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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 823
性別 男性

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341.  ポセイドン(2006) 《ネタバレ》 
「「ポセイドンアドベンチャー」という完成度の高い映画をリメイクなんてしてどうするんだろう。牧師がいなく評判もよくない上に、アメリカでも大コケ。これはさすがに見なくてもよいかなあ」という気持ちも高かったけど、ペーターゼン監督は自分の中ではかなり優れた監督であるということと、こういう映画は大画面と良い音響の中でこそだろうという理由で観てきました。 全く期待してなかったけど、いやぁ…これはいい裏切り方をしてくれた。ペーターゼン監督、脚本、俳優陣、どれも素晴らしい仕事をしたと思う。 転覆シーンのCGの出来がよいだけでなく、CGでは出せないセット内の撮影の迫力も凄い。この両者があいまって素晴らしく迫力のある映像が溢れている。 また、細かいながらもリアリティのある設定や仕掛けに観ているこちら側もパニックに陥りそうになる。とにかく手に汗握る展開の連続で、お金を払って観ても損はない映画だった。やはり「水」を扱わせたらペーターゼンにかなう監督はいないだろう。この俳優達を使って「ポセイドンアドベンチャー」をリメイクしろと言われたら、これ以上の映画は出来ないと思う。 映像の迫力の素晴らしさだけでなく、きちんと人間ドラマも描かれていたと思う。このような自分の命の危機に直面した際には、赤の他人の命を犠牲にしてまでも助かりたいと思うのもある意味では「人間」だと思う。そういう世界は意外と映画では描かれてなかった気がする。だから赤の他人であるマップを蹴り落としたとき、かなり驚かされた。 そして自分の命を省みずに他人の命を救いたいと思うのも「人間」だと思う。自分の愛する者、自分が愛おしいと感じた者を救いたいと願う行動の美しさも同時に描かれていた。人間の「醜さ」と「美しさ」の両者を描くことで、しっかりと「人間」が描かれていた。 自分は有楽町で鑑賞したのだが、映画を観終わった後エレベーターを待っていても自分がいる9Fで止らずに11Fに一旦登ってどのエレベーターも9Fをスルーしていく。どうやら時を同じくして「ダヴィンチコード」の上映も終わったようである。いくら待っていても一向に止る気配がない。「このままじっと待っていては駄目だ」と思った自分は11Fまでエスカレーターで上がって、そこでエレベーターに乗った。満員のエレベーターは当然9Fをスルーしていった。そういう意味で実生活でもなかなか役に立つ映画でもあった。
[映画館(字幕)] 8点(2006-06-05 00:49:34)(良:1票)
342.  ダ・ヴィンチ・コード 《ネタバレ》 
原作が極めて素晴らしいというわけではないが、この映画は原作の持っている「良さ」をかなり失ってしまっている。 原作には「謎解き」の面白さが溢れていると思う。困難な謎が解き明かされるたびに、更なる不可思議な謎が待ち受けているという面白さに加えて、警察の執拗な追跡とオプスデイの不穏な動きがさらにストーリーをよりスリリングなものとしている。 しかし、この映画では肝心の「謎解き」がおざなりにされている。ソニエールが仕掛けた困難な謎が一瞬のうちに次々と解き明かされていく流れには興ざめしてしまう。 極めつけは、自家用機の中で謎の文字が書かれた文書をみつけた際にラングドンが「鏡をもってこい」と一言で片付けてしまっている点だ。原作では、古代文字に精通しているサーリーティービングでもラングドンでも判別不能な文字に両者ともに頭を抱え、行き詰まるところを、その困難な謎をソフィーヌヴーが解き明かすというシーンがある。そのシーンがあることによって、祖父と孫の見えない絆がみえてきて、二人が共にどうやって時間を過ごしてきたかが分かるというものである。この謎解きは、たんなる聖杯探求者では解き明かせないものであると同時に、ヌヴーとラングドンという二人が揃わないと解き明かせないということがよく分かるものである。 それが瞬時に「鏡をもってこい」では、ヌヴーの存在っていったい何かね?という感じになる。一つのシーンを除き単なるお飾りにしかなっていない。 ストーリーを進めることを優先して、ヌヴーに限らずこの映画のキャラクターはほとんど死んでしまっている。魅力ある俳優陣を揃えておきながら、ただセリフをしゃべって動いているだけであり、個性的で心に様々なものを抱えているキャラクターが全く活きていない。これでは誰が演じても同じではないか。例外としては、ヌヴーが自家用機内でシラスをぶん殴ったシーンと、ティービングの最後の瞬間に、その性格や気持ちが現れるのを知ることができる。 とにかく、この映画は原作のあらすじを2時間30分にスピーディーに収めたにすぎず、映画として評価することは難しい。全部描くのなら二部作にするか、大幅なカットが必要だろう。
[映画館(字幕)] 3点(2006-05-21 00:41:24)(良:3票)
343.  グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版 《ネタバレ》 
自分の世界でしか生きれない「男」の不器用さとそんな男を愛してしまった「女」の哀しさが見事に描かれた作品。 確かに、男という生き物は同時に二つのモノを手に入れることはできない不器用な生き物なのではないかと改めて思う。 そして、この映画ではきちんと一方のかけがえのない存在である「愛」を捨ててまでも得たいと思う世界が美しすぎるぐらいに描かれていた。なぜ海に潜るのか、特に説明もないし、そんな理屈などいらない。「そこに山があれば登るように」男たちは海に潜り続ける。そんな理屈では言い表せられない姿が非常に美しかった。また、同じ世界に生き、そして同じ世界を見ることが許された二人のライバルの「友情」も美しかった。 マイヨールがエンゾを海へ葬るシーンとマイヨールがイルカと共に海へ消えていくラストも脳裏から離れることができないほど美しすぎた。 さらに個人的に大好きなシーンは、女の一大事である妊娠をマイヨールに告げようとする際に、ちゃんと聞いてもらおうと思いあえてマイヨールのフィールドである海をその舞台に選んだにもかかわらず、しゃべる前にマイヨールがどこかに泳いでいってしまう姿が非常に興味深かった。二人の生き様の違いが見事に表現されていたシーンであり、あの場面でこの映画は傑作だと思った。 また、最後の深夜の海で発射するロープのようなものをジョアンナに渡し、ジョアンナが「私の愛をみてきて」と言うやり取りをみると、マイヨールも不器用ながらジョアンナを愛していたし、海へと送り出したジョアンナの愛の強さもうかがいしれた。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-06 03:33:19)(良:2票)
344.  ハルク
正直言ってそれほど面白くはないと感じたが、画面分割を多用したり、演出についてはアンリー監督は相当頑張ったなあという感想。 ブルースの父親役の人も良かったと思われる。欠点は脚本かなあ、ハルク誕生までが長すぎる上に、二組の父子の関係や一度別れたはずの二人が愛を取り戻すようなことを描こうとしたため色々中途半端になってしまった。 アクションがメインではないが、爆弾を叩き落すハルクはカッコ良い。飛んでいるような連続ジャンプも中々良かった。
[映画館(字幕)] 4点(2006-05-06 03:11:13)
345.  フォーチュン・クッキー
母と娘、お互いが理解しあうというテーマでは、ありえないように見えてこの設定は非常に効果的ではないでしょうか。母が学校に行くことにより娘のトラブルの元を知ったり、興味あることを理解する。娘は母親の仕事を知りどんな思いで暮らしているのかそして再婚の悩みや不安を感じる。多少、強引でもラストのライブシーンやスピーチなどお互いが理解しあえたシーンはなかなか感動的でした。よく言われているけどやはりジェイミー・リー・カーティスの演技はこの映画にとってぴったりだった。
[映画館(字幕)] 7点(2006-05-06 03:08:26)
346.  エレファント
子ども達の繊細でもろくて壊れやすい様をじっくり描き、「エリーゼのために」が映画にいい影響を与えている。 「ボウリングフォーコロンバイン」では銃社会アメリカに原因を求めたが、本作では子どもたちの繊細な感情を描ききることで原因の一端が何かを示したような気がする。 この映画に答えはないかもしれない、しかし大人たち、社会に何かしらの問題があるのではないだろうか、自分はそう感じる。 このような事件が起きると、一面に焦点を当てて原因を探ろうとする、しかしそれでは物事の本質を見極めるのは難しい。そのような想いを本来の意味とは違うかもしれないが題名と映画から感じる。 
[映画館(字幕)] 7点(2006-05-06 03:07:28)
347.  チャーリーとチョコレート工場 《ネタバレ》 
久しぶりに何も考えずに、肩のチカラを抜いて、2時間弱の時間をたっぷりと楽しめる映画に出会えた。バートン+デップ+エルフマンのコンビが素晴らしい映画を作り上げた。今回の主役は個人的にはエルフマンではないか。軽妙な音楽が映画に素晴らしい彩りを添えた。 それにしても、ワイルダー版に比べて、バートン版がもの凄く甘々な創りになっているのに驚いた。鑑賞前はワイルダー版よりもブラックビターになるのではないかと思っていたからだ。というわけでワイルダー版とバートン版を比べてみたい。ちなみに当方はダールの原作を読んでいません。以下、ワイルダー版はワ版。バートン版はバ版と略する。 ①「テーマ」ワ版は、子どもへの勧善懲悪をテーマに掲げたが、バ版が「家族の繋がり」をテーマに掲げたため、さらにより深みのある映画となった。 そのため、ウォンカ自身の成長も感じられる映画となった。大人が子どもに教えることだけでなく、子どもから教えられることもあるんだと、そういう強いメッセージもバートンは込めているのではないか。 ②「ウンパルンパ」バ版の首長、精神科医などツボに嵌まったが、表情をわざと殺しているため、個性がないのが残念。全てをディープロイに演じさせるのも悪くはないが、ワ版の個性溢れるメンツの方が楽しめた。ワ版の「側転」は必見。 ③「音楽」バ版のエルフマンの音楽は非常に楽しめたが、ワ版は全般にわたってミュージカル調に仕立て上げているのも見事だった。音楽に関してはイーブンという感じ。 ④「キャラクター」ウォンカを演じたワイルダー、デップどちらも良いが、登場の仕方は、よろよろと杖を付きながら登場したワ版の方がよかった。 ジョーじいちゃんは、ワ版の方がよりチャーリーへの強い愛情を感じた。子ども達は基本的にどちらも同じ感じだけど、バ版のバイオレットの母が強烈な印象を受けた。 ⑤「デザイン」工場内のデザインは当時の技術を考えると、ワ版は相当に優れていると思う。しかし、バ版のチャーリーの家のデザインは秀逸ではないか。相当の衝撃を受けた。ラストのオチにも繋がる良いデザイン。 ⑥「その他」バ版は、偽の当選者騒動がよい効果が出ていなかった。ワ版はもうゴールデンチケットはないけど、純粋にウォンカのチョコレートを食べたいという気持ちが、ゴールデンチケットを引き当てたと感じた。バ版はさらっと流したのがちょっと疑問だった。
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 03:06:01)
348.  バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 
ストーリー、演出、役者、アクション、カーアクションどれを取っても素晴らしい。 バートン版ももちろん好きだし、叩かれまくっているシューマッカー版も好きな自分だが、これこそ完璧なバットマンではないだろうか。 ストーリーとしては、正義と復讐の違いを丁寧に描いていると思う。単に銃で撃ち殺すこととバットマンとしての行動との違いが充分に理解できる。 また「闇の軍団」自体が単なる悪党集団ではないところも面白い。彼らにも彼らなりの正義がある。バットマンの正義と「闇の軍団」の正義の違いを考えてみても面白い。 演出としては、蝙蝠に襲われても立ち尽くすウェインには鳥肌モノだった。あのシーンで彼が完全に恐れを克服したと一目で理解できる良い演出だろう。 ラストの聴診器を拾い上げるところも良いと思う。ストーリーの原点に振りかえることで、父母を自分が死なせてしまったという負い目、怒り、恐れも消えうせ、父母に対して自分が誇れるほどの自信をつけたウェインの成長を感じられる良いシーンである。 役者については、クリスチャンベールを見たのが始めてであったが、今までのマイケルキートン他バットマンを演じたどの役者よりも良かった気がする。繊細でかつ、自分の本当の姿をレイチェルには知って欲しいという人間的な部分を感じられた。 他では、マイケルケインとゲイリーオールドマンの役どころとしての比重も厚かったが、存在感も充分厚かった。 アクションについては、多少スピードは速いと感じたが、眼で追えないスピードではない。「ボーンスプレマシー」とは異なり、限界ギリギリのところを見せてくれたと思う。 カーアクションについても好きなところ。クルマがクルマだけに、他の映画のどのカーアクションよりも迫力があった。 ただ、無抵抗の悪人一人殺せないのに「闇の軍団」の真の意図を知ったとたん皆殺しにしてしまうところや、人体に影響のないマイクロ波というのが少し気になる程度だろう。 個人的にはバートン版「バットマン」との繋がりは大切にして欲しいと思っていたが、両親を殺したのがジョーカーでない(注:本作の扱いがオリジナル通り)などはストーリー上、やむを得ないところがあるのだろう。最後には一応繋いでくれたので良しとしたい。 
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 03:05:24)(良:1票)
349.  SAYURI 《ネタバレ》 
この映画を見る前、タイトルは「Memories of a Geisha」かと思って、会長か延さんに一人の芸者についての「記憶」でも語ってもらうのかと思っていたら、「Memoirs(回顧録)」となっていて、タイトルから考えていたストーリーとはだいぶ違う展開だったので、ちょっと出鼻を挫かれた想いがした。 人間ドラマ、ラブストーリーという観点からみると多少モノ足りないかなという気がするが、とてもハリウッドの監督が作ったとは思えない素晴らしい美意識の高さ、日本の古き美に対する憧憬が感じられる素晴らしく美しい映画に仕上っている。 日本人監督が作るのとは違う日本の美しさを感じさせる映画となっているので、この試みは成功だったのではないか。 この時代や芸者については、自分はそれほど知識がないためか、時代考証については全く 違和感はなかったと思う(違和感があるとすれば字幕の問題か)。 しかしながら、人間ドラマ、ラブストーリーはモノ足りないと感じたが、これこそまさに「日本人らしさ」が描かれたためではないかと思う。 延さんは、自分が好きな女がいても、その感情を自分の奥底に押し留め、最後の最後まで表には出さない。どんなに金があっても、自分の好きな女を金で買うことなんてしない。権威も利用しない、金を失って一人の裸の男になったときになってようやく、自分の気持ちをさらけ出すことができる。まさに「侍」的な気質が描かれていた。 また、会長についても同じく、自分の気持ちを押し留め、恩を受けた相手(延さん)に対する気持ちを察して、恩を受けた相手を裏切ることはできずに、逆に譲り渡そうとする日本人的、侍的な精神がしっかりと描かれていたような気がする。 そのため、自己主張しない男同士によってラブストーリーは影を潜めて、人間ドラマとしての女同士の争い、一人の女が自分の気持ちを叶えられずに、他の芸者同様、女としてではなく芸者として生きる決意を固める(ハンカチを海に投げ入れる)までが中心になったような気がするが、男同士の影のやり取りが見て取れるのも見逃せないところだと思う。 ラストの締め括りは、個人的には賛否あり微妙だなとは思うが、あれで良いのかどうかは今のところ結論は出せずにいる。
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 03:04:45)(良:2票)
350.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 
予告編で結論等は予想できてしまうが、中身は予想を大幅に越えており、大満足の映画に仕上がっている。 多少強引なバタフライ効果(母の肺ガン、エヴァンによるトミー殺し)もあるが、脚本自体の穴はそれほど目立たないと思う(子どもの頃に書いた殺人の絵と冒頭のメモ書きを除く)。 個人的に一番気になったのがラスト。 通りでエヴァンとケイリーがすれ違うところがラストであるが、彼女を振りかえらせる必要はなかったのではないかというのが個人的な感想。ましてや本人も振りかえる必要もない。 自分が演出家ならば、キャリアウーマンの彼女よりも、母親にでもなって幸せそうに家族で歩いている彼女を見せたい。当然エヴァンを見ても何も気付かないケイリー。そして一瞬立ち止まり、喜びと哀しみが入り混じった複雑な表情を見せて再び歩き出すエヴァンでラストという感じの方がこの映画の趣旨に合っている気がする。 製作総指揮まで務めているのだから、アシュトンにも高い演技を要求しても良いだろう。とにかくラストはあのままで良いとしても、表情はもうちょい工夫が必要だろう。 そして、この映画のテーマとしては「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」というものがあるとは思う。 確かに、娼婦に身を落したケイリーとカフェで二人で語るシーンや腕を無くしたときにベンチで二人で語るシーンがあり、脚本としては充分に盛りこまれていると思う。 しかし、上記のテーマが観客の心に触れるほどには至っておらず、少々演技が足りないと感じる部分はある。この二箇所は重要なポイントなのでもうちょい重めに描いて欲しかった。 また、この映画の重要なキーアイテムである日記については、扱いが多少雑なような気がする。ベッドの下をごそごそと漁ればすぐに出てくるような軽いものにして欲しくなかった。現在の状況を変えたいと思い立ってすぐに「現在」を変えてしまっては面白くない。 刑務所での出来事のようにすぐに変えられない状況をそれぞれのエピソードにも盛りこむという仕掛けが用意すればさらにストーリーに動きがつき、面白くなると思うのだが。 色々と言いたいことは書いたが、この映画自体には興奮させられたのが率直な感想。 
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 03:03:35)(良:3票)
351.  ロスト・イン・トランスレーション
ストーリーは特段大きな出来事はないけど、アメリカから日本にやってきて、知っている人も誰もいない世界で、話している言葉も生活も違う暮らしの中で一人孤独を味わう。  翻訳という会話の中に失われていく言葉があると共に、家族との会話の中にも行き違いやコミュニーケーション不足からどんどん言葉が失われていく。  孤独の中で自分自身や家族との生活に行き詰っている自分と向き合うことになる。 同じ境遇にいる人と出会い、お互いが支えあいながら、東京に来たことで、今までとは同じように見えて違う道を歩んでいくチカラを与えてくれた。  そんな成長をユーモアたっぷりの優しい視線で見せてくれた本作はやはり評価に値すると言っていいだろう。  アメリカ人から観た我々が気づかない東京、日本を描いているのも興味深い。 普段、気づかなかったけど、外国の人はこんなことを不思議がっているのかが分かる。
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 03:02:56)
352.  デアデビル
心にも肉体にも痛みを知る最弱のヒーロー。 うじうじした感が全くヒーローらしくないが、逆に気に入った。  オープニングクレジットを点字にしたり、随所に見せるセンスのいい映像が良かった。レーダー映像や雨のシーンだけでなくよく見ると中々全般的に良くこの監督はイイモノを持っている。 「父さんが見えない…」と言ったようにセリフにも中々良さを感じた。  またキャラクターに目を向けると、公園でのやつららしいいちゃつき方をしたベンとジェニファーのバカップルっぷりやブルズアイのいかれっぷりもユーモアや魅力があった。 ブルズアイとの死闘も結構見応えがあった。 戦いだけでなく、愛、友情、父親との関係など描くべきものはちゃんと描いていた。 正義とは何か?自分がやっていることは果たして正義なのか悩み苦しみながらも、復讐をしても悲しみは消えないとジェニファーに語ったセリフは自分が自分に出した答えだったんだろう。 だから最期のトドメは差さなかった。 街を救ってたつもりが、恐れも希望も無い自分が全く救われてなかった、でもジェニファーによって救われたと結んだラストはヒーローモノとしてはカッコイイ終わり方だろう。 これによって自分を信じ、正義を信じることが出来たんだから。 続編とかは見たいけど、スピンオフは見たくない、ジェニファーはどう考えてもブサイクだろう。
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 03:01:33)
353.  RENT/レント 《ネタバレ》 
クリスコロンバス監督の作品は見たことないけど、子供向けの作品ばかりで特に見なくてもよいような映画ばかり撮っている人だなという印象しかなく、この人に関しては全く良い印象がなかった。 また、アメリカで大コケしたミュージカル作品ということで、全く期待はしていなかったのだが、予告編でみせたキレのある歌声の迫力に押されて、ミュージカル映画は映画館でしか見る価値がないだろうと思い映画館に赴いてみた。 結論からいえば、これはなかなか素晴らしい作品ではないだろうか。正直映画館で観れて良かったと言わざるを得ない貴重な作品。 ミュージカルについては詳しくはないけれども、この映画はミュージカルというよりもアメリカのミュージックビデオのノリに近いような印象を受けた。というのも、あまりにも場面や流れとはかけ離れた歌い続けるため、違和感を覚える人もいるだろう。 自分は子どもの頃からミュージックビデオに慣れ親しんでいたので、特に違和感なく入りこむことができたけれども、あまりミュージカルやアメリカの音楽に慣れ親しんでいない人や、ストーリー重視の人だと受け入れにくいのかもしれない。 音楽の洪水に酔いしれるだけではなく、意外と重苦しいテーマも良かったと思う。 大半がエイズ患者である本作の登場人物が、見い出せない未来を嘆くのではなく、その日その日、まさに「今日」という日の1分1分という「時」という炎を通常の人達よりも激しく燃やしている「熱さ」を感じる。その「熱さ」を分かち合える友情と愛情も見応えが十分だ。特にコリンズとえんじぇるの二人の表情を「エイズ患者」なんだという設定で注意深くみると泣けてくる位、明るい表情がとても印象的だった。 しかし、この映画は二点問題があると指摘したい。 1点目は100%私的なことだが「モーリーン」役の人の「声」が生理的に受け付けなかった。「声」が受けつけないものだから、キャラクター自体に嫌悪感を覚えてしまった。彼女の役が別の誰かだったらともっといい作品になったであろうと思う。 2点目はラストの「ミミ」の取り扱い。これをやられると、冒頭に触れた通りやはりクリスコロンバスは子供だましの映画しか撮れないのだなと思ってしまう。 以上のような問題もあり大コケした理由が分からなくもないが、このような作品は是非映画館で堪能して欲しいと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2006-05-06 03:00:57)
354.  グッドナイト&グッドラック 《ネタバレ》 
この映画の主題である「赤狩り」は、エリアカザン監督のアカデミー賞名誉賞受賞の際にも問題(「赤狩り時代」に仲間を売ったとされ、表彰時にブーイングが浴びせられた)になったが、今なおハリウッドに影を落とす問題である。この映画を通して、その歴史の一端を学ぶことができる点では評価できるかもしれない。 しかし、確かに歴史的に非常に価値ある映像はみせてもらったとは思うが、どうにも物足りなさも覚えた。 この映画では「赤狩り」の首謀者であるマッカーシー上院議員を糾弾するという趣旨は全くないため、比較的客観的・中立的な立場から描かれていると思われる。 そのためか、いまいちエド・マローの内面やその葛藤、苦悩をうかがいしることができなかった。 また、この映画を通して、「表現の自由」とは、「報道の自由」とは、「思想の自由」とは、「国家による思想の弾圧に対するメディアの在り方や我々自身の対応」とは、など色々と考えられるテーマが散りばめられていると思うが、あまりそれらを考える手がかりにはならなかったと思う。 一言でいいあらわせば、映画をみたというより、歴史の勉強をしたというのが正直な感想であった。
[映画館(字幕)] 5点(2006-05-04 23:36:22)
355.  ジャンヌ・ダルク(1999) 《ネタバレ》 
ジャンヌの描き方がなかなか奇抜ではないだろうか。制作者サイドが込めたものとは違う見方かもしれないけど、この映画のジャンヌは「神の贈り物」でも「神の声を聞く使者」でもなくただの「狂信者」として描かれている点が特筆すべき点だろう。信心深い一人の少女が、姉の死を目の当たりにしたために、潜在的にイギリス軍を目の敵にしていったことから、自分の「声」を「神の声」と勘違いしていったのではないか(ダスティンホフマンがミラに対し「見たかった事を見た」に過ぎないといっている)。その役どころを知ってか、知らずか、その狂信ぷりを見事にミラジョボビッチが演じきっている。 また、捕虜になった後のダスティンホフマンとのやり取りも見事だ(ダスティンホフマンが「ジャンヌダルクの良心」という設定はよく分からないので、彼の役どころをそれこそ「神」という設定に置き換えてみている)。 ホフマンとのやり取りの中でジャンヌのことを「利己的」で「無慈悲」と言いきっている点が面白い。「利己的」とは、まさに「神の声」を聞いたと勘違いし、なにもかも自分のよい方向に解釈している点にある(まさに大地にある剣を神から貰ったと解釈している点など)。「無慈悲」とは、その「神の声」を良いように解釈し、無意識のうちに自分の姉の復讐をするために、多くの人たちの血を流させている点にある。オルレアンを奪回し、特段もう戦う理由もないのに、パリへ戦禍を拡大している点も挙げられる。 さらに、自分のために他の兵士は剣を振るって戦っているのに、自分は殺したくないと旗をもち、捕虜を指輪で買収するに至っては、「利己的」かつ「無慈悲」といわずなんと言おうか。 しかし、このような「利己的」で「無慈悲」であるジャンヌに対し、「神(ホフマン)」は、本当の信仰心を試し、罪を認めさせることによって、ジャンヌの罪を赦し、魂を救うというラストを与えている。このシナリオには驚いた。かなり斬新かつ素晴らしいといえるのではないか。 逆に勿体無いのが戦闘シーンである。当時の戦闘が稚拙であったことをわざと描いているのかもしれないけど、あの程度の城攻めなどは手ぬるすぎる。戦闘シーンなどがより迫力あるものとして描ければ、本作がレオン等と並び傑作の仲間入りできた可能性もある。ただたんに首や手や足をふっとばして残虐シーンを描けばよいというものではないのは言うまでもない。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-02 21:08:51)(良:1票)
356.  Vフォー・ヴェンデッタ 《ネタバレ》 
この映画をみて、「板垣死すとも自由は死せず」という言葉を思い出した。 奇抜な仮面やナイフアクションにも目を奪われるが、「自由」や「正義」について真正面から問いた、かなり骨太の作品。 アメリカを植民地化したり、イギリスが独裁国家になっていたりと、映画では大げさに描かれているかもしれないが、偏向的な情報操作などある意味ではあり得ない世界ではないかもしれない。 政治的メッセージの強さだけでなく、もちろんラストのアクションも見応えがあり、それだけでなく、ラブストーリー的な要素や、同性愛などの差別、メディアの在り方等も散りばめられた、かなり深い作品となっていると思う。 どういう社会であれ、その社会を創りあげた責任は個々人にあり(「誰がこんな社会にしたのかは鏡をみるべき」)、社会を変えるのも一人のヒーローの力ではなく、個々人の力によらなくてはならないという当然だけど力強いストレートなメッセージには単純に惹かれた。 また、「V」を具体的に描くのではなく、象徴的な存在として描かれているのもよい。「V」とは一人の男でも、無敵なヒーローではなく、社会を変えようと思うすべての人が「V」なのだから。
[映画館(字幕)] 9点(2006-04-24 02:02:12)(良:1票)
357.  プロデューサーズ(2005) 《ネタバレ》 
観終わった後、他の観客から拍手が溢れていたり(有楽町の日劇)、ここでも結構評判よくいいようですが、自分には全く面白さを感じられなかったな。 下ネタが嫌いなわけではないし、下らない笑いが嫌いなわけでもないけど、コメディ作品なのに全く笑えないし、最後が心が温まるようなものでもなかった。 笑えるシーンの唯一の例外としては、獄中にいるネイサンレインが「あの野郎!俺の過去まで奪いやがった」と怒るシーンくらいかな。 ミュージックシーンでも会計士のシーンくらいしか目新しい感じのはなかったし、楽しめた人には申し訳ないが、ただ単に騒々しいだけの映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2006-04-23 03:50:45)(良:1票)
358.  ムーラン・ルージュ(2001) 《ネタバレ》 
音楽のチカラは偉大だと感じた。 あまり馴染みのない古典的な音楽を用いることよりも、時代感を無視して馴染みのある音楽を用いた「挑戦」も大きなプラスに出たと考えてよいだろう。 さらにバズラーマン監督の独創性に溢れた映像美も素晴らしかった。 しかし、なぜかこの映画に対して緊張感が感じられなかった気がする。 本来ならば、①映画の中の劇中において、サティーンは公爵に指示されたようにラストでマハラジャを選ぶのか。それとも公爵を無視して貧乏なシダール弾き(実際のクリスチャン)を選ぶのか。 ②サティーンを巡るクリスチャンと公爵の激しいやり取り、嫉妬、憎しみ。 といった緊迫感を得られても良かったはずだ。 なぜ、このような緊迫感が得られなかったかというと、冒頭でほとんどが種明かしされているからではないだろうか。 冒頭においてクリスチャンは生きており、サティーンは死んでいるということが明かされてしまっては、あとはただ単に確認するだけのことになってしまう。 よく映画では、冒頭とラストがくっつくような手法が取れられているが、この映画においては、あのような冒頭は不要というか、蛇足に過ぎない。むしろ映画の良い部分を壊してしまってはいないか。 また、サティーンの「病」というのも、何らかの古典がベースになっているのかどうかは分からないが、あまりよろしくない要素の一つだ。「もう病が進行しており助かりようがない」と観客が分かっていれば、当然サティーンが死んでも観客は驚きはしない。あれでは悲しみも半減だろう。 この映画が「愛」について描きたいのならば、むしろサティーンはクリスチャンを公爵からかばって死んだとした方がよいのではないか。究極の「愛」とは自己を犠牲にしてでも相手を守ることではないか。 だからこそ、冒頭でクリスチャンが生きていることが分かっていれば、ラスト間際にクリスチャンに公爵の魔の手が差し向けられたとしても緊迫感がなく、また、サティーンの病死に対しても「愛」のために殉死したと思えないのではないか。病死では、貧しくても幸せという「愛」を選んだ二人に訪れた悲劇という共感を覚えない。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-09 20:01:51)(良:1票)
359.  ファンタスティック・フォー [超能力ユニット] 《ネタバレ》 
悪くはなかった。しかし、あまりにも無難な映画に仕上りすぎていて、全くと言っていいほど満足感を味わえない作品になっている。 アメコミであってもスパイダーマンやバットマンなど、歴史に名を残している作品がある中で、この映画には「野心」というか、「冒険心」のようなものが全く感じられない。 映画会社から、大ヒットしなくていいから、コケない映画を創ってほしいと頼まれれば、このような映画になるだろう。映画ファンのためではなく、映画会社のために映画を創ろうとすれば、このような味気ない作品になるのではないか。 とにかく、適当にバランスよく、アクション、笑い、ラブストーリー、友情、エロ、SF、次作への期待を適度に細切れにして混ぜこんで、過度な暴力的描写(銀行の役員に風穴を開けたくらいの例外あり)を避ければ、ファミリーも楽しめるだろうくらいの感覚でしかない。あとは既存のアメコミなどから演出を似せれば、この映画のでき上がりだろう。したがって、まるで新鮮味がない。 アクションや適度な笑いで楽しませることは必須であるが、色々と余計なことを考えてしまい行動にうつせない科学者(=現代の若者)や、人と違うことに対するコンプレックスに苦悩し自信がもてない主人公(=現代の若者)の内面の変化という面にもさらに描きこむことはしないと、そのうち子どもからも愛想つかされてしまうのではないか。
[DVD(字幕)] 5点(2006-04-09 19:56:04)
360.  セルラー 《ネタバレ》 
テンポは良く、確かに良作だとは思うけど、それほどはハマれなかったかなというのが正直な感想。(テンポがよく見えるのは、ただ単に主人公の要領が悪いだけなのかもしれない…。) この映画はDVDでチマチマ見るよりも大画面の劇場で見た方がいいかもしれない。 一点、個人的にもったいないかなと思うのが、ラストのオチ。 犯人が捕まった後に「(ビデオを壊しているために)証拠がないだろ」と主張しているのに対して、主人公が「携帯で既に録画済みだ」という反論をしていたと思うが、キムベイシンガー家族三人が生き証人としていたり、メイシー刑事もいるわけだし、動脈を切られて死んだり、メイシー刑事に捕まった悪徳警官がいる中では、携帯録画はあまり有効なオチとしては機能していない気がする。 むしろ、このネタは、ラスト間際で主人公が悪徳警官にギリギリまで追いつめられたときに用いると効果的なネタであって、全て事件が落着してから明かすネタではないと思う。 ビデオを壊され証拠もなくなり、あとは邪魔で目障りな主人公を殺すだけというときになり、無防備の主人公に銃口を向けた際に、実はもう一つ奥の手があったという流れの方がより効果的だろう。 なおかつ、データを既に複数の者に送信済みで、実は世間にはもう知れ渡っているという方がネット社会の便利さ・怖さに対してもさらりと触れることもできるのではないか。 後は逆上した犯人と乱入してきたメイシー刑事とが撃ち合いに入ってもらえればよい。 最後の着信音で相手の居場所を特定させるのはベタだけど、この題材を扱っていることを考えればよい結末だろう。あれには素直に好感を得た。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-09 19:45:44)
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