301. マイ・フレンド・フォーエバー
少年ふたりが、自分たちで病気の特効薬を見つけようと、そのへんの雑草で実験を重ねるシーンで、笑って泣いた。こんな馬鹿げた、でも本人たちは切実だったりするほろ苦いエピソードって、誰にでも一つはある者だものね…。アメリカ映画って、こういう少年時代の友情物語を描かせたら本当にうまいよなあ。できれば、10代のうちに見たかったです…。 6点(2003-06-28 17:56:38) |
302. マーズ・アタック!
思えば、この映画がコケたために、以後のティム・バートンは「当たる映画」ばかりを撮らざるを得なくなったんだよなあ。『スリーピー・ホロウ』も『猿の惑星』も、一見バートンらしいけど、まるで彼のニセモノが撮ったみたいな代物だったし…。とにかく、あのエゲツない火星人の悪ノリぶりと、悪趣味ぶりこそ「マイナーな天才児」の真骨頂。ただし、巨額の予算を与えてここまで彼にしたい放題させちまったプロデューサーは、やっぱりバカ(笑)だね。実は小生もこの映画、大好き(特に、あの脳みそパチュンの火星人が死ぬシーンの気色良さ!)だったりする一方で、やはりバートンにはせめて『バットマン・リターンズ』くらいのテイストでまとめてほしかった。 5点(2003-06-28 17:39:36) |
303. 顔のない天使
メル・ギブソンって、実はシェイクスピアが大好きなんじゃないのかな。彼の演技的バックボーンにあるのが、実は古典演劇の素養であることを、この初監督作が証明しているように思う。シェイクスピアを朗唱する時のギブソン、ほんと気持ちよさそうだもんなあ。作品的にも、素直に感動できる良い内容です。ラストの感情をグッと抑えたハーフビターさも、見事だし。 8点(2003-06-28 16:06:41) |
304. ダークシティ
監督は「子どもの頃の妄想を映像化した」みたいなコメントを残しているけど、確かにこれは真性のパラノイアですな。ほら、電波が俺をあやつっている! とか、あの家の表札が少し歪んでいるのはスパイの暗号に違いない! とか言うのと同じレベル。この街は宇宙人によって***てる! なんて具合ね。しかし、そういうアブナイ雰囲気を濃厚に漂わせつつ、しかしビジュアルセンスは相当なもの。フイルムノワールなタッチと、センス・オブ・ワンダーのミスマッチぶりに結構ハマってしまいました。 7点(2003-06-27 19:03:09) |
305. ハード・ターゲット
ん~、ヴァン・ダムもジョン・ウーも大好きなんだが、この作品に関しては期待が大きすぎたかな…。「ハート」のないジョン・ウー作品って、単に様式化されたアクションだけが浮きあがってメカニカルな印象を受ける。つまり視覚的にハデなだけで空虚なんだ。ヴァン・ダムの個性も活かされていないし、決してつまらなくはないけど、ちょっと失望。 5点(2003-06-25 18:26:12) |
306. アフリカン・ダンク
世間的にはともかく、小生的には『クール・ランニング』よりもこちらを買うね。万事に定石通りな展開ながら、アフリカの見事なロケーション効果と現地の役者(?)たちの得難いキャラ、それにケビン・ベーコンのイヤミのない爽やかさがマッチしている。何より、カメラワークが実に良い! 確か、イギリスのマイク・リ-監督とのコラボレーションで知られる撮影監督じゃないかな。真冬のアメリカ小都市の雪景色から一転して、アフリカの緑と土の鮮やかさをとらえた色調・構図とも、さすがに見事ですぞ。 8点(2003-06-23 18:53:04)(良:1票) |
307. ワンス・アンド・フォーエバー
ええっと、最低限の常識を保って「ベトナム戦争」を捉え直そうという誠実さは買うものの…戦闘シーンのイマドキな残虐クソリアリズムはともかく、全体的に古臭いアナクロ感が拭えないなあ。特に、この手の映画に必ず出てくる、絶対に何事にも動じない古参の軍曹(昔ならジョージ・ケネディあたりが得意としていたような)とか、メル・ギブソン扮する頼れる主人公像とか。んー、所詮はジョン・ウェインの『グリーン・ベレー』と何も変わらない、「アメリカ賛歌」じゃなく「軍人賛歌」映画だな。国家を批判することであの戦争そのものを肯定できるという単細胞ぶりが、ついていけませんでした。 4点(2003-06-19 12:50:47) |
308. リサの瞳のなかに
モノクロの小品ですが、とにかくインパクトのある作品です。異常な潔癖症ゆえにとある思春期病棟に入れられた青年デイヴィッドは、そこでリサという不思議な雰囲気を持った少女と出会います。心を病んだふたりが、その病んだ心を触れあわせる過程が、切なく、痛ましく、そして美しい、ホント清冽な映画でした。青年を演じるのは、後に『2001年宇宙の旅』のボウマン船長を演じるキア・デュリア。リサを演じるジャネット・マッゴーリンの黒い瞳も、忘れられません。1998年にテレビ映画としてリメイクされ、そちらの方ならビデオで見られます。『刑事ジョン・ブック/目撃者』のルーカス・ハース坊やが、確かデイヴィッド役のはず。もしよろしければ、ご覧になられては。 9点(2003-06-12 16:11:52) |
309. 青いドレスの女
とにかく時代色の描き方が、絶品。第二次大戦後のアメリカ社会が持つ光と影の”影”の部分を、見事に捉えている。それを、ひとりの「宿命の女」探しというハードボイルドな探偵物語の中に織り込んでいく監督は、ただ者じゃない。皆さん酷評ですが、そこまでおっしゃらなくても… 8点(2003-06-11 17:58:43) |
310. アイリスへの手紙
アメリカ南部の地方色も、そこで慎ましく生きる人々の喜怒哀楽も、ほんとシンプルに、美しく表現されている。地味で面白味に欠けるかもしれないけど、こういう映画をもっと大切にしたいなあ。自分が文盲であることを恥じていたデニーロが、好意を寄せる女性に「字を教えてくれないか…」と願うシーンで、思わず感動しました。うん、いとおしい映画です。 8点(2003-06-11 17:49:04) |
311. I love ペッカー
社会のアウトサイダーに対する愛情の豊かさに関して、ジョン・ウォーターズの右に出る者はいない。そんな男が、芸術と変人に捧げた最高の賛歌。あまりのハッピーさに、後半はほとんどナミダがとまらなかった…。彼を単なる「ヘンタイ映画の奇人監督」としか考えていないアンタ! この映画と『ヘアスプレー』を見て反省しなさいっ! 9点(2003-06-11 17:24:01) |
312. 愛と野望のナイル
頬を槍(矢だっけ?)がズブリと貫通! 耳の中にゴキブリ(キャ~!!)みたいな虫が侵入! …こういうディテールが実に丹念に描かれていて、バートン卿の冒険記に熱中した時の興奮が蘇ってきた。実に見ごたえのある大作なのに、何で忘れられたままになっちゃってるんだろうなあ。ただ、アメリカ人である監督の西欧コンプレックスがちょっと鼻につくって気もしなくもないが。 8点(2003-06-11 17:11:46) |
313. ロミオ・マスト・ダイ
リー・リンチェイ、なんでアメリカ映画じゃこんなんばっかしなんや…。明らかに黒人観客受けを狙った、今どきのブラックプロイテーション映画。”中国映画界の至宝”のムダづかいに、ただただ腹が立つ。オープニング・タイトルはカッコよかったし、高名な撮影監督の第1回監督作品なんで、期待したのに… 4点(2003-06-11 16:31:41) |
314. ロンリー・ブラッド
暗く救いのない展開と、それ以上に暗い映像。ほとんど気が滅入るような映画だけど、この現代にギリシャ悲劇のような”真の悲劇”があるとすれば、たぶん間違いなくこれがその1本でしょう。ショーン・ペンのヒリヒリとした心情が画面から伝わってくる、心に痛い映画。…最高のアメリカ映画じゃありませんか! 10点(2003-06-11 16:25:49) |
315. ロンゲスト・ヤード(1974)
この映画の監督作品って、男も女も人間のエゴや弱さみたいなものを露悪的にさらけ出すところがあって、けっこう胃にもたれることが多かったんだけど…。いやあ、これは素晴らしい! 最後には男の心意気がすべてを昇華してくれたって感じで、笑い、手に汗握りながら、感動しちまいました。バ-ト・レイノルズ以下、役者たちがみんな最高です。でも、同じアルドリッチ監督の『カリフォルニア・ドールズ』の方がもっと素晴らしいですよ!! 8点(2003-06-11 16:19:21) |
316. ロリータ(1997)
エイドリアン・ライン監督っていうんで、作品的興味とは別の期待(笑)をもって見たものの、意外にもかなり上出来じゃん。原作の持つ内省的なエロスがきっちり表現されており、やはりただのスケベ野郎じゃなかったんだ、と見直す。ドミニク・スウェインのロリータは健闘しているものの、どうもただのイヤなズベ公にしか見えず、こんなガキに振り回されるジェレミー・アイアンズのハンバート・ハンバートの哀れさと愚かさが際立つってのも、怪我の功名っていんでしょうか。中でも、フランク・ランジェラの怪演に、思わず「ブラボー!」と心の中で叫んじまったです。 7点(2003-06-11 16:11:32) |
317. ROCK YOU! ロック・ユー!
言いたいことは山ほどあるんだけど、何か、もういいや。ただひとつだけ言うなら、最良のポスト・モダン映画として、みかけの軽薄さとは裏腹にこれほど「知的」な映画はないってこと。アメリカじゃコケたっていうけど、フン、そりゃそうだろ! 9点(2003-06-11 15:58:35) |
318. ロケッティア
ノーテンキなおふざけ冒険ファンタジーのようで、実は海賊映画やスパイ活劇、西洋チャンバラ(?)映画など、往年のハリウッド映画へのオマージュに満ちた、実に実に愛すべき映画。特に、あの伝説の人物ハワード・ヒューズをかくも魅力的に登場させたあたりに、作り手たちの「映画愛」を感じさせてくれる。どこか宮崎駿の『天空の城ラピュタ』に通じるセンスも、なかなかだしね。昔は良かった、的な回顧趣味が鼻につく向きもあるでしょうけど、ぼくはこの映画が大好きです。《追記》うわっ、点数低い~っ! そこまでツマンナイ映画じゃない、と思うんすけどねぇ…。監督のジョー・ジョンストンは、その後撮ることになる『遠い空の向こうに』や、ロボットのデザインを担当した『アイアン・ジャイアント』にも通じる、どこかなつかしい“温もり”がその映画から感じられる。逆にそれがウザかったり、今っぽくないと思われるのかも知れないけれど、CG画面に「人間味」を与えられる彼の存在は、だからこそ現在のアメリカ映画にあってとても貴重なんじゃないか…? と、小さな抗議を込めて8→10に変更しますです。ジェニファー・コネリーだって、ほんとカワユイんだけどなぁ。 [映画館(字幕)] 10点(2003-06-11 15:47:28)(良:1票) |
319. レディホーク
リチャ-ド・ドナ-作品じゃ、最もロマンチックな作品。こういうのを、本物のファンタジーって言うんだろうなあ。中世の香り高い世界の中に、マシュー・ブレデリックのひょうきんキャラだけが妙に現代的で、画面に面白いアクセントを加えているのもインテリジェントだし。あと、リチャード・ドナーは”空を飛ぶもの”を映像に捉える時、独特の才能を発揮します。誰も言わないので、ここで指摘しておきましょう。どうぞご注目あれ。 10点(2003-06-11 15:34:11) |
320. レプリカント
ヴァン・ダム愛好者としては、皆さんの意外(?)な好評価にウルウル。正直、脚本はヒドイものだと思いますが、2役大好きなヴァン・ダムは、ここでも正反対な善悪ヒーローを楽し気に演じております。それに、何と言っても、現代最高の役者のひとりと信じて疑わないマイケル・ルーカーが、本気でヴァン・ダムと演技でタメはっているのにも感動! 確かにB級作品ではあるけど、いいね、いいね!! 7点(2003-06-11 15:25:42) |