21. マルタの鷹(1941)
能ある鷹は爪を隠す、というか、静かに秘められたものが最後に噴出する快感。鷹だけに。 6点(2004-09-07 04:26:21) |
22. ナチュラル・ボーン・キラーズ
殺人を犯した小学生をネット上でアイドルとして祭り上げる。 日本の今の現実として、この映画を笑えない状況が間違いなく存在する。 「人が人を殺してはいけない」なんていうのは肉食の人間が勝手に作り出したルールだけど、俺らは人が死ぬ痛みを知っているわけで、牛や鳥の死体をガッツいて喰いながらも人が死ねば涙する。 けどその痛みの感覚を失った、あるいは麻痺した、もしかしたら生まれた時から持っていなかった人間にとっては、ムカつく人を殺すなんてのはナンテコト無いのかもしれない。 やっぱり幸せな家庭をつくって、そこで育つべきなんだよ。そしたら家族を失うことの、人を失うことの痛みが分かるだろうから。 人殺しは映画の中だけで充分。これ、薄っぺらく聞こえるかもしんないけど、俺は大マジなんで。 6点(2004-09-07 04:22:31) |
23. ターミネーター3
シュワちゃんが出る最後の「ターミネーター」になるのかな。ジョン・コナーがなぁ・・・ 6点(2004-09-07 04:19:34) |
24. ミスティック・リバー
傑作との誉れが高いこの作品。繊細で緻密、残酷かつ優美な物語。「語らずして語られる」3人の25年間。黄昏どきの空のように淡く、もの悲しく、しかし美しい映像。静かだが胸に響く音楽。そして完璧としか形容し得ない俳優の演技。劇中のどの一瞬を切り取ったとしても「傑作オーラ」がぷんぷんと漂う作品。だがそれゆえに、なんだか自分はひどく疲れてしまったのである。簡単に言ってしまえば大人の映画、ということなのでしょう。 追記:背景が白くて字幕が読み取れない、ということがこの映画に限らずあります。その辺ちゃんと考えてくれよん 6点(2004-09-07 04:18:11) |
25. サンセット大通り
『何がジェーンに起ったか?』を最近観たこともあって、往年の大女優の晩年の悲劇がずしりと身に染みる。久々に映画を観て嫌な汗をかいた、グロリアさんのラストの狂気。サスペンスというよりホラー。きっとアカデミーの会員は恐ろしすぎて賞をあげるのをためらってしまったのだろう。執事は気味悪く、偏屈し、不気味であるが究極の愛。主人公のジョーはどう見ても売れない脚本家というより映画スターだが、死体の回想という物語の構成は見事。つまるところ、『何がジョーに起ったか?』。 6点(2004-09-07 04:17:53) |
26. ズーランダー
あ~あ、バカバカしすぎてレビューなんて書く気になんねぇや。 6点(2004-09-07 04:14:36) |
27. トラフィック(2000)
《ネタバレ》 麻薬という根っこで支えられた、アメリカという世界一の大木。その根の広がりの複雑さ、地中にめり込んだ深さにはただ絶望を感じるしかない。しかし、それでもラストの照明からは温もりを感じる事が出来る。分かっている、それが何の解決にもなっていない幻の光だという事を。だがしかし、希望の無い未来に光が無いという事もひとつの真実だから。 9点(2004-09-07 04:08:34)(良:1票) |
28. ビューティフル・ガールズ
側にいてくれる人の大切さ、というのは出会ってから時間が経つにつれて忘れがち。最初は「流れ星を見たように」夢中になっても、次第に側にいることが当たり前になって、その幸せになかなか気づくことができなくなっていってしまう。どんなに恋で傷ついてもまた誰かを好きになる、不思議な生き物であるヒト。愛することの喜びがあふれている映画、いいなぁ、と思ってちょっと寂しくなる。 7点(2004-09-07 04:07:58) |
29. スミス都へ行く
生まれたときは真っ裸の人間も、歳を重ねるにつれ濁っていってしまう。たとえ本人が望んでいなくとも、この空気の悪い社会の中では。金権政治、スキャンダル、汚職事件、圧力団体、あっせん、鉄の三角関係・・・。これらの言葉は、実際にいま日本の高校の教科書に載っている言葉である。自分達高校生は学校で、日本の政治の黒い部分を学んでいるのである。居眠りを続け、野次を飛ばしあい、スキャンダルばかり報道される日本の政治家に何を期待すればいいのだろうか?自由にものを考える事が出来、自由にものを言う事が出来る。今となっては当たり前の事だが、この自由がどれだけ困難な戦いの末に勝ち取られたものなのか、どれだけ尊いものなのかをスミスは教えてくれる。もっと自覚をもって大事にしなくては先人の方々に申し訳が立たないじゃないか。すべての政治家の方々に是非ともどうしてもこの映画を観て頂きたい。信念を持ち続ける事が想像以上に困難だということは分かるが、しかし信念がなくてはどうにもならないだろうから。 7点(2004-09-07 04:06:14) |
30. イギリスから来た男
《ネタバレ》 やはりソダーバーグ監督の映像テクニックはこういうシンプルで短い物語で活きる。時系列を追ってしまえば何の変哲も無い平板なストーリーであったろうものを、ここまで入り組ませ魅力的にしているのはさすが。無機質でクールな映像、乾いた暴力と銃声。その中で浮かび上がる主人公の強烈な怒りと愛情。娘の蒼い記憶。男はイギリスからやってきて、自分は見ることのできなかった娘の空白の時間を、そして彼女が確かに持っていた愛情の温もりを感じ、帰っていく。激しいバイオレンスとのコントラスト。カッコいいだけじゃねぇ。胸に染みるゼ。 7点(2004-09-07 04:05:39) |
31. リオ・ブラボー
あのじいさんは最高のキャラですね。こんだけシンプルなストーリー、分かりやすさ、だけど2時間20分退屈させない。昔の西部劇もいいなぁ。 最近のハリウッド製アクション映画というのは、制作費の高さやCGのクオリティというものと面白さを履き違え、観終わった後にすぐ忘れてしまうものが多すぎる。もちろんそれらを否定するつもりは無いが、アクション映画の面白さって言うのはそんな上っ面だけじゃない。ギターを弾きながら皆で歌うシーンの素晴らしさを見ると、そんなことを思わずにはいられないのである。 7点(2004-09-07 04:01:52)(良:1票) |
32. デッドコースター
《ネタバレ》 ラスト、「絶対まだ何かあるぞ」って思ってたらやっぱあった。前作は未見だが、これは面白かった。幽霊とか化け物を見せて怖がらせるのではなく、最後まで死神は出てこない。それが逆に恐ろしい。 人が死ぬ場面ではニヤリとしてしまう自分ってちょっとヤバイかな・・・。 7点(2004-09-07 04:01:24) |
33. スティング
騙されるコトに快感を覚える、唯一の生物ヒト。何とも不思議だ。 7点(2004-09-07 03:58:46) |
34. マスター・アンド・コマンダー
穏やかで美しいかと思えば地獄のように壮絶な一面も見せる、果てしなく広がる大海原。そんな海の上でサプライズ号の面々の可笑しな会話と感動的な友情に触れているうち、自分も乗組員になったような楽しさを感じることができる。猛り狂う大波の中、真横に傾く船の姿に手に汗握り、サーベルを抜いて戦う船長に心が踊る。そうだ、海は男のロマンなんだっ! それにしても艦長は頼りになるし、腕も立つし、情にも熱いし、優しいしで素晴らしいお方。とても暴力沙汰ばかり起こしている問題児が演じているとは思えないんだよなぁ。 追記:「あなたは教えてくれた。愛する者のために、一人の戦士になることを・・・」なんてキャッチコピーは謳っているが、そんなシリアスな映画では全くない。もっと明るく楽しい作品なので配給会社は詐欺だ。 7点(2004-09-07 03:57:36) |
35. 現金に体を張れ
《ネタバレ》 「悲劇=喜劇」の証明式。映画史上最高の茫然自失。へにゃにゃ~ 8点(2004-09-07 03:56:57) |
36. チャイナタウン
《ネタバレ》 なぁ、まだ終わらないでくれ、まだ何かあるんだろ?ニコルソン、最後に一撃をかましてくれよっ。おい、どこ行くんだよ、このままじゃあの娘はどうなるんだよ!?ほら、そっちじゃねぇよ、あぁ、エンドロールなんて流すんじゃねぇよ!あぁ、あぁ・・・ 7点(2004-09-06 04:30:06)(笑:1票) (良:2票) |
37. さらば愛しき女よ
いい。渋い。味がある。街のネオン、切ない音色、小気味好い台詞、気怠い私立探偵。雰囲気じゃない、引き込まれる物語と鮮やかな真相。いい、ホントに。俺もこんな風に歳をとろう。いつも冷静に、余裕たっぷりに、だけど正念場では抜群の判断力を発揮して。洒落た映画だ。夜中に一人でこの映画を観る俺も洒落ているだろう。途中で挫折した原作も読み返してみるか。 8点(2004-09-01 03:39:09) |
38. 華氏911
《ネタバレ》 監督が語っていたように、「事実を恣意的に組み合わせて表現した意見」だ。「正しいか間違っているか。判断は観客に任せる」。鵜呑みにせず、一歩引いて鑑賞したい。だが、この燃える怒りに体を委ねざるをえなかった。 多くの政治家に取って戦争は”他人事”なのだろう。あるいは金儲けで、どれだけの人が死ぬかは二の次だ。息子を軍に入れている議員が一人というのが象徴している。アメリカのように経済格差の大きい国で、平等を唱えること自体おかしい。自分は左じゃないが、資本主義の歪みを見せつけられた気分だ。監督の狙い通りにブッシュをホワイトハウスから追い出したところで、変わらないだろう。映画の終着点がブッシュではなくこの社会であったことからも、深刻さを痛感する。 ただその怒りを考えると、また矛盾にぶつかる。自分自身だ。自分は徴兵制度の無い国、平和な街角で、映画を観、メールを打ち、クーラーの中で暮らしている。そもそも戦後日本が急速な経済成長を遂げた要因の一つに、朝鮮戦争での特需景気がある。当時の経済への影響と現在のそれとでは違いがあるとはいえ、もはや国の経済的な発展と戦争は切っても切りはなせない関係だ。自分の恵まれた日常が戦争の利益によって成り立っている。そう考えると、複雑な世界、絶望感に打ちひしがれる。 鑑賞から一週間が経つ。レビューをこんなに悩んだのは初めてだ。以来、イラク戦争はもちろん、以前より数倍注意深くニュースを見ている。これだけで、この映画を観た価値は十分にあった。無知は弱みで、無関心は罪。 「ぼくたちはいつしかなれっこになってしまっている。事実は絵空事となりテレビこそが現実となる。今も数えきれない人々が泣き叫び、ぼくたちが食べたり飲んだりしているうちに、彼らは明日にも死んで行く」 「もし世の中の人の苦しみに一々足を止めていた日には、人は生きてゆかれないだろう。どんな幸福も、他の人の苦悩を食って生きているのだ。」 空爆、市街戦、自爆テロ。日々送られてくる何十、何百、何千、何万という犠牲者の数。その一人一人が歩んでいた尊い人生。その一人一人の死を嘆く数えきれない人々。その悲しみの深さを想像する事。決して膨大な数に、感覚を麻痺させない事。そして初めて俺は、自分が置かれたこの恵まれた状況を、愛する人と自分を愛してくれる人と、この幸福を噛み締める。 8点(2004-08-26 16:09:49)(良:4票) |
39. U2/魂の叫び
『Sunday Bloody Sunday』で”革命なんてファックだ”と叫び、続く『Pride』で大観衆と合唱。 凄い、ライブでもスクリーンでもないテレビ画面なのに、迫力とパワーに圧倒され、興奮する。 考える事は誰にでも出来る。知ろうとする事だって誰にでも出来る。だけどその先、実際に行動に移れる人間というのはそう多く無い。 Bonoはその活動により、テロの標的リストに名を連ねていたそうだ。 彼らはまさに命をかけて、その魂を叫び続ける。命がけだからこそ伝わるものがある。 『All That You Can't Leave Behind』でU2を初めて聴いた自分にとって、この映画はクラシック。昔のU2はCDでしか知らない。 確かに『POP』と『War』ではビックリするぐらい音楽が違うが、どちらも同じぐらい好きだ。 変化とは前へ進む事であり、変化を恐れる者は進む事が出来ない。 命をかけて自らの意思を貫く事、口では言えても実際にやり抜く事の何と困難なんことか。 その音楽、その生き様、Bonoは自分が最も尊敬する人間の一人。 8点(2004-08-21 23:40:07) |
40. キング・アーサー(2004)
この映画のキーラ・ナイトレイが、ハリウッド娯楽大作の現在を良くも悪くも象徴しているように思う。まぁ七割ぐらいが「悪く」なんだけど。 3点(2004-08-21 23:39:36) |