1. ボビー・フィッシャーを探して
《ネタバレ》 勝手にロードムービーだと思っていました。ボビーフィッシャーは最後まで出てこない。にもかかわらずこのタイトル。素晴らしすぎます。この作品を見てこのタイトルはなかなか思い浮かばないのではないでしょうか。でもこれほどふさわしいタイトルはないと思います。ジョシュだけではなく、ジョシュを取り巻く人々の心の在りように魅せられる映画です。特に、息子に対する父親と母親の心理の在りようは、世界中どこでも同じだということを気付かせてくれました。息子に対する愛情から、いつの間にか息子の才能を愛するようになってしまった父親。最初から最後まで、息子自身に対して無償の愛を注ぐ母親。父親が、息子への愛情を取り戻してくれてほっとしました。映画の雰囲気が「グレイテスト・ゲーム」に凄く似てます。どちらが良いかは甲乙つけ難いです。この映画を愛する方は、ぜひグレイテスト・ゲームもご覧になられてみてください。 [DVD(字幕)] 10点(2011-07-08 11:46:49)(良:1票) |
2. ホステル
《ネタバレ》 問答無用の殺戮ゲーム。かなりグロい上に悪趣味。だから人格を疑われそうで嫌なんですが、このハラハラドキドキ感は本物なので高得点。この作品はもう『脱出劇』として最高にスリリング。また、自分達を騙し、罠にはめた人間たちに逆襲するラストの展開は、爽快感さえあり胸のすく思いです。つまり、基本はスプラッタ要素の強いサスペンスホラー作品に違いない。ですが、ラストのバイオレンスアクション的ノリは、元来やられっぱなしで終わりがちなホラーの常識を、ちょっとだけ爽快なものに変えちゃっているわけです。 だらだらした前半も、『これから何が起きるのか』っていう不穏な空気を纏っているためそれなりに見れます。そしてオリーがいなくなった辺りから、俄然緊張感が増していくわけですが、その種明かしが『人間ハンティング』っていうのは、あまりにも安っぽかったですね。もっと意味のわからない狂気。もしくは国家権力がらみの狂気を想像していたので、少々肩透かし。 また、パクストンが助かるのであれば、パクストン以外の生贄の見せ方が大事だろうと思うのですが、そういった意味ではオリーやジョッシュといった数少ない登場人物を瞬殺しちゃうのはもったいない。 そういえば、ホステルの従業員は明らかにグルなんでしょうが、あの人達は何も制裁受けていないですね。 [DVD(字幕)] 9点(2017-08-14 12:03:18)(良:1票) |
3. ボーン・イエスタデイ(1993)
《ネタバレ》 「教育もの」としてとても面白い作品ですね! ホワイトハウスも知らない人が、こんな短期間にここまで知識が豊富になり、思考力まで養われるなんてことは現実には起こりえないんでしょうが、夢があって良いんじゃないでしょうか。何より、政治や憲法、法律関係のお勉強しましょうってな地味なテーマをここまで面白いエンターテイメント作品に仕上げたことに拍手を送りたいです。 しかも、何か裏技みたいな勉強方法を使うのかと思いきや、大事なところでは「辞書をひけ」って超王道。そんで超地味。しかも辞書を引くシーンやたら多い。なんて素晴らしい作品でしょうか。娯楽作品として大事なポイントを押さえながら、でも勉強において大事なポイントもはずさずに押さえてあるなんて、原作者の教育に対する愛情すら感じます。 迷わず10点つけたいところではあったのですが、個人的にどーしてもハリーがちょっとだけかわいそうに見えてしまいまして。彼のビリーに対する愛情って、確かにゆがんでいる部分もありましたけど、なんか一途で憎めなかったんですよね。たたいちゃうのは絶対だめだけど・・・。 ちなみに、ラストにハリーが、「なんでそんなことさせるんだ。」と尋ねたときの、ビリーの返事。「本当にわからないの?だからさせるのよ。すれば私が気づいたことにあなたも気づくから。そうすればあなたもきっと幸せになれるわ」ってやつ。このセリフ、・・・すごくないですか?まさに教育の本質を見事に一言で表してしまった素晴らしい言葉です。 [DVD(字幕)] 9点(2013-07-11 04:46:24) |
4. 僕のワンダフル・ライフ
《ネタバレ》 犬好きな妻と犬好きな自分。2人で鑑賞。 ファンタジーなゆるいホームドラマを想像していたのですが、思っていたよりシビアな展開に妻は泣きっぱなしでした。 DV気味な父親がなにかしでかすのかと思いきや、まさかのクラスメートの凶行で人生変わっちゃうなんて・・・ イーサンもハンナもかわいそうで見ていられなかったです。 『もうずっと遊んでもらって無いよ。』って、農業学校に行くイーサンを追いかけるベイリー。もう、いったい何回泣かせる気なの・・・。 『生活が全部スローペースに。もう遊ぶ元気もないよ。』もう、いったい何回泣かせる気なの。 次の犬生は警察犬。名前はエリー。このエピソードもかなり良かった。最後は大活躍なんですが、そのせいで帰らぬ犬に・・・もう、いったい何回泣かせる気・・・ 次の犬生はコーギー。ここが一番ほっこりしているかも。 飼い主さんは、ベイリーがキューピッドになって結婚まですることになるし。生まれた子供と遊ぶコーギーが最高にかわいい。こーゆー幸せなエピソードをこのタイミングで差しはさんでくれるのは気が利いています。 そしてラストエピソード。とんでもない飼い主たちに拾われたかと思いきや、まさかの展開。 ラスト2つのエピソードが幸せなオチで本当に良かった。 まあ、失われた時間が戻ってこないことを考えると、多少複雑ではありますが・・・ ゴールデン、シェパード、コーギー、セントバーナード? 犬はどれも最高にかわいかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-04-05 01:26:39)(良:1票) |
5. ポセイドン(2006)
《ネタバレ》 正統派パニックムービー。オリジナルは未見。だからなのかもしれないですが、素直に面白かったです。 ビッグウェーブにより豪華客船が一瞬にして転覆。CGによるビッグウェーブの映像は圧巻。CG、特殊効果、大好きな私としては「これこれ!」って気持ちになります。豪華客船転覆のパニックが、まず最初の見所でしょう。 船がさかさまになって、きらびやかな世界が一転。これぞパニック映画の醍醐味。栄華が崩れ去る瞬間ってのは、ある種のカタルシスさえもたらしてくれます。これは一部のゾンビ映画なんかにも共通する感覚です。 後半は豪華客船からの脱出。船はさかさまになっているのでまともなルートはなし。つまりここからはアドベンチャーになるわけです。パニックムービーながら、広い豪華客船からの脱出はある種のわくわく感があります。広くて高さのあるエリアでの、奥行きのある映像は美しささえ感じます。 脱出メンバーが子供も含め、老若男女全員揃っているのが良い。エレベーターや排気口のルートは、手に汗握る難所。何度も水中に閉じ込められるシーンがあり、こちらまで息苦しさを感じる臨場感。ディランがややスーパーマンすぎるきらいはあるが、それをふまえてもスリルに満ち溢れたA級エンタメパニックムービーです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-05-30 01:11:39)(良:1票) |
6. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 まず冒頭でマリー(フランカ・ポテンテ)が射殺されちゃうのにびっくり。 自分を狙っているのは誰なのか。ボーンに罪をなすりつけようとしているのは誰なのか。 前作より明らかにミステリー色とドラマ性が強い。そして展開が早い。アクションも速い。カーチェイスは凄い。 少年漫画のようなノリはナリを潜め、完全なる『映画』になっていますね。 カメラワークの臨場感も前作を凌いでいる気がします。 手ぶれ撮影が平気、むしろ結構好みな私にとっては、迫力が感じられてとても良かったです。 特にカーチェイスのリアル感は凄い。 今までのカーチェイスであれば、『ありえないでしょ』の神業連発で、なんだかんだ言って切り抜けちゃうのがセオリーっちゃあセオリー。 ところがこの作品は違います。ぶつかる。ぶつかる。 いや、そりゃ急に道路に飛び出したり、車線変更すれば、そりゃそーなるのが普通なんですが、映画ではそーならないのが普通なのに、あえてそれをやっちゃうっていうね。あれ?何を言っているのかよくわからなくなってきました。 個人的にはカーチェイスであんま熱くならないのです。車やレースに興味が無いっていうのもあるんですが。私にとってカーチェイスって、どちらかというと退屈なシーン。であることが多い。 ところがところが。この作品ではもう目が離せません。 すべてのアクションが最高級のレベルで仕上がっていて、それでいて前作の雰囲気を少しも損なっていません。サスペンスアクションの最高級と言ってもいいくらいです。 恋愛要素が完全に排除されたのも、個人的な好みと合致しました。 トレッド・ストーン最後の生き残りとニッキーの使い方が、おいしいけど、ちょっと出番少なくてもったいない気がします。 そしてブライアン・コックス演じるアボット。唯一サプライズ演出をできたかもしれないのに、ステレオタイプの黒幕で悪いやつってのがばればれ。これじゃあダニーが殺されちゃうシーンだって全然驚けません。まさにダニーは無駄死にですね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-12-31 03:13:58)(良:1票) |
7. ボイスレター
《ネタバレ》 小粒な人生を送る、小粒な自分にとって、小粒なサスペンスこそ最良の友。この作品はスマッシュヒット。これぐらいの規模だからこそ、逆にハラハラできるし、臨場感を味わえちゃうんですね。 ミスリードさせてやろうという空気、なかなか好きですよ。もちろん『ミスリードされるかー。』って思うんですが、それ以前に、これだけ怪しい人たちがたくさんいると、そもそも誰が犯人かなんてわかりません。結局は消去法で、ラスト二人になったときにはじめて誰が犯人かピンときます。それまではもう全然わかんないですよ。それに、展開がわりと速いので、考える間もないです。 こーゆー小粒ながらもしっかりとストーリーを練ってあり、緊迫感もスピード感もあるサスペンスは良質です。意外にも指を切っちゃう視覚的に痛いシーンなんかもちゃんと用意してあります。特に、あの人の指が切られるときが、結構な迫力です。 欲を言うならば、4人から2人に減らすのがちょっと早すぎちゃった気もしますね。ジュディ(でしたっけ?)なんか、もう少し泳がせても面白かったかもしれません。 まあ何にせよ、ラストまでノンストップで盛り上がれるオススメのサスペンスです。 [DVD(字幕)] 8点(2015-04-30 20:01:19) |
8. ポーリー(1998)
《ネタバレ》 今まで見た動物ものの中では、『ベイブ』『奇跡の旅』と比較しても、これが一番良かったです。『奇跡の旅』と同じようなロードムービー形式をとっているのですが、今作のほうが必然性が高く、最早ドラマとして面白いです。つまり、たとえ主人公がインコじゃなくても、きっと面白くなったに違いないくらいの完成度なんです。 マリー、アイヴィ、メキシコ人、ミーシャ、出会う人がみんなそれぞれの個性をもち、それぞれの優しさでポーリーと接するところに感動があります。思いやりや友情、人と人(※今作の場合インコですが)との絆を、押し付けがましくならない程度に、限りなく自然な表現で表してくれているところに本作最大の魅力があると思います。 更にはラストに、ミーシャとマリーの『ちょっとだけラブストーリー』をにおわせる展開まで用意してくれちゃって、凄く幸せな余韻に浸れます。 所謂べた~な動物ものが苦手な人であっても、これは見て損はないかもしれませんね。 本作の感想とは全く関係ないのですが、大学教授って人格的にも立派な方が多いのに、映画の中では割と悪者に描かれることが多い気がします。肩抱きや公的権力に逆らいたくなっちゃう人間の性ってやつでしょうか・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2014-08-18 02:25:18) |
9. ボディ・ハント
《ネタバレ》 7点か8点かくらいで迷うくらい面白かった。終盤のどんでん返しまでストーリーがよく練られていて面白いです。 ラストは「妹思いの兄が妹と共に死ぬ」、そんな物悲しいホラーを想像していたのですが、全然違いました。 ヤク中でサイコパスな母に育てられた、サイコパスな兄の、サイコパスなサスペンス。 あるシーンで、「あ、妹は終始暴れているわけではないし、鍵を取るような知恵もあるんだぁ~」と思ったら、まったく違いましたね。そもそも妹ですらないし。部屋に入ってきた兄に襲い掛かったのも納得。そういえばライアン以外の人間に襲い掛かるシーンはひとつもない。よくできてるな~。部屋から抜け出すときに包丁を手にしたのも、ライアンを刺すため?じゃあライアンに見つかって口を塞がれたときに、ライアンを刺すことはできなかったんだろうか?う~ん。 あと、視聴者をミスリードさせるためとはいえ、少女のあの走り方はいただけない。逃げようとする人の走り方じゃないでしょ。なんか獲物に襲い掛かるかのような走り方。少女がなにもしゃべらないのも不自然。エリッサの家まで来たなら、「助けて~」の一言くらいあっても良さそう。 とまあ、振り返ればツッコミどころはわんさかあるのですが、観ているときはもちろん気付かないわけで。 エリッサとライアンのハッピーエンドを期待していた身としては、気持ち良いくらいに騙されました。 両親は女装させられたライアンに殺されちゃったのねぇ~。そりゃ両親が悪いわ。 ・・・・・Σ(゚□゚;) なんか見覚えある女優さんだと思ったら・・・・カットニス・エヴァディーン演ってた人だ~ [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-24 22:58:24) |
10. 北北西に進路を取れ
《ネタバレ》 ヒッチコック作品のなかでは一番好きかもしれない。ダイヤルⅯも良かったですが、好みで言えばこちらが上。当時の都会の様子なんかがわかるのも楽しい。なんだかんだ言って、やはり潤沢な予算で撮られた映画ってスケールが大きくて良いもんです。これぞ映画って感じです。 オープニングの拉致シーンはあまりに強引でしたが、『ああ、これはコメディなんだ』とわりきって見る良いきっかけになりました。 ロジャー・ソーンヒルが、最初のほうこそオバカさんでしたが、途中からかっこよく見えだして良いキャラでした。 そしてヒロインのイヴ・ケンドール。この人がとっても素敵。『あ、やっぱりバンダムの愛人だったんかい』っていうのは残念ポイントではありますが。それ以外はパーフェクト。人生最大のピンチで味方が誰もいないときに、あんな美女が助けてくれるなんて夢のようです。 一般人だったイヴを都合が良いからとスパイにしたてあげてたわけですが、素人があんなに上手く立ち回れるなんてご都合と言えなくもない。ロジャーも途中からスーパーマン化して、ロッククライミングみたいなことまでやりだしたときにゃあ笑っちゃいました。 本物のタウンゼントはなぜ殺されたのかなど、不明瞭な点が放置されたまま。最近の映画に見慣れていると、決して完成度が高いとは言えないかもしれません。 ただ、ラストに崖のシーンから列車のなかへジャンプするシーンなど、もしかすると今、映画やテレビ業界で当たり前のように使われている手法の先駆者はヒッチコックだったのかも。そー考えると、やっぱ偉大な監督さんですよねー。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-08-18 02:43:34)(良:1票) |
11. 僕のワンダフル・ジャーニー
《ネタバレ》 前作は1つ1つのエピソードに起承転結をしっかりつけ、スピード感がありました。前作と比較すると、今作は全体的にややスローペースでもったりしていたかも。1エピソードの完成度の高さや見ごたえは前作に軍配が上がるかもしれないですね。 こちらの作品が良かった点としては、『CJの側にいて、CJを守ってやってくれ』、このイーサンの言葉をベイリーが守り抜いたこと。この約束を守るという目的を一貫させたことで、大きな1本のストーリーとしてきれいにまとまった印象です。そのぶん、ベイリーはもちろん、CJやトレントに深く感情移入しながら見ることができました。 また、今作ならではの伏線のはりかた、その回収の仕方も素敵だったと思います。 モリーの章でガンの匂いを嗅ぎ分けるスキルを身に着けたベイリー。マックスに転生してから、トレントのガンを発見する。そのおかげでトレントは命拾いする。CJもマックスがモリーでありベイリーの生まれ変わりであるとの確信を得るきっかけになる。トレントに引き合わせてくれたのもおそらくベイリーだとの結論に至る。それが最後の一押しになるなんてロマンチックじゃないですか~。 イーサン達と違って、多少すれ違いはしたけれど、若いうちに二人が結ばれて子供もできて。前半が胸糞展開だっただけに、このハッピーエンドは本当にうれしい。 ただ、これは個人的なワガママなのですが、最後の犬種は大型犬が良かったなぁ。ラブラドールとか。ハスキーとか。ラフコリーとか。もしくは秋田犬や柴犬なんかの日本犬でもいいなあ。 なんで最後ヨークシャー・テリア?いや、かわいいよ、ダメジャナイヨ。でもなんか違うんだよなぁ。 紅白の大トリで10代のアイドル出てきたら変ですよね?・・・つまり、そんな感じ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-04-16 23:35:28) |
12. ボーン・アルティメイタム
《ネタバレ》 シリーズの中で、一番ついていくのが大変でしたね。 疲れた頭にムチうって、頑張ってついていった結果、『え?それで終わり?』っていうのが率直な感想でしょうか・・。 スパイ系アクションとしては見所満載で高水準。常に相手の一歩上をいく、爽快な頭脳戦は健在。 『記者と接触を試みようとする前半。』 『ニッキー・パーソンズ(ジュリア・スタイルズ)と行動を共にする中盤。』 どちらも記者やニッキーを守りながらピンチを脱するという展開が今までにないパターンで面白い。 ジェイソン・ボーンはもう無敵感丸出しなので、『ボーンが守るべき対象を守りきれるのか?』というシチュエーションは、新たな緊張感を生み出すことに成功しているようです。 ただ、今までのシリーズと違い、後半からクライマックスにかけてが今いち盛り上がりません。 『迫りくる危機をどう回避するのか?』の1作目。 『最愛の人を奪った者達への復讐』の2作目。 それに比べると、この3作目の動機はパンチが弱い気がするのです。 正直言うと、3作目ともなると、『ボーンはいったい何者なんだ?』っていうのに、・・・そもそも興味が湧かない・・・。 前菜、メインディッシュは凄い良かったんですけどね!やはり〆のデザートも大事っていうことです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-01-30 04:14:02)(良:1票) |
13. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 ストーリーはともかくとして、アクションは好き。 『静』から『動』へのシフトが鮮やか。アクションで大事なのはこのメリハリかも。 プロの殺し屋同士の戦いというのは、理屈抜きでワクワクします。少年漫画に慣れ親しんできた者であれば、この作品に心ときめく部分があるはず。 4,000万$(でしたっけ?)かけて作られた人間兵器。その強さの度合いも、比較対象があって初めてわかるというもの。その意味では、ジェイソン・ボーンと戦ったプロの殺し屋たちの強さは合格点と言えるでしょう。また、得意科目に個性が感じられるのも◎ですね。『異種格闘技戦』はこうでなくては。 よって、個人的には、この作品は『ヒーローもの』ではないかと思うわけです。少年漫画で使われても面白そうな題材。こーゆーシチュエーションは、いくつになってもわくわくしちゃいますね。 また、前半から中盤にかけての緊張感は、ミステリー要素が強くてここも◎。この辺りは一級品のサスペンス映画を見ている興奮が味わえます。中盤以降はジェイソン・ボーンの強さがはっきりしちゃって、爽快感は増すのですが、緊張感は半減。要は、『ボーンがこの連中にどう落とし前をつけるのか』ってのが後半最大の見所になるのでしょうが、その点に関しては『賛否』の『否』の意見が多いのもわかる気はします。ただこれは前半の面白さによる期待値の膨れ上がりも要因になっていそうですけどね。確かに大作映画としての深みはそれほどでもないかもしれません。 ですが記憶を亡くした超強い主人公が、機転とずば抜けた戦闘力で次々とピンチを切り抜け、敵を撃破していく。単純だけれども、それだけで映画は十分面白いと感じさせてくれる作品です。 マイナスポイントはやはり恋愛パートかな。個人的にフランカ・ポテンテという女優にあまり魅力を感じません。 だから彼女とのラブシーンも『はあ。』 お金を渡して『逃げろ』って言うシーンも『はあ。』 最後再会できたときだけは、ハッピーエンドで『良かったね。』とは思いましたが、それ以上の感情は湧かず。残念。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-12-25 14:49:43)(良:1票) |
14. 暴走特急
《ネタバレ》 セガール映画の中では一番好きかもしれないです。舞台は列車ですが、そこから衛星を乗っ取って全世界を攻撃できるというスケールの大きさがノリノリでよいです。更には、秘密のコードを聞き出すために、目をレーザーで焼こうとする拷問のシーンは、かなりのインパクトがあります。デインやテロリストグループの冷酷・冷徹・非道な性格が印象づけられるのです。 そしてテロリストグループに一筋縄ではいかなそうなやつらがたくさんいるのも盛り上がるポイントです。この作品が一番良いと思える理由はきっとテロリストグループの質の高さだと思うんですよね。だって主役のセガールは変わりようがないですもん。セガール映画を面白くしようと思えば、あとは敵キャラを変えていくしかないんです。そういった意味ではこの映画はほぼ満点。これだけのタレントをそろえたスーパーテロリスト集団が、どんなことにも全く動じなかったのに、ライバックが列車に乗っていると知っただけで、「大変だ」ってどんだけですか(笑) だけど、セガールがいったん動き出すと、どれだけストーリー、脚本、敵キャラに味付けをしていても、一瞬でセガール味に染められちゃうんですよね。しょうがないです。ハリウッドの水戸黄門ですから。クリリンとヤムチャには実力差がありますが、スーパーサイヤ人の前ではどちらも雑魚扱いですもんね。セガールはそれといっしょなんですが、それをふまえても楽しい作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2014-02-26 14:45:20)(良:2票) |
15. ボディ・ターゲット
《ネタバレ》 冤罪ではなかったのは少し意外でした。実はしっかり強盗しちゃっていたんですね。「俺が本当は捕まるはずだったのに」とかはじめのほうで仲間のビリーが言うから、勘違いしていました。 そんで、いつもでしたら「お前悪いやつじゃん。」って偏見たっぷりになっちゃって、主人公に感情移入しづらいパターンのはずなんですけど、なかなかどうしてサム君(ヴァンダム)、良かったですよ。何より過去の過ちを後悔しているのが良いじゃないですか。 アクション映画は、絶対正義、スーパー超人、聖人君主みたいな人たちのほうが、面白いに決まってるじゃんって思っていましたが、なんか真っ白ではない、グレーな感じの主人公ってのもいいもんですね。決して完璧ではないサムが、大事にしたいと思える人たちに出会えて、その人たちのためにその腕力をふるうっていうのは、普段あんまり感じることないタイプのカタルシスを得られてなんか心地良かったです。 そのグレーの良さってのを堪能してもらうために子供を効果的に使うってのは、なんかずるいやん、って気もしますが、やっぱ子供がからむと作品に味わいが出ますね。特に今回の子役の二人はとっても良かった気がします。 ラストの30分、特に警察に追いかけられてからは片時も目を離さず見入っちゃうほど面白い展開になりましたね。ヴァンダムキックが見られなかったことだけがちょっと残念だったかな。 そうそう、脇役さんたちが良い味出していたのもこの映画の評価のポイントでしょう。特にロニーは良かったね。彼もなかなか良い灰色出していましたよ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-07-08 01:58:28) |
16. ボーイズ’ン・ザ・フッド
《ネタバレ》 小学生のトレ達が、母親から登校時に「流れ弾に気をつけてね。」と言われる世界。この一言だけでも、当時の黒人たちが置かれていた環境を印象づけるのに十分すぎる効果がありました。 当時は自分も中学生。兄とその友人達が、「この先の池に亀がいるんだぜ。」と一緒に亀を見にいったが、それと同じ感覚で、「この先に死体があるんだぜ。見に行こう。」と好奇心いっぱいに死体を見にいく小学生たち。そんな環境下であっても子供たちは小学校に行き、高校生になれば高校に行って試験も受ける。明日は殺されているかもしれないような環境なのに、自分の進路を真剣に考えている。なんとも整合性に欠けるような状況に、ずっと不安な気持ちがつきまといました。 その不安な気持ちは一種の予感のようなもので、その予感はやはり最悪の形となって訪れます。しかも、作中の人物の中で、おそらくは一番未来を、将来を具体的な形としてとらえていた若者の命とひきかえに。 トレが恋人のブランディに泣きつくところは不覚にも涙を誘われましたが、一番胸に響いたのは、リッキーの試験結果を絶望に打ちひしがれた目で見ている母親のワンショット。なんとも見ていて辛く痛々しい映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-30 02:01:39) |
17. 暴走機関車
《ネタバレ》 パニック映画かと思っていました。 いや、もちろんパニック映画ではあるのです。ただそのパニックが、あくまで登場人物の人間性を引き出す媒体にとどまっている気がします。 確かに、人の本質は平常時より非常時のほうがはっきり出るものかもしれません。 「お前はまだ子供だ。それに比べこちらは海千山千だ。」 と言っていたマニー。これは平常時。まだまだ余裕たっぷり。 「戻ってくるな!中に入れるな!」どかっ!ばきっ! これは非常時。あらあら。 「あんたは俺たちのヒーローだったのに。」 マニーの人間としての底を見てしまった落胆からくる一言。 これはきついですね。見抜かれちゃいましたね。 あこがれていた人物が実は自分とさほど変わらないと気づいてしまった瞬間。 そして、気づかれてしまった瞬間・・・。 こーゆー心の機微がドラマチックに見える映画、好きなんですよねー。 パニック映画としても、ドラマとしても、見応えのある映画でした。 終わり方も、衝突するところを見せられるよりかは好きな終わり方でした。 こーゆー映画で余韻を残すって、斬新です。 [DVD(字幕)] 7点(2012-11-12 06:50:54) |
18. ホワイトファング
《ネタバレ》 ディズニー映画って本当に大好きです。毎度ハッピーエンドを文字通りお約束してくれるので、いつも観終わった後ハッピーな気分になれます。 この映画も例にもれず、とても美しく仕上がっております。 前半は過酷な大自然からスタートします。親切なおじさんが狼の犠牲になってしまったり、ホワイトファングのお母さんもそのとき死んでしまったりと、厳しい生存競争の現場を映し出しています。 ですので、中盤以降はサクセス、サクセスでハッピーかもしれませんが、前半の出来事を忘れてはいけないなと、今レビューを書きながら思いました。 風景の映像が息を呑むほど美しいところもディズニー映画の醍醐味ですね。真っ白な雪景色の中を進むシーン、大自然の湖にボートを漕ぎ出すシーン、見るたびにふわぁーってなります。 もちろんこの映画の一番の見所は、ホワイトファングとジャックの友情です。ジャックが熊に襲われるのを助けたり(けっこうハラハラします。ってゆーか、この撮影すごいですね。)、逆にジャックがホワイトファングを助けだして看病したりして、ゆっくりと二人の絆が出来上がります。 もう本当にべたべたなストーリーですが、そのべったべたなストーリーを心の底から楽しめる映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-12 04:55:17) |
19. ボーン・レガシー
《ネタバレ》 ジェイソン・ボーンの遺産ということか。ジェイソン・ボーンが前3部作で好き勝手やったから、ほかの工作員たちが証拠隠滅のために消されちゃうストーリーという認識でまちがってないですか?前3部作を断片的なシーンでしか覚えていないので、ボーンが何やらかしたのか全然覚えていないんですけど・・・。 今作のストーリーは組織の追手をかわしながら、薬、もしくは薬の代わりとなるワクチンを手に入れるというもの。だから逃げの一辺倒。アクションのレベルが高いので、逃げながら戦うスタンスでも、それはそれで面白い。面白い・・・んだけど、やはりそれだけだと物足りないですね。カタルシスに欠けます。 アーロンVS他の工作員、という夢の対決もなし。 さすがに面白味に欠けるので、美人研究員という華でも添えておくか、といった感じ。 それから、個人名がたくさん出てくるだけでも大変なのに、トレッドストーンとか、ブラックブライヤーとか、アウトカムとか・・・もうパニックです。私が前作見たとき、まだこの映画公開されていなかったので、見るのがこんなに遅くなってしまって・・・。もう覚えているわけない・・・。 え?なぜ復習しないのかって? え?いつから映画は復習しておかないといけなくなったの?娯楽なのに? [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-06-21 03:01:58) |
20. ホビット/決戦のゆくえ
《ネタバレ》 3作の中では一番面白い。そりゃそうです。きっちり決着をつけたわけですから。 もちろん、言いたいことは山ほどあります。 前作からさんざんひっぱってきたのに、竜スマウグの最期あっけなさすぎない? お化けミミズは穴ほるだけ?サウロンの出番それだけなら出てこなくていーよ。 ラストは最終決戦みたいな感じで始まったのに、気付けばトーリンたちの戦いばっかりだよ。他の人たちの戦いはどーなったの?あれだけいたオークやトロールはやっつけたの?退散したの? 財宝は結局どーなったの?エルフの王は欲しかった宝はもらったの?港町の再建はどーなったの? 助けに来てくれたラダガストや獣の人はほったらかしなの? ドワーフの王国エレボールは結局どーなったの?次の王は誰がなるの? これだけの長尺にも関わらず、そーいった大事なことは何一つ教えてくれない。 気づいたら、ビルボとガンダルフはホビット庄に着いちゃってる。 で、ビルボは死んだことにされてて、家の家具が競売に・・・って、そんなどーでもいいことに尺を使うんだったら、もっと大事なことに・・・まあ、いいや、どーでも。 それにしても闇の軍勢は騎士道精神にあふれていましたねー。 人間とエルフとドワーフが同士討ちするのを待ってから叩けば絶対勝てたのに。わざわざみんなが集まっているところに正面から正々堂々と戦いを挑んで・・・。ドワーフとエルフと人間の諍いを止めたのは他ならぬオークたち。感謝せなあかんで、ほんま・・・ [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-05-18 15:26:32) |