221. 許されざる者(1992)
自分を真人間にしてくれた死んだ妻との約束も破り、幼き子ども二人を残し人殺しの旅に出る男の心境がどうもわからない。単なる賞金稼ぎなのか、売春婦を傷つけた(どうしてもかすり傷にしか見えないが)ならず者に正義の剣を振るうためか。これでアカデミー賞とは恐れ入る。所詮、米国人のための米国映画だ。現在公開中の渡辺謙主演邦画を見るために見たのだが、見るべきか迷ってしまう。 [DVD(字幕)] 3点(2013-09-17 22:47:38) |
222. フェイス/オフ
印象的なオープニング、スピィーディーでスリリングな展開で前半は実に良い。そして顔を交換するという奇想天外な発想にも目を見張る。だが後で思うとあまり気持ちが良いものではない。 [DVD(字幕)] 6点(2013-09-16 21:32:56) |
223. 雨に濡れた欲情
《ネタバレ》 よくまあこういうタイトルを付けたものだ。さぞ原作者サマセット・モームは苦笑いをしてるのでは・・・。モームの短編「雨」の主人公サディは、過去にグロリア・スワンソン、ジョーン・クロフォードという名だたる女優が演じてきた。そして今度はリタ・ヘイワース、グロリア・スワンソンは未見なので何もわからないが、私の持っているDVDのジョーン・クロフォードのそれとは随分雰囲気が違う。映画がモノクロとカラーの違いということもあろうが、クロフォードの妖しげな魅力に対して、リタ・ヘイワースの明るく開放的なサディに大変驚いた。もちろんこの方がヘイワースらしいのだけど・・・。特に前半は別のドラマを見ているようで、これでは宣教師の心情、特になぜ自殺とい疑問が出るのではなかろうか。 [DVD(字幕)] 5点(2013-09-16 20:20:43) |
224. アンドリューNDR114
父と母、姉と妹のアンドリューに対する接し方の違いなど、前半は細やかに丁寧に描き大変良い。人間とロボットの主従関係がやがて友との関係へと発展していく様は、ほのぼのとして感動がにじみ出る。それに比べ後半は時間の都合か、展開が早すぎてああしてこうなったと筋書きを追うだけになってしまうのが実に残念。ロビン・ウィリアムスの演技は役柄にぴったりで申し分ないが、私が大好きなのは子ども時代のリトルミス、目に入れても痛くないとはこんなものを言うのだろう。前半8から9点に対し、後半は5から6点、中をとると7点というところ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-09-15 05:57:39)(良:1票) |
225. 白い恐怖(1945)
夢から事件の真実を探るというのは映画としてはおもしろいけど、精神分析というのはそんなに簡単なものだろうかという疑問が残る。それに中盤までの展開に比べて、ラストがあっけなく物足りない。 [DVD(吹替)] 6点(2013-08-31 22:30:23) |
226. 第十七捕虜収容所
捕虜を扱った映画だけど「大いなる幻影」とは違って娯楽映画の色彩が強い。米国映画で監督がビリー・ワイルダーだからかもしれないが、戦争の悲惨さに的を絞ったものではないと思えば腹は立たない。というか、やっぱりワイルダーらしいおもしろさだ。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-27 15:46:16) |
227. 25年目の弦楽四重奏
数多くの弦楽四重奏団のなかには、映画に出てくるような人間関係のトラブルもあるかもしれないが、映画としての魅力はいまいち。だがベートーヴェンの音楽はほんまもの、古典派音楽から一気に近代音楽へ先駆けとなった晩年の弦楽四重奏曲の魅力を引き出している。そしてまたウォーケンら出演陣も演奏者としての意気込みを感じさせてくれる。 [映画館(字幕)] 6点(2013-08-27 15:01:47) |
228. 大統領の陰謀
ウォーターゲート事件によって、時の米国大統領ニクソンが辞任に追い込まれたことくらいは知っていたが、映画を見た当時はほとんど無知の状態。事件内容や人物構成、政治背景などわからずじまいで本当に退屈な2時間だった。後年DVDが出た折、ネットなどでいろいろ調べてようやくどうにかという状態になった。謎の人物ディープ・スロートも政府高官の内部密告らしいということも・・・。この映画が公開された頃、日本ではロッキード事件に関する証人喚問が新聞やテレビを賑わしていたが、そっちの方がよほど興味深かった。 [映画館(字幕)] 5点(2013-08-13 21:41:50) |
229. タクシードライバー(1976)
孤独感や焦燥感など根底にあるのだろうが、私には変人としか見えないし、完全に狂っていると思う。銃をぶっ放してヒーローになるなどいかにも米国的。ジョディ・フォスターには期待したのだが・・・。 [DVD(字幕)] 2点(2013-08-12 19:29:46) |
230. 十誡(1923)
《ネタバレ》 サイレントの十誡だからさぞや古典劇と思いきや、モーゼらの歴史上の人物が出てくるのは第一部のみ、しかもそれは母親が二人の息子に語る十誡の物語の中だけである。だからこの映画は歴史劇と言うより現代劇というべきで、背景になっているのがモーゼの十誡ということだろう。神を信じ十誡の教えに従おうとする母と兄、それに対して弟は無神論者で十誡なんて古くさいという現代青年。しかし掟に背いたために・・・というようなストーリーだ。サイレントにしては長大な物語になっていておもしろい。 [DVD(字幕)] 6点(2013-08-06 12:06:57)(良:1票) |
231. 告発
暗い独房生活は昔見た「パピヨン」を思い出したが、それ以上である。弁護士スタンフィルの不屈な闘志がすばらしく、頑なな囚人ヤングと友情で結ばれていく過程もすごく良い。映画ではケヴィン・ベーコンの演技が高く評価されているけど、物語としてはこんなすばらしい弁護士はいないと思った。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-03 22:04:54) |
232. 終戦のエンペラー
この映画を日本映画として見ると多少物足りないかもしれない。しかし米国映画として見たら、おつりが出るほどの良い映画だと思う。外国人監督が日本を舞台にした映画を描くと多少なりとも違和感を覚えることが多い。日本の文化や伝統、因習、生活空間といったものが欧米とはすごくかけ離れているからだ。ところがこの映画は、私が見たそういったものの中で一番違和感がない。それどころか、日本人監督以上に戦争直後の日本を描いていると思う。またその時代において、天皇とは何か、戦争責任はあったのかを追求していった実在の人物フェラーズ准将には頭が下がる。我々日本人にとっても天皇がどういう存在だったか知ることができるし、大詰めの天皇とマッカーサーの面談は見もの。この映画は日本人だけでなく、広く外国の方にも見てほしい映画だ。 [映画館(字幕)] 9点(2013-07-31 21:28:25)(良:1票) |
233. 裸足の伯爵夫人
何と言っても伯爵夫人のエヴァ・ガードナーがすばらしい。大柄で彫りの深いエキゾチックな容姿は美しく、この映画ではトップダンサー、ハリウッド女優、そして伯爵夫人と観衆を引きつける。物怖じせず威厳に満ちた振る舞いは、周囲の男性陣、ロッサノ・ブラッツィにしてもハンフリー・ボガートにしてもかすんでしまうほど。回想形式で語られる物語もすばらしく、映画と現実の世界を錯綜させ情熱を感じる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-31 08:06:47) |
234. ゴーストバスターズ(1984)
前半はコメディの要素が強くとてもおもしろい。ビル・マーレイのとぼけた感じも良いし、これがホラー?という感じだったが、ゴーザとかいう破壊の神が出現してからは馬鹿げたくだらない映画になってしまったみたいだ。 [地上波(吹替)] 4点(2013-07-29 18:59:44) |
235. リトル・チルドレン
屈折した性意識などかなり見応えがあり力作だと思うが、終盤のラリーの変身やブラッドのスケポーには安易というか疑問に感じた。だが素っ裸でセックスする主人公二人はもちろんのこと、元警官の異常なまでの執着ぶりや、性犯罪経験者ロニー、外見まともなリチャードの変態など、出演陣の熱演はすごい。ケイト・ウィンスレットの主演女優賞逃しは残念だが、ジャッキー・アール・ヘイリーは十分助演男優賞に値するほど際だっていると思うのだが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2013-07-28 02:13:26) |
236. めまい(1958)
スローな展開で途中までは眠かったが、教会を駆け上るシーンから急展開。後半は巧みな心理サスペンスとなり、よくできた映画だと感心した。今まで見たヒッチコック映画とは異なり、映像と音楽(効果音)で勝負。幾何学的な模様は今はやりのコンピュータ・グラフィックのようで斬新。 [DVD(字幕)] 6点(2013-07-26 22:10:35)(良:1票) |
237. テキサスの五人の仲間
《ネタバレ》 ポーカーのゲームが終わっても結婚式の続きがあった。それが終わってもなお・・・。ポール・ニューマンのスティングを思い出させる鮮やかさだった。(こちらの映画が古いのだが) さすがポーカー、だますゲームには違いないのだが、天井知らずの掛け金無制限ルールでは、一番金を持っている者が勝つ決まっているのだが、銀行家が一枚加わったことにより一変してしまう。脚本がすばらしく、おもしろさ抜群。 [DVD(字幕)] 9点(2013-07-23 05:55:45) |
238. 今のままでいて
《ネタバレ》 いつのまにか女はいなくなっていた。残された男、切なく流れる音楽、これぞまさしくラブストーリーなのだが、この映画の終わり方は何度も予感させるものがあった。母親との別れもたぶんこうだったのだろう。実の父娘かもしれないという不安や疑問は残ったまま、年の差の離れた恋は進行し、最高潮に達したところで突然終わる。何ともロマンティックな映画であり、男と女、年代の相違かもしれなかった。ナスターシャ・キンスキーの美しさは際だっていて、裸体まで拝めるとは・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2013-07-21 06:50:41) |
239. 汚れた顔の天使
私はマフィアやギャング映画が大嫌いだし、まして銃をぶっ放す映画などは・・・。ところがこの映画は違った。どことなく引きつけるものがある。そして大詰めに来て評価がぐんと上がり、忘れることのできない感動のシーンとなる。ほんのちょっと違い(足の速さ)が大きな運命の違いになること、友情とは、真の勇気とはなどいろいろ考えさせてくれる映画だった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-20 03:55:31) |
240. プラダを着た悪魔
ファッションには疎い私だが、ついつい最後まで見てしまった。もちろんその方面はチンプンカンプン、だがコメディとして大変おもしろく、メリル・ストリープのカリスマ女編集長がまた実にすばらしい。 [地上波(吹替)] 7点(2013-07-19 05:12:09) |