21. ホーム・アローン
アメリカのコメディ映画というものは日本人から見るとどうも「やりすぎ感」が漂う。この映画もその部類ではあるのだけれど、ラストの泥棒コンビ撃退の顛末に集約されている分、丁度良く爽快感につながっているのだと思う。 7点(2003-09-28 17:15:35) |
22. ホビット/思いがけない冒険
「壮大」というよりは「膨大」な映像の“物量”に気圧された。 それがそのままエンターテイメント大作の質としてのパワーに直結して感じられたなら良かったのだけれど、鑑賞日は三が日の最終日、年末年始の疲労の蓄積がピークに達した状況では、正直呆然と眺めるしかなかった。 コンディションを整えられていなかったことに対しての自責を感じつつも、"見慣れた”映画世界に「退屈」を感じてしまったことは否めない。 「ロード・オブ・ザ・リング」(以下「LOTR」)三部作が映画史に燦然と残るファンタジー映画の傑作であることは間違いないと思っている。 その“前日譚”を同じピーター・ジャクソンが描き出すということに対しては、大いなる期待と同時に、「二番煎じにならないのか?」という危惧はどうしたって拭いされなかった。 結果として言えることは、やはり危惧した通り、何だか見慣れた映画世界がまた一からスタートしたのだなという印象に帰結してしまったということだ。 世界観の作り込みは当然ながらもの凄い。ただし、そこに前三部作を超越した何か“新しいスゴさ”があるかというと、そういうものは感じられなかった。 ガンダルフをはじめとしてお馴染みのキャラクターが登場するシーンは、かつての高揚感が彷彿とされ確かにアガる。ただそのアガり方も、あくまでスピンオフ的な盛り上がりに過ぎず、「前日譚」である以上「LOTR」を越える程の物語性は望めまいという固定概念が先行するため、今ひとつ高揚感に浸ることが出来ない。 またキャスティングの地味さも厳しい。俳優の名前で客を呼ぶタイプのエンターテイメント作品ではないということは分かっているが、新キャラクターの殆どが無名俳優ばかりで印象が薄いので、登場人物の多さがただの雑多さに繋がってしまっている。 たとえ現時点での知名度は低くとも、たとえばヴィゴ・モーテンセンやオーランド・ブルームクラスの実力やスター性を備えた俳優を起用してほしかったところだろう。 とはいえ新たな“三部作”は始まったばかり。顧みてみれば、「LOTR」の一作目を初めて観た時の印象もそれほど良くはなく、二作目、三作目の盛り上がり方で一気にシリーズ全体が昇華していった。 とりあえず前三部作を観直しつつ、次作「スマウグの荒らし場」の公開をじっくり待つことにしよう。 [映画館(字幕)] 6点(2013-01-03 22:24:53)(良:1票) |
23. 僕らのミライへ逆回転
《ネタバレ》 「映画」が好きな人間にとって、「映画を観るということ」の価値は計り知れない。 それは理屈ではなくて、ただただシンプルに「好き」ということになると思う。 レンタルビデオの中身が消えてしまった。じゃあ自分たちで勝手にリメイクしてしまおう。予想外に面白かったから、また観たい! ストーリーの設定自体は強引すぎるほど強引で、リアリティなんてまるでない。 でも、その根本的な願望は、とてもシンプルで理解できる。 映画が好きだから、街が好きだから、店が好きだから、そうして作られた映画を、みんなで観て、共に泣き笑う。 そのささやか「幸福感」に感動する。 [DVD(字幕)] 6点(2009-03-29 11:09:27)(良:2票) |
24. ボーン・アイデンティティー
クライマックスにもうひとつストーリーの起伏がなく平淡に終わってしまったことは、スパイもののサスペンス映画としては致命的な欠点であることは否めない。しかし、ヨーロッパの街並みを舞台にした映画世界にはスタイリッシュな雰囲気が漂い、観ていて飽きることはない。秀麗な映像センスが見受けられるだけに、ストーリーにもう少し凝って欲しかったと思う。「ラン・ローラ・ラン」のフランカ・ポテンテがヒロインに扮しとても魅力的な雰囲気を出している。 6点(2004-02-05 18:35:12) |
25. 北北西に進路を取れ
主人公が理解不能のままとにかく逃げ惑う中盤までの展開は斬新さと緊張感に溢れた優れたサスペンスを見せてくれるが、中盤以降、主人公が妙にスーパーマン化してしまいパフォーマンスが大げさになる分、リアリティが薄れた。予想以上に平凡なラストの顛末もやや拍子抜けする。サスペンス映画はやはり終盤こそ起伏に富んでほしい。 6点(2004-01-30 18:13:45)(良:1票) |
26. ボルケーノ
パニック災害映画の王道という展開で、ストーリー的にはありがちと言えるものだが、最低限楽しめるだけのクオリティは保っている。溶岩のCGは非常に熱そうで良いできだったと思う。 6点(2003-10-28 10:20:27) |
27. 星の王子ニューヨークへ行く
5人一役という離れ業を見ても分かるように、エディ・マーフィーの絶好調ぶりが見て取れる映画だった。彼のこの手のコメディ映画が作られなくなって久しいが、やはり流行り廃りということだろうか。 [地上波(吹替)] 6点(2003-10-17 14:00:38) |
28. ホット・ショット
アメリカのコメディは日本人にはギャップがあってそれほど笑えないものも多いけど、この映画は大笑いできる。映画のパロディの連続だけに映画好きにはなおさら笑えると思う。 [地上波(吹替)] 6点(2003-09-29 11:32:32) |
29. ホーム・アローン2
見せ所の凸凹泥棒コンビ撃退場面の場所が自分ちから改装中の空き家になっている分、トラップが巧い具合にスケールアップされていて盛り上がる。 [地上波(吹替)] 6点(2003-09-28 17:19:11) |
30. ホビット/竜に奪われた王国
三部作の最終作公開のタイミングを知り、一年前の公開時にスルーしたままになっていたこの第二作目をようやく鑑賞。 「ロード・オブ・ザ・リング」(以下LOTR)は全作を劇場にて高揚感たっぷりに観たタイプなので、同様に繰り広げられる大ファンタジーの壮大な世界観には、やはりアガる。 ただし、生じた高揚感の矛先は、この“前日譚”を通り越して、やはり「LOTR」に向いていることは否めない。 前日譚であることの宿命とはいえ、「LOTR」と比べてしまうと物語規模の圧倒的な小ささを感じてしまう。そして、ストーリーテリングの推進力も、圧倒的に弱い。 「LOTR」は、常に別の道程を辿る各パーティーの冒険が並行して描かれ、それがストーリーテリングに厚みを持たせていたが、今作は基本的に主体であるドワーフ一行の冒険のみが延々と続くので、どうしても飽きてしまう。それぞれのキャラクターに華がないことも痛い。 最終作を観ていないので明言はできないが、無理に三部作などにする必要はなく、単作で纏め上げたほうが良かったと思う。 大スクリーンで観てナンボの作品であることは間違いないので、自宅の小さなテレビで観たことは大いにマイナス要因だっとは思うけれど、現状の期待値では最終作を観るために劇場に足を運ぶことは正直難しい。 英BBCの「SHERLOCK」の大ファンなので、マーティン・フリーマン(ホビット)とベネディクト・カンバーバッチ(スマウグ)の「対峙」は、ちょっと胸熱だったけれどね。 最後にこれだけは言いたい。 前作では敢えて突っ込まなかったが、“ずんぐりむっくり”が身体的特徴のはずのドワーフなのに、“王”や“恋愛担当”は結局細身のイケメンであることが、なんだか納得いかない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-08 16:58:13)(良:1票) |
31. ポカホンタス
史劇なのでディズニー映画らしいファンタジー性は当然ないのだけれど、そつなくまとめあげているところは流石である。それでもやはり、ディズニーのエンターテイメント性を期待している者にとってはいささかの拍子抜けは拭えないところだろう。極めてシリアスに描いているというわけでもないので、逆に気軽に観るくらいが丁度良い。 5点(2003-11-08 11:37:18) |
32. ポセイドン(2006)
《ネタバレ》 ご存知1972年の傑作パニック映画「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク作品。 このリメイクにおいては、巨匠ウォルフガング・ペーターゼンの威光の残像にすがったのかもしれないが、映画自体は残念ながら「B級映画」の範疇に“しっかり”とおさまっている。 まあしかし、そのこと自体はある程度予想出来たことなので、パニック映画ファンとしては、序盤から繰広げられるこのジャンルの「予定調和」を逆に楽しむことに決めた。 そう開き直れば、全編通してそこそこ楽しめるB級パニック映画であったと思う。 オリジナルに対してストーリーテリングやキャラクター設定があまりに稚拙であることは目をつぶるしかない。 主人公をはじめ各キャラクターの人物背景の描写があまりに乏しいことも、少数パーティーに至るまでの半ば強引な展開も、まだ笑って済ませられる。 が、しかし、最終的には一つの顛末が大いなる違和感として突きつけられてしまった。 すなわち、「おい、おーい!アンタ何で生き残っちゃってるの!?」ってことである。 パニック映画において誰が死に、誰が生き残るという顛末は最重要の娯楽性でもあるので、勿論ネタバレは避けたいが、“死亡フラグ”完全無視のまさかのラストに面食らってしまった。 当該俳優が「絶対に死にたくない!」と言い張ったとしか思えない……。ラストのスクリューのシーンは絶好の“死に場”だったろうに……。 このあり得ない展開は、当然マイナス要因ではあるけれど、予想外であったことは間違いない。良い悪いは別にしてこの「予想外」は、ある意味観た価値があったとも言える。 ともあれ“お口直し”は絶対必要。近々、名作「ポセイドン・アドベンチャー」を観直そうと心に決めるには、充分な映画だった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-10-11 01:26:03) |
33. ボーン・レガシー
アクション映画として“見所”は確実にある映画だとは思う。しかし、あまりに"巧くない”映画であるということも確実に言え、故に著しく面白味に欠ける映画に仕上がってしまっている。 “ボーンシリーズ”は好きだったし、主人公に抜擢されたジェレミー・レナーは昨今の再注目株だし、レイチェル・ワイズは大ファンだし、エドワード・ノートンの絡みにも期待していた。 が、終わってみると、すべてが「中途半端」という言葉に尽き、“本筋”には遠く及ばない「番外編」という印象に終始した。 敗因は色々あろうが、序盤から最も気になったのは、テンポの悪さだ。 “ボーンシリーズ”は、決してド派手なだけの描写に頼らないスピーディーでリアルなアクションシーンが魅力だったが、アクションシーンの質そのものは一定の水準を保ってはいるものの、全体的なテンポがあまりに鈍重で間延びしてしまっている。 更には、組織に追われる主人公がヒロインと共に逃避行を繰り返すという、お決まりであまりに工夫の無いストーリーテリングが、退屈さに拍車をかける。 アクションシーン自体も、他の映画で何度も観たことがあるようなシーンが繰り返されるばかりで、目新しさがまるで無かった。 そしてストーリーそのものは単純なのだろうが、作戦名等の専門用語が無駄に羅列されたり、所属がよく分からない存在感の薄い登場人物が続々と登場したり、ふいに過去の描写が挿入されたり、“ボーンシリーズ”とのリンクが無意味に強調されたりと、ストーリー構成をいたずらに難解にしているように思えた。 脚本家出身の監督なのだから、アクションシーンの多少の劣化はまだしも、ストーリーそのものがあまりに稚拙なことには、言い訳の余地はないと思うし、“ボーンシリーズ”を描き出した人だけに残念な限りだ。 もしこのまま再シリーズ化しようというのならば、再び脚本家に専念することをお勧めする。 [映画館(字幕)] 4点(2012-10-06 17:03:19)(良:2票) |
34. 北海ハイジャック
《ネタバレ》 ロジャー・ムーアの「007」映画を観ようと物色していたら、今作のパッケージが目にとまり、イントロダクションを読む限り面白そうだったので鑑賞に至った。 女嫌い+猫好きという主人公のキャラクター性の妙だったり、作戦実行に至るまでの心理戦を映画の大半に渡って展開させる等、特徴的な面白味はあったと思うが、残念ながらそれらが娯楽性に直結していない印象を受けた。 全体的に説明不足だったり、結局は場当たり的な展開が、興を冷ましてしまったことは否めない。 クライマックスに至るまでずっと百戦錬磨の知将ぶりを誇示する主人公だが、結局お前の作戦“穴”だらけじゃん!と突っ込みを入れたくなってしまった。 自分の部下に敵と間違えられて襲われ、その部下を海にたたき落とすシーンには笑ってしまった。 その他にも、そもそも主人公の私設部隊が、黙々と訓練を繰り返してきた理由は何だったのか?など、根本的な設定に対しても説明がなく、腑に落ちない部分が大きい。 ラスト、実は主人公は犯人一味だったとか、逆転的な展開を用意してほしかったと思う。 主人公の窮地を助ける“少年”役の女優が可愛かった。彼女のキャラクターは、この手のアクション映画において、現場に居合わせた女性キャラが主人公を手助けする活躍を見せるという定番要素の走りだろうか。 また悪役を演じるアンソニー・パーキンスの存在感があり、良かったと思う。 見るべき部分がある映画であることは確かだが、総合的には褒められた映画ではなかった。 さてこのままでは、ロジャー・ムーアに対する印象が悪いので、当初の意向通り「007」を借りに行こう。 [DVD(字幕)] 4点(2012-09-20 15:16:33) |
35. ボディ・ターゲット
この映画には特に顕著に表れているが、こういうありきたりさがヴァン・ダム映画の持ち味とも言える。面白くないと言えばそれまでであるが、それでも今尚、この人の映画が作られ続けているのは、どこか捨てきれない彼の人気の根強さゆえであろう。 [地上波(吹替)] 4点(2003-10-17 14:18:55) |
36. ボーン・コレクター
猟奇殺人サスペンス映画ブームの90年代に量産された凡作の一つと言わざるを得ないのが正直なところ。 雰囲気としては、新米捜査官+殺人のプロフェッショナルコンビのパートナー感は「羊たちの沈黙」のそれを、そして、主人公らの身近に潜む殺人鬼設定は「セブン」のそれを狙っているのは明らか。 ただ、この映画の到達点は、比較に出すことがはばかれるくらいに、そのどちらの名作にも遠く及んでいない。 「駄作」と評してしまっても差し支えはないけれど、個人的に「凡作」と留めたいのは、まだまだ若くてかわいいアンジェリーナ・ジョリーの瑞々しさに免じて。 同じく主演のデンゼル・ワシントンの安定した存在感もあり、脇役も含めてキャストのパフォーマンスに何とか助けられている部分は大きい。 犯罪学の天才だが寝たきりの師匠と、素人同然だが天賦の才を持った弟子とのコンビによって、事件の真相に迫っていくという構図は面白かったが、肝心の当人同士の心理描写があまりに唐突で、この二人が互いに信頼していくくだりに説得力が無さ過ぎた。 もっと長いスパンをもって、幾つかの難事件を解決していくプロセスの中で、主人公コンビが連携と信頼を深めていくという「必然性」があれば良かったのにと思う。 また、捜査に携わるその他の警察スタッフや主人公の面倒を見る介護士ら、主人公二人以外の面々のキャラクターも立っており、彼らが醸し出す“チーム感”に好感が持てただけに、この映画の素材はテレビドラマシリーズの方がハマったのではないかと思う。 真犯人が誰か?ということについても、途中ふいに差し込まれる無意味なシーンによって容易に想像がついてしまう。それが伏線となっているというわけでもなく、本当にただ無意味なシーンでしかないので、興は冷める一方だった。 [インターネット(字幕)] 3点(2013-03-24 21:20:16) |
37. ホーンテッドマンション(2003)
我ながら地味だとは思うが、“ディズニーランドで好きなアトラクションは?”と聞かれれば僕は「カリブの海賊」と「ホーンテッド・マンション」と答える。「カリブの海賊」の映画版「パイレーツ・オブ・カリビアン」はジョニー・デップという巧者の主演とアトラクションそのままに描き出した世界観に、予想以上の満足感を得られることができた。そしてそのヒットを受けて~!という勢いがモロに感じ取れる今作の製作を聞いた時点で正直あまり良い予感はしていなかった。やはり最大のハンデは、目新しさとブームに巧い具合に乗った“海賊モノ”に対して、散々やり尽くされた感のある“幽霊モノ”というジャンル自体だったと思う。いくら最新CGで仕上げてみても、エディ・マーフィーが職人的にはしゃいでみても、そこに新しさは生まれず、ただただありきたり感が付きまとう。まあそれでも細かな演出まで頑張っていた部分はあったが、大筋のストーリーがチープそのものでは焼け石に水である。 [DVD(吹替)] 3点(2005-05-23 21:01:27) |
38. ホット・ショット2
前作と比べるとストーリー性が薄く、完全なバカ映画になってしまっているのが前作が好きな者にとっては残念だった。まあ暇つぶしに見るくらいなら悪くないけど。 [ビデオ(吹替)] 3点(2003-09-29 11:34:49) |
39. ポリスアカデミー'94/モスクワ大作戦!!
傑作シリーズの最後の作品であるが、出来は散々なものだった。かつての一級コメディ映画の風格は消えて、どうしようもないC級映画に成り下がってしまった。まあもともとがハチャメチャなコメディ映画だったからこういうラストもありっちゃありか。 [ビデオ(字幕)] 1点(2003-10-14 10:47:38) |