  耳に大きな飾りを付けた金髪の女性、豊満な胸を強調するセクシーな格好で男の質問に答える。  サングラスをかけ、ミニスカートから長い脚を伸ばし、煙草を道の隅に投げ捨て火を踏み消し、颯爽と歩きはじめる。ところが肝心の車は違反切符を貼られファ●キン(F●CKIN')、走り出した途端に右から衝突されてファッ●ンサノバビ●チ(FUK●N'SON OF A BI●CH)!!  弁護士事務所だろうが法廷だろうが首の怪我とともに自慢の胸を見せつけながら自分を貫き、家に帰ればベビー・シッターを帰し女手一人で幼い子供たちを育てるシングルマザー。  粘るものの世の中甘くない、流しのゴキブリにまで馬鹿にされるような気分で思い通りにいかない毎日、事故の次は騒音トラブルでブチギレ。  控えめの格好(半袖短パン)で子供たちを寝かしつけ、そうかと思えば外でバイクを吹かす髭モジャを一喝する気丈さ。こりゃ“ノックアウト”されるわ。この瞬間のジュリア・ロバーツがマジでカッコイイ&最高に色っポイ。  通い詰め積み上げる経験、ズブの素人がプロの心を突き動かし、不良の塊みたいな男から母性を引き出してしまう粘り強さ、熱い視線。子供たちが寝た後でトランプに興じながら一気に親交を深めてしまうのだから。ヤンママが徐々に服装を整え、成長していく。  子供たちを抱えながら走り去るバイクに視線をやってしまう姿。サングラスで目元が見えなくとも、どんな心境でどんな目をしているのかが分かってしまうね。  「箱」を置いていくのは、エンジン音で知らせ代理の男にメッセージを託すのは“愛している”からこそであり、自分に嘘をつくことが出来なくなったから。  エリンもまた受話器の向こうで“声”を聞いた瞬間に母親としての表情を見せる。  時が経つにつれプールから子供を出すために駆け寄る行動、写真といったものが事件の大きさを語っていく。車で住民たちの許を訪れ聞き込みを続ける調査、母親だからこそ子供の視線が放つ“違和感”を受け取る。  ゴキにビビッていた者が、泥川をあさり「情報」を集め乗り込み奔走していく! でも運転中に電話はマジでやめろ。一瞬でも目閉じんな!また事故りたいのかっ!?別の意味でハラハラしちゃって会話が頭に入らなかったよ…良い場面なんだけどね…車止めてからにしてくれない?(懇願  投げつけ声にならないほどの嘆き、飲もうとしたグラスを机の上に戻させる“訴え”。  目覚めた先で胸に抱き、眼に飛び込んで来る“思いやり”、酒場でめぐりあい電話をかけるために走り出すエネルギーを与える“手掛かり”。
[DVD(字幕)] 9点(2017-06-15 11:28:46)
2.  エド・ウッド 《ネタバレ》 
ティム・バートンがエド・ウッドことエドワード・D・ウッド・Jrへのリスペクトを捧げた、笑って泣ける素晴らしい映画だ。 ウッドの映画は微妙、でもソイツの人生は最高に面白い。  雨が降りしきる夜、雷鳴、不気味な館の窓が開かれると、棺から起き上がり御挨拶を披露するグリズウェルの御登場だ。 バートンはウッドを愛するが故に忠実にウッド映画の一場面一場面を再現し、愛するが故に“違い”を入れる。 「ナイト・オブ・ザ・グールス」のグリズウェルはカンペを読み、本編のジェフリー・ジョーンズはちゃんと演技をこなしてしまっているではないか。ジョーンズもカンペを読んでいたら受賞していたかも知れない(冗談です)。  OPも稲光が墓場を照らす雰囲気たっぷりの演出、墓石に刻まれた名前、滑らかに動くタコの触手と戯れる円盤!グレードアップしすぎで完全に別物(この辺はレイ・ハリーハウゼンへのリスペクトもありそう)。  憧れのオーソン・ウェルズやトッド・ブラウニングの「ドラキュラ」といった映画のポスター、情熱を燃やしてひたすら創ることにエネルギーを注ぐウッドと愉快な仲間たち。ウッドはいつも天使が上から降りて話しかけてくるような出会いを待ち望み、自分の夢のための闘いに挑み続ける。 どんなに落ち込んでも元気をくれる夢と仲間とミンクのセーター、眠るように登場するベラ・ルゴシ(ルゴシ・ベラ)、残念ロバート・テイラーやベイジル・ラスボーンでもない、「恐怖城(ホワイト・ゾンビ)」、ドラキュラ<<<歯、「もっと上を行く作品が作れる(Z級)」。  「女の格好してよく平気でいられるわね!」 ケイリー・グラント「そうだね」  ペギー・リー「表出ろオカマ野郎」、NGワード:カーロフ、ウッドの映画よりも絶対面白いプロレス興業、生々しい注射器の跡とルゴシが語るハリウッドの闇、「ヴァンパイア・ショウ(The Vampira Show)」を盛り上げるヴァンパイラ(マリア・ナルミ)たちとの数奇な出会い、喧嘩と資金集めパーティー(に参加)、こそ泥シーンの愉快さ、ウイスキーのキャッチボール、タコとの格闘(手動)、完成記念の余興、ダンス、引き留める説得力皆無の恰好、右手に握るもの、病院、彼女の面影、お化け屋敷、アクシデント、映画館、観客の盛大な“歓迎”、ポップコーン、最期の演技と旅立つ前のルゴシを映したフィルム、引き取った犬、ダイナミック人選ミス、巨大ブーメラン。  事実とフィクションの融合によってバートンからルゴシやウッドたちすべての映画人に贈られるエール。 ウッドにとっての夢であるオーソン・ウェルズとの出会いをプレゼントまでしてくれるんだぜ?夢のために闘え!  押し寄せる観客を他所に雨の中の告白と出発…ウッドの冒険は果てなく続く。たとえウッドが去った後も、その魂を受け取った多くの人間が今も冒険を続けているのだから。
[DVD(字幕)] 9点(2016-03-19 02:11:04)(良:1票)
3.  A.I. 《ネタバレ》 
キューブリックが本当に描きたかったもの・・・それは人間と機械が水と油で終わるという話だったのか、それとも立場を超えた絆を描きたかったのか・・・。  それをスピルバーグが受け継ぎ、見事に「ブッ壊してくれた」。  いや壊してくれてよかったよ。 海の中で独りぼっちは悲しすぎる・・・くどいよ。最高にくどいし説教くさい最後だったよ。  でもあんな終わり方は卑怯すぎんだろうがよおおおおおおっ!!!  クソがー涙が止まんねえんだよバカヤロウー!!
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-14 21:15:00)
4.  エレファント・マン 《ネタバレ》 
トッド・ブラウニングの傑作「フリークス」を思い出す作品。 「エレファントマン」ことジョゼフ・ケアリー・メリック(ジョン・メリック)の人生を淡々と描いていく。 ファースト・シーンで女性が象に襲われるモンタージュ。この夢はメリックの誕生に関わる重要なテーマだ。彼を妊娠していた母親は事故に遭い、そのショックでメリックは全身に腫瘍が出来る奇形児となってしまった。 子供の頃は腫瘍もまだ大きくなく、普通に喋り一般の学校にも通っていたようだ。 それが成長していく過程で腫瘍が肥大化し、徐々に症状が悪化していく。 人々はメリックの姿を見て「奇人」だの「化物」だと罵り差別し、遂にはサーカスの見世物小屋で「エレファントマン」となってしまう。彼は偏見の目や傷つけられる恐怖で言葉も知識も封印してしまう。 そんな彼を、医者は好奇心と正義感から救おうとする。単眼の袋で覆われた“心の壁”を取り除こうと。 しかしメリックをサーカスに引き込んだオッサンは本当に不器用な人だ。 看護婦ですら悲鳴をあげるメリックの姿、だが婦長の献身的な介護や医者の熱心な語りかけでメリックは普通に喋るようになっていき、人間性を取り戻していく。 医者がメリックから“声”を聞こうとするシーンは熱い。視覚と耳に訴える。 メリックが聖書の件をする場面も良いシーンだ。院長がメリック“さん”と改めるのも。 「彼の人生は誰にも想像できないと思う」 メリックの苦労は誰にも解らない。どんなに解ったつもりになっても。我々は知り、考える事しか出来ない。 時折見せる寂しき横顔。メリックは右腕と外見の変わりに豊かな想像力と心を手に入れたのだろう。 メリックがスーツに身を包んで例の女優と語り合うシーン。彼女はメリックの“心”を見ているのだろうか。遂にはヴィクトリアの女王まで動かしてしまう。 彼の存在が認められる度に看守たちの嫉妬も大きくなる。人助けかエゴイズムか。 メリックはある出来事で再び心を閉ざしてしまう。それでもメリックの理解者でもある子供やサーカス仲間たちの協力。「俺たちみたいなのには“運”がいるんだ」 さらに駅での一件が再びメリックの心を呼び覚ます。「僕は人間なんだ!」 とりあえず婦長がGJすぎる。 再び平和な時を取り戻したメリック。彼が夢の中に見た女性は母親だったのだろうか? 彼は安らかに眠り、母親の元へと行ったのだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-16 18:20:28)(良:2票)
5.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション 《ネタバレ》 
「キック・アス」を手掛けたマシュー・ヴォーンによる傑作。 「X-MEN」シリーズの前日譚にあたる作品だが、今までのシリーズよりも活き活きとしたエネルギーに満ちている。 続編となる「フューチャー&パスト」も中々面白かった。 マグニートってこんなにカッコ良かったかなあ・・・。 設定が矛盾しているとかいうけど、そこは「キック・アス」に通じる馬鹿馬鹿しさとシリアスのバランスが面白いという事で。  ユダヤ人として生まれた魂は、その怒りによって能力に目覚める。 やがて訪れる復讐者と仲間達の出会い。  テレパシーでどんな人間にもコンタクト、 全身真っ青で誰にでもなれる女性、 全身をダイヤモンドにしてキレイに円を描くパッキン女性、 あらゆるものを吸収してしまう不老の元ナチス、 見た目は野獣中身はイケメンな頭脳派、 呼んでますよアザゼルさんなどなど超人&変態の万国博覧会。 手から刃を出しまくるオッサンも一瞬登場。   人を信じて生きてきたプロフェッサーX(チャールズ)、人を信じないで生きてきたマグニート(エリック)の対比が痛々しい。  敵が“潜る”なら“引きずり”、叩きのめすのみ、 撃ってくるなら全部弾き返すだけよおっ! ブラックバードで飛来してくるシーンは超ワクワクしたぜ。   ローガン「おとといきやがれっ!」
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 00:22:11)(良:1票)
6.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 
「初代」と「2」でどっちが好きかって?どちらかと言えば「最後の一人になるまで戦ってやらあ」って「初代」が一番好きだ。 が、キャメロンのガテン系武闘派リプリーも大好き。男勝りなリプリーが頼もしい。 「バイオハザード」はコレと「ゾンビ」の影響を強く感じさせる。 前回の戦いから何十年とさまよい、ようやく回収されたリプリー。だが目覚めた先でも“悪夢”は続く。リプリーは前回の経験から誰も信じられずにいた。しかし、事情を呑み込みハラも決めたリプリーは共に危機を脱したジョーンズ(猫)を残して新たなる戦いの場へと赴く。もう完全にヒロインではなく主人公の面構えです。 自分たちを殺そうとしたエイリアンの星を、人類が植民という名の“侵略”をしようとする。 当然、彼ら(エイリアン)も“侵略者”には容赦しない・・・! キャメロンのうなるようなメカニック描写やバトルを盛り込んだ演出は見応えがある。この頃のキャメロンは本当最高だね。 今度のアンドロイド・ビショップは誰よりも頼りになる奴だ。ナイフの芸の時も地味に仲間の手をかばっての作業。 助け出される唯一の生存者、変わり果てた人々の姿、エイリアンクイーンの圧倒的な存在感。 いつ何処からエイリアンの大群が現れるかハラハラドキドキの連続だ。 仲間のためなら強行突破に轢き逃げアタック! しかしいくら強力な武器を揃え様と奴らもタフだ。次から次へとキリが無え。 「アンタは本当ダメな男ね」 まんざらでも無さげな表情で散っていく仲間たち。 リプリーも娘の面影が重なるニュートのため、仲間たちのためにフル装備で単騎突入! “人質”をとってクイーンと渡り合うしたたかさ、邪魔するガッデムエイリアン共はブッ放せ、焼き払えっ!! いや~もうアレですね。何と言ってもラストバトル! 突然の襲撃、倒れ込む仲間、絶体絶命、そこに重武装で対峙するリプリー。 リプリーの「FU●K YOU」は気持ちが良い。 リプリーが相手に「F●CK YOU」と言う時は確実に野郎をブッ飛ばす時だけだぜ。 「初代」のリプリーは震えながら「F●CK YOU F●CK YOU(クソ野郎クソ野郎...)」と呟くリプリーが、 「2」ではクイーンに向って「SON OF A BITCH(クソババア!!)」 しかしマジで化物だなリプリーって。普通血管が破裂して死ぬぞアレは…まあ映画だからご愛嬌、いや本当にリプリーが化物なのか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-15 16:20:25)(良:2票)
7.  エル・ドラド(1966)
流石に「リオ・ブラボー」の二番煎じ感は否めないが、個人的には前作よりも内容が充実していて好きだ。教会での銃撃戦や倒れ様の鮮やかな銃撃等演出は流石。 ウェインは旅先から戻った矢先「酒に溺れたのは自分のせいじゃないだろうか」と思ったのか、ミッチャムの酒を断つ手伝いを付きっ切りでする。 敵陣において、敵を睨んだまま馬を後退させる馬術の見事さ。ウェインの技術力がさり気無く発揮される。 それに古傷による右手の麻痺。自分との闘いが、左手による見事な銃撃をより際立たせる。ミッチャムの泥酔演技も抜群。そしてヒロインの溢れんばかりのおっぱ(ry ナイフ演出はジョン・スタージェスの「OK牧場の決斗」への対抗意識だったりして。あるいわラオール・ウォルシュの「ビッグ・トレイル」へのオマージュ(なワケないだろうけど・・・だとしたら凄い嬉しい)。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 16:58:23)
8.  エルマー・ガントリー/魅せられた男
この映画のバート・ランカスターが最高なんですよ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-15 18:14:55)
9.  駅馬車(1939) 《ネタバレ》 
フォードの傑作は「リバティ・バランスを射った男」や「捜索者」を見てきたが、他のフォード西部劇は余り好きじゃ無い・・・けど面白い。 前半はゆったりした感じで退屈だが、丁寧にドラマを積み重ねるストーリー。登場人物がみんな個性豊かで良いね。 中盤の出産の場面。世の中からつまはじきにされた人間が、本当は誰よりも心の優しい人間だったって場面がさ。 そして終盤の二段構え。8分にも及ぶ駅馬車の爆走シーンは今見ても鳥肌が立つ。 普通ここをクライマックスにして終わるが、凄いのはこの後さらに見せ場があると言う事。 いや、リンゴにとってはコマンチとの戦いは「過程」に過ぎず、復讐こそリンゴにとっての「本番」だ。 一瞬の銃撃までの緊張感が凄い。 保安官のオッサンと医者は本当良いキャラしてるぜ。ラストの去り際も見事だった。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-13 00:13:39)
10.  L.A.コンフィデンシャル 《ネタバレ》 
「新しいフィルム・ノワールの傑作」と聞いて飛びついたが、まさかこんなキャラ映画だとは思わなんだ。 うーん、ヒロインに魅力が感じられない。元ネタの一つとされるフリッツ・ラングの「ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ」を見れば一目瞭然だ。この映画のヒロインに「ビッグ・ヒート」のグロリア・グレアムのようなファム・ファタールとしての魅力は皆無。女がほとんど出ないフレンチ・ノワールならともかく、こう女ばかり出てくるのに女に魅力が無いだなんて致命的だぜ。フィルム・ノワールとしては0点。でも、普通の犯罪映画として見れば充分すぎるほど良い映画だと思う。 でも登場人物が多すぎんだよ!誰が誰だが解んねえよ!!整理するか大量に間引く(ログアウトさせる)かどっちかにしろや!!! 余計な奴が多すぎる。モブでいいだろあんなの・・・エドにバドにバズっざけんなゴラアアアッ!!!!・・・・・・・・なんて思いながら楽しんで見てしまおう。 姿形は似ていようとも、奴らの見せる表情と魂はまったく違う。 かつてフィルム・ノワールの祖となった偉大なる作品「暗黒街の顔役」やフィルム・ノワール「三つ数えろ」においてもそれは言える。 同じようなスーツに身を包んだ悪党ども、 「偽善」を吐くゴミ野郎どもを次々から次へと地獄に送りまくる最高の“悪”アンチ・ヒーローたち、 記憶に焼き付ける間もなく忘れ去られ散っていく人々の残像。それは群像劇として一瞬の輝きを帯び、とても魅力的に思えてくる。 次から次へとスリリングな展開が続くハラハラドキドキなストーリー。 生と死は光と闇。ケビンの壮絶な生き様と死に様は正に光と闇だ。  ただ、話が余りに複雑すぎる。これはもう一度見ないと真の面白さは味わえないだろう。みれば見るほど病み付きになるタイプだとは思うが。 それに「フィルム・ノワール」ってほど曖昧な感じはしない。でも、俺にはかなり面白かった。「パルプ・フィクション」みたいな映画が好きな人にはオススメ。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-29 23:17:47)
11.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 
ジョン・ スタインベックの原作を映画化。 原作は聖書の英語訳版である「欽定訳」と「アメリカ標準訳」の異なった訳を比較し、登場人物たちに新しい解釈をさせようという狙いを含み親子3代に渡る葛藤と苦悩を通して家族愛を描いていく。 本作は一人の少年の青春を軸に描かれる。 大戦の暗い影が差す1917年のアメリカの片田舎を舞台とするエリア・カザンの「エデンの東」は聖書の一節を元に、 一人の女性をめぐって対立してすれ違っていく兄弟、 母親の真実、 父親との確執、 「許されざる恋」が「許される恋」へと変わる瞬間、そして親子の絆。 聖書のアダムの如く東の街へと逃れてきた父親。 今度はその息子も兄と対立し逃げようとしている。 そこに訪れる救い。 現実と向き合い、真っ向から取り組む道を進むことを決める主人公。 相手の誠意が自分を傷つけ、自分の行いが相手を苦しめる・・・そんなすれ違いを丹念に描き、決裂し、修復していく・・・。 父と和解し救うことが出来たキャル。 まるで天から見守られるように穏やかな締めくくりを迎える。  が、唯一決別したままとなってしまった兄のアロン。 劇中では彼の行く末は語られない。 原作のラストにしても、誤解が生じ互いに心に傷を負わせ、それが修復しない内に悲劇が訪れる。 傷心しきった兄の心同様、キャルの心にも傷が残るもう一つの結末が暗示されている。  
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-22 00:17:08)
12.  エイリアン 《ネタバレ》 
人類と異星人(エイリアン)の最悪のファースト・コンタクトを描いた傑作。 単なるパニック物に終わらず、人類が宇宙に拡がっていく開拓という名の「侵略」。 「本当のエイリアンはどっちだ」という作品だ。 スピルバーグの「ジョーズ」におけるテーマと似ている。 人間が生活を拡げる過程において蔑ろにした自然。 住処を追われた動物は、やがて人々のテリトリーに「戻って」来る。 この映画のエイリアンは「侵略者」と呼ぶには相応しくない。 正しく言えば「報復者」と言っても良いだろう。 自分たちの領域を犯そうとする者への・・・。 エイリアンを「生物兵器」として利用しようとしたのは人間なのだから。 まあリプリーたちにして観ればとんだトバッチリだがな。 宇宙空間という「密室」、他の生命に寄生して成長する化物、逃げ場のない恐怖・・・一人、また一人消えていく命。 最初この物語は「群像劇」だったが、生き残った者がこの物語を動かす「主人公」となる。この二段構え。 そして仲間を殺された者が抱くのは復讐心・・・恐怖を乗り越える人間の恐ろしさと強さ! 終盤もまた「二段構え」の死闘。 作り込まれたセットと言い、今見ると時代錯誤な装置も巧みな演出で違和感を感じず楽しめる。 これぞ娯楽映画よ。  エレン・リプリーは好きなキャラの一人だ。 仕事を最優先にする傍ら、誰よりも仲間思いの熱い女性。 男勝りな勇気と行動力、悲鳴をあげながらもエイリアンと戦い抜いた気丈な女性像。 猫の「ジョーンズ」のためにもう一度戻って来る姿・・・そこに惚れた。  エイリアンに「糞野郎...糞野郎・・・糞野郎!!!!!」と言いながらダスト・シュート&止めの一撃! 女戦士エレン・リプリーの誕生である。  「テルマ&ルイーズ」でもそうだったが、リドリー・スコットは「ケツ」で女を語る。  良い女は尻もビューティフル。 二段構えのある映画は本当に面白いです。「駅馬車」しかり「黄金狂時代」しかりしかり。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:34:30)(良:2票)
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