21. フィラデルフィア・エクスペリメント(1984)
《ネタバレ》 タイムスリップ系は見ていて落ち着かなくてそわそわするので苦手なのですが、これは面白いです。 アリスンが優しいから信じるふりをするわけですが、デヴィッドの故郷のガソリンスタンド(元デヴィッドの父親の店)でデヴィッドの43年前の写真を見て真実だと確信する瞬間が一番好きです。 農場でパメラだけでなく、ジムとも出会えてしまったのがまたプチサプライズで良かったです。 ジムだけ戻ってきて、デヴィッドは戻って来なかったという真相をパメラから聞いたときはショックだったんでしょうが、最後まで観て、戻れなかったわけではなくて戻らなかっただけだとわかって良かったです。 一応メインの人達はみなさんハッピーエンドですが、車を取られちゃった人や、事故った人、何よりエルドリッジの乗組員のみなさん、なんだか犠牲も多かったですね。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-09 10:22:54) |
22. ブルーサンダー
《ネタバレ》 戦闘ヘリのアクションはもちろんですが、サスペンスとしても非常に面白い映画です。四面楚歌を最後にひっくり返す映画は面白いに決まっています。そこに、ブルーサンダーというハイテク戦闘ヘリまで堪能できるわけですから、これは贅沢な映画ですね。 また、一般人にしかすぎないケイトさんが頑張るのもかなり良かったです。あの思い切りは最高です。ブルーサンダーとの連携も良いです。 ライマングッドが助からなかったことだけが残念でした。でもここでライマングッドが消されたことで、ストーリーの緊迫度は数段増した気がします。「死なないと思ったら大間違い。いつでも誰でも消す用意はできている。」と言われているみたいです。 個人的に、アクション映画で地味な伏線や、細かい心理描写が出てくると楽しいです。マーフィーが、追跡してきたヘリやF16は、誰も死なないように追い払ったのに、大佐機は躊躇なく破壊したところが好きです。 [DVD(字幕)] 8点(2011-11-28 05:14:39)(良:1票) |
23. プロジェクト・アルマナック
《ネタバレ》 結構サスペンス色強めです。 流行りのPOV方式のモキュメンタリーな雰囲気の作品。 当然BGMなどはありません。 このリアルな質感、嫌いではないです。 主人公のデヴィッドも含め、基本的にやばいやつは出てきません。こーゆータイプの映画は暴走する人が一人くらいいそうですが、今作では主人公がちょっとやらかしちゃうくらいです。 基本みんなまとも。どちらかと言えば頭が良いひとたち。 そんな頭が良くて、オタク気質な3人がタイムマシンを作っちゃうお話。 スクールカーストでいけば、おそらく底辺にいる人たちなんだろうなぁ。 その3人のなかでも、主人公は割とイケメン。その妹も明るくて美人。ヒロインよりも妹のほうがかわいいくらいです。妹は撮影係なので、他の人に比べると露出控えめなのがもったいない。 そんな3人がタイムマシンを作っちゃったことで、学園のマドンナと仲良くなっていくのもお約束ながら楽しい。青春ものは嫌いではないので、前半から中盤までは楽しく見られました。 過去に戻れたらやってみたい。ちっちゃなことからおっきなことまで、結構幅広くやってくれたのは楽しい。 雲行きが怪しくなってくる後半。 過去を改変したことで、現在に影響が出始めます。 もちろん悪い影響が。バスケ部が廃部になったり。飛行機が墜落したり。 いわゆるバタフライ効果が出始めるのです。 このころから主人公のルール破り、スタンドプレーも出始めて、状況は悪くなる一方。 1人でタイムトラベルしちゃうから、現在に戻ってきた主人公は結果はわかってもそのプロセスがわかりません。 原因を突き止めようと焦りますが、当然うまくいきません。 この最後のたたみかけが、エンターテイメントを重視したためか、雑で分かりにくくて説明不足で不親切。 父親とのやりとりの結果、結局どうなったのか私の頭では??? 最後もうすこしわかりやすい着地点がほしかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-05-13 03:25:45) |
24. フォーエバー・パージ
《ネタバレ》 「ゾンビの出ないゾンビ映画」とは言いえて妙ですね~。まさにそんな雰囲気の映画です。 パージが始まる前の独特の緊張感健在です。パージファンとしては、この雰囲気が感じられるだけでも嬉しくなります。 そしていよいよパージが始まってからの惨劇・・・・が起きない。 まさかの、何も起こらず終了のサイレン。これは今までになかったパターン。ちょっと意外。 ところがところが、パージは終わったはずなのに、街には何やら不穏な空気が・・・。 パージが終わったはずなのに、いったい何が起ころうとしているの~?という不謹慎なワクワクが止まらない。この辺までは良かったのですよ。 問題はこっから。 「フォーエバー・パージ」ってそーゆー意味かーい。 てっきり、廃止になったパージが復活して、『パージは、永遠に不滅です!』みたいな意味かと思ったら、全然違う。 いや、それはど~なの~?あのルールありきでやるからスリリングなんじゃないの~? 法治国家の法がなくなる恐怖。昨日まで家族だったり隣人だったりした人の内に秘めたる狂気。 そーいったものを見せてくれるのが、このシリーズの醍醐味だったように思うのですが~。 ほらほら、警察や軍が鎮圧に動き出しちゃってるじゃない。 「もし現代で内戦が起こったら?」のサバイバルアクションになっちゃいましたね~。 それはそれで、この映画よくできていますので、最後まで楽しんで見られるのですが。 パージ的サスペンス、パージ的風情を求めると、裏切られちゃうかもしれないですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-04-26 14:53:19)(良:1票) |
25. 武器人間
《ネタバレ》 タイトルからすごくふざけた映画だと思っていたのですが、超真面目。 いや、ふざけた映画ではあるんですが、超真剣にふざけているという感じ。 最初の30分くらいは武器人間出てこないんですけどね。どーでもいい仲違いを見せられるだけ。少々かったるい。でも何か出てきそうな不安感は常にある。なにせ戦時中で敵地。いつ何が出てきてもおかしくはない緊張感があります。 突然でてくる謎の生物。なんだこいつは、人間なのか?尋問しようとする隊長がいきなりやられちゃうのはお約束。 隊長が離脱したことで、さらに隊はバラバラに。いがみあい、対立しあい、パニックに。そこに武器人間投入。 思っていたよりオーソドックスなストーリー展開かも。毛並みは違いますが、どんどんエスカレートしていく感じはグレイヴ・エンカウンターズに似ているか? そして武器人間の質感がリアルでまた良い。レパートリーも豊富。手が武器になっているものが多いけど、頭がトラバサミやプロペラになっちゃっているものも。銃器じゃないっていうのが、また良いですね。よくわかっていらっしゃる。ホラーはやっぱり刃物と鈍器。 途中から仲間に見放され、ディミひとりに。こっからは完全にお化け屋敷アトラクション。なんかのアーケードゲームのデモを見せられているよう。臨場感あって、私は好きですけどね。これには賛否ありそう。 仲間たちも、途中で遭遇する看護師や敵の兵士や少年なんかも、あっという間にやられちゃう。はっきり映像で見せられたわけではないですが、おそらくやられちゃったのでしょう。 武器人間にやられちゃうところを映像で見せてくれない。音と雰囲気で察しろって感じ。 それがあんまり多くて、状況の全体像がつかみづらいのがやや不満ですかね。 まあ、どんな撮影方式も一長一短ってことなんでしょう。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-04-07 03:28:33) |
26. プレーンズ
《ネタバレ》 やっていることはカーズとほぼ同じ。 レースに憧れる農薬散布用の飛行機が、本当に世界一周レースに出ちゃって、優勝しちゃうお話。 仲間がいて、師匠がいて、ヒロインがいて、ライバルがいる。 何から何までカーズと同じ。特訓するノリまですべて同じ。 ・・・・でもなんだろう、ダスティのキャラが個人的にかなり気に入ってしまった・・・。素直で正直で、そして善人。とにかく見ていてホッとします。あまりに毒が無さすぎて、つまらないと感じる人もいるでしょうが、なんだかダスティが愛らしすぎて癒されてしまいました。どちらかというと、カーズよりも、よりストレートな作風のこちらのほうが自分の好みには合っていたようです。 それに、車もいいんですが、どうやら私は空を飛ぶシチュエーションが好きみたいです。 アニメーション、ばっちり。本当に自分が飛んでいるかのように錯覚する画作り。トンネルや荒れ狂う大海原のシーンはスリル満点。特に、海のシーン。高波にのまれちゃうところは本当に怖かった。ディズニーのアニメーションは本当にレベルが高い。 レースに勝ちたい。決められたこと以外のことも自分はできるんだと証明したい。そんな誰よりもレースにこだわるダスティが、困っている飛行機がいると迷わず助けにいってしまう。自分の事より人のことを考え、周りの人たちの手助けをし、仲間が増えていく。最後はその仲間たちに助けられ、遂に優勝してしまう。 ありきたりで王道。安直なサクセスストーリーだっていいじゃない。アニメなんだから。 傑作とまでは言えないかもしれません。ですが間違いなく良作アニメーションだと言えます。ってゆーかこーゆーの好き。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2023-05-27 01:57:17) |
27. ファインド・アウト
《ネタバレ》 警察があまりに無能すぎて、『ドキドキ』『ハラハラ』より『イライラ』が勝っちゃう映画。 当時、ジルがどーゆー状況で発見されたかはわからない。 ですが誘拐された本人が、命からがら逃げだして、被害を訴えているにも関わらず、虚言扱いして強制的に精神病院送り。いやいや、いったいいつの時代の話ですか。だから途中までは、犯人どころか、妹モリーの存在さえ主人公ジルの妄想だと思っていましたよ。 でも、ジルの言っていることは正しかった・・・・。ええ~(-_-;)。じゃあ警察がダメすぎでしょう。小娘一人が警察に追われながら四面楚歌状態で、それでも突き止められる犯人を見つけられない。いや、それどころか、事件の存在すら気付かないなんて。ポンコツにも程があります。 ・・・・・・・とまあ、散々悪く言いましたが、映画そのものはとても面白い。 警察に捕まるんじゃないかというスリル。いつ犯人に襲われるかわからないスリル。どちらも丁寧に描かれていて、なかなかの緊張感を堪能できます。 欲を言えば、ラストはもう少しだけ溜飲が下がる何かが欲しかったかな。 後になって写真を送り付けるぐらいなら、家に戻ってきたときに刑事たちに写真をたたきつけてほしかった。そこで何も言えない刑事諸君に、『犯人なんていないわ。全部私の妄想だから』って言えば、より一層皮肉が効いたのに。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-05-22 03:52:03)(良:1票) |
28. V/H/S ネクストレベル
《ネタバレ》 オムニバス形式の映画にしては、1つ1つの作品の完成度は高め。 やたら酷評された1作目。評価の高い2作目。 両方見ましたが・・・そんなに1作目悪くなかったかも。まあ確かに賑やかなのはこちらかもしれませんが。 個人的に好きなのは1番目のエピソード。ショートなのでただのお化け屋敷になっちゃってますが、このアイデアだったらドラマにだってできそうです。義眼をつけると霊が見え、耳だったら霊の声が聞こえる・・なら義手だったら見えないし聞こえないけど霊に触れる、みたいな。チームを組んで霊がらみの事件を解決していく、みたいな。ほら、連続ドラマにできそうでしょ。 2番目のエピソードは怖くはないし、バカバカしいけど、最後まで見るとドラマがあります。こーゆー切なさを感じさせるゾンビもの、いーなー。自殺するゾンビって、今までありそうでなかったんじゃないですかねー。ゾンビになるまえに自殺する人はいっぱいいますけどねー。うん、やっぱゾンビものは人間視点でサバイバル感を感じさせてくれるもののほうが好きです。 3番目はテイストがややゾンビとかぶっているんだよな~。お化け屋敷やグロいのが好きな人は普通に楽しめます。 4番目が一番だめ。暗い。アップばかり。そして暗い。何が起こっているのか全然わからん。 霊、ゾンビ、悪魔、う~ん、最後宇宙人いっとくかー ・・・・・なんて安直な・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2023-03-30 19:59:14)(良:1票) |
29. V/H/S シンドローム
《ネタバレ》 オムニバス形式のホラーは嫌いではないです。 1話1話のテンポが速いのが良い。すぐ何か起こるし。いろんなストーリーを見られるお得感もある。 ですがここでの評価が低かったので、期待はしていなかったのもまた事実。 結果、はっきり言ってそんなに悪くなかったです。 特に1話目、4話目、5話目がお気に入り。 2話目は…ちょっとだるい。まさか婚約者が・・・っていうオチは良かったのですが、そのオチのためだけに少々ひっぱりすぎ。 わずか25分くらいなのに、ずいぶんと長く感じたものです。 3話目は、相手が何者かわからん。主人公らしき女の子が何をしたかったのかがわからん。 友人たちをまきこんで、結局自分もやられちゃって。いったいどーいう結果が彼女にとって正解だったのか。 5話目はハロウィンパーティーに行ったら本物のお化け屋敷だったっていう話。 プロセスは良いんですが、オチは気に入らないかな。 たとえおばけとはいえ、自分を助けてくれた相手に対してあの仕打ちはないんじゃない?人の善意をふみにじるかのようなオチはたとえホラーでも好きじゃないっす。 さて、POV好きな私。手ブレ全然OK。 そんな私が辟易するほどひどい手ブレがいたるところに。苦手な人にはおススメしないです。 [DVD(字幕)] 7点(2023-01-16 06:21:22) |
30. フライトナイト/恐怖の夜
《ネタバレ》 オリジナルを見たのが随分まえなので、細部は覚えていないのですが、こっちのほうが面白い。 まず映像技術の進歩によって、オリジナルよりエキサイティングなホラーアクションとなっています。 もっとおふざけでユルい感じのイメージだったのですが、意外と真面目な作りこみが私好み。 隣人の怪しい奴が、まんまヴァンパイアっていうのは今どきめずらしい。これがリメイクものの良さですね。古き良きものを最新技術で仕上げてくれる。嬉しいじゃないですか。まあ、もう少しだけ『人間?ヴァンパイア?どっち?』っていう疑心暗鬼な楽しみがあっても良かった気はしますけど。 そしてヒロインがかわいい。これはポイントが高い。しかもいい娘。この娘と主人公の青春ものとしても面白い。 早いタイミングでヴァンパイアの正体を明かし、映画の大半をヴァンパイアとの攻防に費やす。この潔さが好き。 ものすごくシンプルで驚くほどヒネリのないストーリー。 十字架も聖水も杭も太陽の光も全部効く。だから戦える。 ヴァンパイアの家から脱出するときのシーンはすごくハラハラできて、ホラー映画としてもちゃんと楽しめます。 気になったのは、主人公がエドの話を信じるきっかけになった動画。ヴァンパイアの姿が映っていないのに、車が停まってドアが開く動画。これを他の人に見せればすぐに信じてもらえるのにそーしない。 で、写真、ムービーには姿が映らないのに、防犯カメラにはしっかり映るヴァンパイア。 まあ、そんな細かいところはどーでもいいか。 それにしても親友二人は復活せず。かわいそうに… [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-11-23 02:46:17) |
31. プリースト
《ネタバレ》 えらく評価が低いようですが、個人的にはこーゆーの好き。大好きではないが好き。 アクション型SF好き。ホラータイプのSF好き。わかりやすいSF好き。 やたらごちゃごちゃした設定やルールが氾濫する昨今、こーゆー何も考えずに楽しめるSFは貴重です。 ただいろいろと惜しいなーと思うところはあります。 例えば3人のプリーストVSラスボスのバトルを省略しちゃうっていうのはいただけないです。 それからプリーストが常人とは比較にならないくらい強いのかと思いきや、ちょっと身体能力が高くて腕がたつ程度。特別感がいまひとつです。最終決戦の前に、もう少しプリースト側の見せ場があると良かったかもしれません。 続編作る気満々の終わり方をしていたので、もしかすると出し惜しみしちゃったのでしょうか。 最近は続編とか二部作とか三部作とか、本当に多くなりました。それ自体は否定しませんが、映画を作るときは1話完結で作ってほしいです。その映画に全身全霊を傾けてもらいたい。その結果、あまりの人気に続編を作ることになるのであればそれはそれで良いと思います。ですが最初から続編ありきで映画を撮るのは違うと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-02-23 00:21:33) |
32. ブリッジ・オブ・スパイ
《ネタバレ》 実話。歴史。戦争。冷戦。ソ連。東ドイツ。スパイ。こーゆーキーワードがセットになった映画はなかなか見る気がおきません。しかも長尺。いつもだったらスルーなんですが、スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスの組み合わせに惹かれて見ちゃいました。 やっぱりというかさすがというか、ちゃんと映画になっていました。 ただ事実を淡々と羅列しただけの作品ではなかったです。そこには人の感情があり、生活があり、危機がありました。緊張感と感動を感じられる作品でした。こーゆーストーリーを事実を捻じ曲げることなく、誰が見ても面白いものと感じられる水準にまで高めているのが素晴らしいです。 会社からの命令でソ連のスパイの弁護をさせられることに。アメリカ中を敵にまわす、まさに最大の貧乏クジをひかされたジム。しかし最後にはアメリカの敵からアメリカの英雄へ。アメリカの英雄は言い過ぎかもしれませんが、少なくとも人々の評価は大きく変わったわけです。列車での人々の視線のビフォー・アフターが良い。ちょっとしたカタルシスを感じることができます。 奥さんも良かったですね。急にイギリスに行くことになったと言う夫に対し、何かを感じ取る妻が、無事に帰ってくると約束してというシーンがとても好きです。 また、本題とは関係ありませんが、『あ、多分石が投げ込まれるな』って雰囲気ですぐにわかっちゃったシーンで、石どころか銃が撃ち込まれたのにはびびりました。これも実際にあったエピソードなのでしょうか。嫌がらせで銃を撃ち込む。やはり銃社会が容認されている国は恐ろしいですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-12-28 05:37:10) |
33. フランケンフィッシュ
《ネタバレ》 期待していなかったのですが、小粒ながらよくできた作品でした。 『ジョーズ』以降のサメ映画やピラニア映画はおふざけに走ったものばかり。そんな中これはまさに私が見たかった王道のモンスターパニック映画。ジョーズを初めて見たときの緊張感が蘇ってきます。 舞台や登場人物をあえて絞ったのも良かったのでしょう。 『水辺に近づかなければ大丈夫』とたかをくくっていると、そのちょっと斜め上を行く魚たち。肺呼吸もできる雷魚とやらの特性を活かして恐怖演出の幅を広げています。 血を洗い流していたら、排水された血の匂いに寄って来るシーンなんか非常にうまいと思います。惨劇が起きるまでの雰囲気づくりがとても丁寧。 で、人が死ぬときは『じわじわ系』ではなく割と『一瞬系』が多い。この緩急のつけ方、バランスが抜群に良いです。母親や生物学者の女性の最期は衝撃的です。 大作でなくとも、面白い映画は作れるというベストオブB級な作品。 ジョーズ系が好きな人にはおススメです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-09-07 11:14:00) |
34. ファースター 怒りの銃弾
《ネタバレ》 兄を殺された主人公。主人公の兄を殺した刑事。躁鬱気味の殺し屋。三者三様。独特のオーラを纏う3人の攻防戦。 もともと復讐ものは好き。自分が普段いろんなことに我慢して生きているからか、怒りを形にしてくれる映画にカタルシスを感じてしまいます。 罠にかけられて快楽殺人者たちに殺されてしまう兄。それは気の毒ではありますが、そもそも銀行強盗なんてしなければこんなことにはなってませんから。残念。自業自得。身から出たさび。同情の余地無しとまでは言いませんがね。 サスペンスやミステリーを見慣れている人にとっては、ビリー・ボブ・ソーントン演じるジャンキー刑事が黒幕っていうのは割りと早い段階で気付くでしょう。サプライズがサプライズになっていないのがもったいない。 イケメンの殺し屋は登場シーンがクール。泥臭い感じの2人とは対象的。涼しげ。なんかこっちのほうが主人公づらしています。正直『もう1人の主人公か?』と思っちゃったくらいです。 で、この人が物語が進めば進むほど、なぜいるのかわからない存在に。ドウェインのライバルとしてアクションを盛り上げるか、ドウェインの味方になって復讐の手助けをするか、もう少し立ち位置をはっきりさせたほうが良かったのでは。 一方的な復讐劇に、ちょっとだけスパイスを効かすという意味では、殺し屋の存在も無駄ではなかったのかもしれません。 劇中で描かれる復讐と、そして復讐される側とのやりとりはちょっと好きです。見応えがあります。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-07-17 11:09:50) |
35. フリークス・シティ
《ネタバレ》 人間、ゾンビ、ヴァンパイアが共存している街にエイリアンが襲来するトンデモ映画。 なんですが、ストーリーが割とまじめに作られています。とゆーか、まじめに作りすぎて、前半30分がまあだるい。 特殊な舞台設定を除けば、そこらに凡百とあるティーンの青臭い青春ドラマと変わりません。 それをだらだら見せられるのが前半30分。かったるいですが人間関係や状況の把握はしやすいです。 で、エイリアンがやってきてからが本番。 もともと人間とヴァンパイアは折り合いが悪く、エイリアンがきっかけで本格的な抗争へと発展。UFOが来たのが、お互いの陰謀だと罵りあい、最後は殺し合いを始めちゃう。そしてなぜかそこにゾンビ達も参戦。この人たちは人間を食べにきただけ。もうブラックユーモアにあふれていて、結構犠牲者が出てしまう始末。特にゾンビはひどくて、助けてくれた人だって見境なく食べちゃう。 更にこの殺し合いの最中にエイリアンまで攻撃を開始して、かなりカオス。 そしてなぜか最後は3種族が一致団結してエイリアンを撃退しちゃうっていうお話。 正直、これと同じ映画はまずないと言い切れます。 主人公が実は人間ではなく、4番目の種族だったというサプライズがまた面白い。とは言え、カンの良い人なら主人公の正体は早い段階でわかると思いますが。 グロ映像はありますが、恐怖映画ではありません。 万人に愛される映画とは言えませんが、個人的には好き。 B級好きなら押さえておきたい作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-26 15:06:30) |
36. 復讐捜査線
《ネタバレ》 緊張感あふれるサスペンス。メル・ギブソン世代なので、彼が頑張っているだけで嬉しい。 今作はエンターテイメント作品というにはストーリーは重いし暗い。タイトルに『復讐』の2文字が入っている以上は、なんらからの悲しいエピソードは予想されるのですが、それにしてもオープニングの悲劇はけっこう辛い。 ただ暗い話ながら、黒幕とは全員きっちりカタをつけるので、復讐のカタルシスは得られます。 そしてすべての真実は新聞社のもとへ。ラストにこのシーンがあるかどうかで見終わった後の感想がまるで変わってくるでしょう。 中盤までは謎ばかり。ヒントも少なめ。ですが最後は点と点がつながって線になり、画になり、ちゃんと全体像をきれいに見せてくれます。 かなり真面目に作られているので、その分ややテンポが犠牲になっている部分があるかもしれません。だれそうになることもしばしば。しかしだれそうになるとショッキングな事件が起きるので、緊張感が途切れることはありません。 小さい頃の娘の幻影がたびたび出てくるのが悲しい。これがドラマとして悲しさや深みを与えています。クレイブンの最期のときには娘が迎えに来てくれるのが救い。 政府側だったはずの証拠隠滅係みたいな人の最期が壮絶。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-09-10 13:33:36) |
37. ブライアン・シンガーの トリック・オア・トリート
《ネタバレ》 怪しい雰囲気満載のオムニバス系ホラー。オムニバスとはいえ、すべて同じ街、同じ時間帯に起きている出来事。 あるエピソードでは通りすがりであった子供達が、次のエピソードでは犠牲者に。女性を殺す殺人鬼が次のエピソードでは犠牲者になっていたり。絶妙に関連しあっている構成がすごく面白い。 なにしろ、かぼちゃ子供のおばけ、サイコパス親子、ウルフマンの一族に殺人鬼、子供のゾンビたちなどが一堂に会するわけです。ホラー好き、クリーチャー好きなら見て損はありません。 これだけエピソードを盛り込んでいるにも関わらず、上映時間は短め。手際よく犠牲者を量産していきます。 80年代~90年代のようなテイスト。懐かしささえ匂わすホラーの詰め合わせ。グロ描写が比較的少なめではあるので、ホラー初心者にもおすすめの良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2020-05-26 14:52:49) |
38. ブラックパンサー
《ネタバレ》 ラストの『ブラックパンサーVSキルモンガー』は、なんか仮面ライダーみたい。 それはともかく、この作品に出てくる脇キャラ、良いです。ナキア、妹、女戦士が特に良い。ブラックパンサーそのものがアベンジャーズのなかではちょっと脇役っぽいのに、それを主人公にする物語なんて最高です。脇役好きの私にとっては嬉しい限りです。 みんな使っている武器が違うのも個性があってgood!多種多様な攻撃パターンが見られて楽しい。特に、ナキアと妹が、キルモンガーと闘うときに使っていた武器がかなりかっちょいい。 外見は発展途上国で農業国。しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。先進国も真っ青の、超ハイテク技術国家なのでした。でも王位継承はタイマンで決めるっていう超アナログ。絶妙なアンバランス加減が嫌いではないなー。 とゆーことで、キャラ良し、ギミック良し、舞台設定良しと、なかなかポイント高い作品なんですが、如何せんストーリーがつまらない。ユリシーズ・クロウとバトっているときが一番楽しかったかなー。この人ってエンド・オブ・ゲームで腕チョンパされた人だったんですね。全然気付きませんでした。 うーん、内戦ものってのは、気分的に盛り上がらないものですね。勝っても負けても溝が残っちゃうだろうし。どうも『内輪もめ』と『エンターテイメント』は相性があまり良くないみたいです。もうちっとだけ、気楽にスカっとできるイケイケアクションムービーだったら良かったと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-12 23:38:35)(良:1票) |
39. ブリングリング
《ネタバレ》 実話を元にした犯罪ドラマ。山場があるわけではない。目を見張るようなエピソードがあるわけでもない。どこにでもいそうな若者たちを、多少時系列をいじくりながら淡々と見せるだけ。なのに、なんだろう、不思議と目を離せない面白さがあります。 1人1人の背景は描写不足。レベッカとマークが中心に動いていたはずなのに、映画はニッキーの独白でしめくくられる不思議な構成。これも1人1人のステータスや人間関係を説明してくれていたら理解できたのかもしれないです。いや、説明不足だったからこそ、好奇心を刺激されたのか。 スクールカーストの底辺にいたであろうマーク。そんな冴えない男子学生が、転校先でチョイ悪だけどかわいい女の子たちと自然と仲良くなってしまう。自分の居場所を見つけてしまうわけですね。 犯罪が悪いこととはわかっていながら、そんなマークがこの心地よい『仲間』という空気に流されてしまう感情は、わからなくもないです。 セレブ宅に侵入していることを自慢げに話してしまう女の子たち。こーゆーノリの軽さが妙に生々しい。ストーリーはあってないようなものなのに、この一種異様とも言える生々しさが、どうにもクセになる。 役者はメインから脇に至るまで、とても自然な演技。とは言え、エマ・ワトソンの美しさはやはり際立っていて、彼女がいなければエンターテイメントとして成り立っていないかもしれません。 好き嫌いは別れると思いますが、個人的には隠れた良作だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2020-05-02 03:27:25)(良:1票) |
40. プールサイド・デイズ
《ネタバレ》 『この映画何が面白いの?』と聞かれると、『○○が良い』とは、正直答えられない作品なんです。 ですが強いて言うなら、『よくわからないんだけどなんか良い』作品です。 中学、高校と友人が全然いなかった自分。バイトを始めて、実は自分が結構仕事ができる人間だと気付く。職場では信頼され、友人もできる。とにかく居心地が悪かった『学校』。一番自分らしくいられた『職場』。そんな経験をもつ私にとって、この少年、とても他人とは思えないわけです。 この少年と同じような立ち位置を経験したことがあるかどうかで評価は大きく変わるでしょう。 主人公の少年ダンカン。いきなり『3点』をつけられるオープニング。性格最低の母親の彼氏。その彼氏の連れ子で、性格最悪の義理の姉。この二人がとにかくダンカンを見下し、馬鹿にし、ハブにする。そんな状況に母親は『目をつぶれ』『協力しろ』とダンカンに暗に求める。いやはや、最低の家族です。 そんな最低家族を、なんとなく見返すクライマックスのシークエンス。派手ではないのですが、ちょっとだけすっきりします。 バイト先の人たちがみんな良い人。みんな明るく魅力的。理想的なバイト先です。 そして何と言っても隣の女の子。ちょっとムチムチなのがポイント高い。そんな女の子とどんどん仲良くなっていくのが、またたまらない展開です。 最低家族が、全然家族としてうまくいっていないのに、みんなが馬鹿にして見下していたダンカンは、なんかすごい楽しい人生送っちゃってて。これがちょっと痛快なんです。つまり、そーゆーところが『なんか良い』作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-18 04:50:43)(良:1票) |