21. ラッキーナンバー7
《ネタバレ》 不勉強のため、これだけ豪華キャストの映画の存在を知りませんでした。 ちょうど仕事がめちゃくちゃ忙しくて毎月残業3桁時間が年単位で続いてた頃の映画なんでしょうがないかな、と思いつつ… たまたまテレビでやってたのを観たわけですが、非常に手堅くまとまった巻き込まれ系サスペンス系映画だと思いました。 しかしあまりにも手堅すぎるため「冒頭の競馬八百長の前フリは何なの?」と気になるとそこから「それから20年…じゃ多分こいつがそのとき生き残った子供とかでこいつらが胴元で…」と容易に想像できるわけで、しかも結局「まさにそうだった」というオチだったので…子供の頃スティングを初めて見たときの残念感を思いだしてしまったわけです(スティングは初見時のクライマックスでオチが読めちゃったんですよね。おかげでがっかりの記憶しかない) まぁ今見ると、ジョシュハートネットとかルーシーリュウとか2000年代前半に一時的に人気が出た人たちがメインを張っててそういう意味で時代を感じて面白かったですけどね。 あと見落としかもしれませんが、結局殺し屋はなぜ子供を殺さなかったの?気の迷い? もう一点、邦題は「スレヴィン」を似た語感の「セブン」にわざわざ置き換えてるんですが…これはなぜなん?? [地上波(吹替)] 6点(2022-06-29 11:04:20) |
22. クレイジーズ 42日後
《ネタバレ》 まず「この邦題はどうなんだ?」というのは配給サイドに強く言っておくとして… 感染症が発生しマンションの部屋に閉じ込められ…という一種のソリッドシチュエーション系のゾンビ映画。 まぁゾンビ系でどこかに閉じこもって暮らすというのはほぼ必須のシチュエーション。状況を考えれば生存者はどこかに隠れ住むしかないわけで、そういう意味では王道のシチュエーション(のバリエーション)だと言えます。 ゾンビではない異星人系ではスカイラインなんかもマンション閉じこもり系ですが、いずれにせよ戸建てよりはマンションの方が確実にこういう事態への防御力は高く、非常事態を考えるなら絶対にマンション住みしかない!と不動産購入時の参考にもなる映画です…多分。 さて本映画、ストーリー展開は非常にオーソドックス、起承転結の転に当たるドナルドサザーランド事件のときにてっきり彼女が助けにくるかと思ったら、独力で助かったのは予想外でしたが、それを除けば非常に予定調和の展開のままラストを迎えます。というか、もう一展開あるかと思いきや、あ、そこで終わっちゃうの…って感じはありますが。 手堅くまとまっている分ハズレではないのですが、一方で特別に褒める要素もあまりないため誰が点をつけても大半が5~7点に収まるそんな映画ではないでしょうか? 同脚本で同時期並行製作されたらしい韓国版の方は観てないのでなんとも言いようがありません。 ところで冒頭、主人公とベッドを共にしていた女性、そのあと感染してこっそり出てきたりしたんですかね…動向について劇中で全然語られない気がしますが彼女は何?ワンナイトラブ?あまりにも扱い悪くないですか? 実はちょいちょい話題に出てくる妹とかいうオチだと笑えるんですが… [インターネット(字幕)] 6点(2022-06-26 22:18:15) |
23. 赤ずきん
こういう「真面目に作ってるんだろうけど、ただつまらない」映画ほど困るものはありません。 確信犯的なB級映画とか、悪ふざけが透けて見える映画とか、何かを狙ってるんだけどそれが失敗してる映画とか、作家の主義主張が透けて見える映画とか、そういうのはそれなりに評価のしようがあります。 しかし本映画のように「多分真摯に娯楽映画を撮ってるんだろうけど、それがただつまらない」映画ってどうしていいかわからないんですよね。 なんかあまり悪くも言えないし…でもつまんないし。 そういう意味で非常に評価がしづらい映画なんですが、でもつまらない事実だけは覆しようがなく点数は低くしかなりません。 これでセクシー要素でもあれば個人的に加点してもいいんですが、セクシーに限らずほんとに何の加点要素もなくてですね…困った困った [インターネット(字幕)] 4点(2022-06-26 19:47:31)(良:1票) |
24. トイ・ストーリー4
トイストーリーシリーズは、個人的にはあまり刺さらないシリーズで、PIXERのアニメの中では「中の中」くらいの出来のシリーズという評価です。 当然、シリーズに思い入れもないので、一部で話題になった「4はトラウマ」みたいな話は(理由はネットで読みましたが)理解できません。 個人的には3も4も(1も2も)面白さとしてはだいたい同じくらいでざっくり7点前後の作品群です。 またウッディが仲間の元に戻っても「いつまで同じ事やってるの?」という話にしかならないし、製作サイドがここらで路線変更するのはまぁ当然かな…と個人的には思いました。 大人になると子供の頃と言ってる事が変わるのは良くある話だし。 以前「結婚するまで処女でいる」と宣言していた純愛指向の知人女性がいたのですが、彼氏にいろいろ教えられてからは人前でエロのよさを熱く語る人に変わり果ててました。主義主張なんてそんなもんですよ。 [地上波(吹替)] 7点(2022-06-26 19:00:09)(良:1票) |
25. ノウイング
導入部は(ありがちだけど)面白そう しかし話が進むほど感じるコレジャナイ感 宗教映画ですよね、これ [地上波(吹替)] 6点(2022-06-21 15:24:05) |
26. 荒野のストレンジャー
大昔に確かに観た事はあるんだけれど内容を全く覚えてない…そんな映画は沢山あるわけですが、この映画もその1本。 アマプラで見かけたので、つい観てしまったわけです。 映画冒頭、名前を言わない主人公を見て「あぁマカロニの名無しの男を受けてるんだな」くらいに思ってたら、これがとんでもない引っ掛けです。まさかマカロニウエスタンの名作を釣りにつかってくるとは…まいりました。 名無しな事にちゃんと意味がある…というかそれがオチですから!と、とにかく普通の西部劇とは全く違う凝った(?)癖のある脚本が展開します。 一般的な西部劇というと日本の時代劇と同様「わかりやすい勧善懲悪」「撃ち合い(チャンバラ)シーンを楽しむもの」というシンプルな娯楽映画である事が身上なわけで、ほとんどの映画はそうなのですが、しかし1972年にこんなエッジの効いた脚本で西部劇を作ってしまうとは…イーストウッド恐るべし。 この映画を観たジョンウエインがイーストウッドに批判の手紙を送ったそうですが、そう、ジョンウエインのような王道西部劇の人からみればたまらなく醜悪な映画にしかみえないでしょうから、それもさもありなんです。 このシナリオそのままで2022年の今映画化してもきちんと成立するだろうな、と思えるくらいに現代レベルのシナリオなので、逆に当時の評価は賛否両論あったんだろうな、と思いますが、いや素直に面白かったです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-20 19:55:12) |
27. パーム・スプリングス
《ネタバレ》 最近とくに増えてきたループ系映画の一つ。 サンダンス映画祭で過去最高価格で買い付けされたとか、評論家大絶賛だとかいろんな話を聞いたので期待して観たのですが…正直がっかりでした。 ループものに期待するのって「謎解き」だと思うんですよ。何回もループする事で謎が解けていく、その謎解きの過程をパズルのようんび楽しむのがループものだと思うし、実際に最近のループ物映画(ミッション8ミニッツとか傑作ハッピーデスデイ2Uとか)はそこが話のメインでした。 陽はスリラーやサスペンスと相性がいいのが僕が思う「ループ物」なのです。 しかしこの映画は違います。この映画のメインは「ループの中に閉じ込められた人の感情の変化。幸せとはなんぞや」です。 ループ映画に(僕が)期待する謎解き要素がほとんどないんですよね。あくまでも人の感情を描くための都合のいいシチュエーションとしてのループであって、ループする事にたいした意味がない。 そういう意味ではループ物でも「恋はデジャブ」とかに近い映画だと思います。 そして残念ながらそのタイプのループ映画を僕はそんなに面白いとは思わないのです。 もっと頭つかわせてくれ!と。 期待してた分だけがっかり感が高いのですが、しかし映画自体はラブコメとしてそこまで悪くないのでそこは客観的に点数をつけると6点くらいの映画かな、と思います。 評判がいい最近のループ映画といえば他に「明日への地図を探して」があるんですが、未見。そちらに期待ですね。 「ハッピーデスデイ」シリーズ、またきてくれないかなぁ… [インターネット(吹替)] 6点(2022-06-19 08:02:24) |
28. バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり
《ネタバレ》 チンピラっぽい青年が犯罪に巻き込まれた人のために奮闘する…という意味ではたとえば「セルラー」あたりと構図は近いのですが、しかしあちらは「チンピラぽい」だけの普通の人。比べて本映画の主人公はまさに「クズ野郎のリアル犯罪者」という点で大きく異なります。 てかコソ泥だのなんだのの犯罪を繰り返す小悪党が、なぜあの女に対してだけ真剣になんとかしようとするのか全く理解に苦しむ上に説得力がありません。 しかもこいつ、チンピラらしくほんとに無能です。 一方のサイコパスの方は、この手の映画にありがちな全能っぷりを発揮して主人公を追い詰めるのですが、いやもうその手の展開は本当に見飽きましたから!としか言いようがありません。 この映画ならではの特別な押し要素が何もない上に、主人公はガチのチンピラ。 そんな映画のいったいどこをどう評価すればいいのでしょうか。 唯一「馬を調教する代わりに人を調教してる」のところだけは「ウマ娘」を思わせてちょっとクスっとしましたが。 面白くはないですが大きな破綻もないのでこの手の映画を見慣れてない人がたまたま観れば意外と面白く観られるかもしれません。 [インターネット(吹替)] 5点(2022-06-14 18:00:21) |
29. ザ・スイッチ
今や自分の中で「外れの無い監督」筆頭、クリストファーランドンの新作です。 前作の「ハッピーデスデイ」シリーズが死に戻り物だったわけですが、今回は「僕たち」「私たち」「入れ替わってる!?」系。 娯楽映画として間違いなく面白いんですが、一方で「もうちょっと面白くできたんじゃないかな…」とも思ってしまうのは観る前に勝手に設定したハードルが高すぎたからかもしれません。 点数としては「ハッピデスデイ」シリーズには及ばず、その前作「ゾンビワールドへようこそ」と同じくらい…かなぁ。 「ハッピーデスデイ」と同じ世界線の映画なのでミリーとトリーはいずれ出会うかも…と監督が言ってるのが個人的にめちゃくちゃ期待なんですが、ただそのころトリーはめちゃくちゃ老けてそうです… [インターネット(吹替)] 7点(2022-05-05 17:07:08) |
30. ホテル・ムンバイ
《ネタバレ》 大袈裟な演出がなく淡々と状況が描かれているせいか同種の映画と比べて頭1つ抜けた緊張感がすごいです。 BGMもない静かなホテルの中に死体がゴロゴロ転がっている風景の緊迫感がすごいんですよね。 最後が記録映像で〆られるのも実話ベースならでは。 犯人たちの最後のシーン、ちょっと「明日に向かって撃て」のラストのようでした。意図されたものではなく私が勝手にそう感じただけなんでしょうけど。 人質のメイン層の好感度がいちいち低いところが観客にとっては救いなわけですが、これホラー映画で殺される若者がだいたい好感度が低いのとある意味一緒の手法ですよね。 映画とはいえ、いい人が無為に殺されていくのを見るのはきついだろうからなぁ… インドにきて「牛肉食わせろ」と空気を読まずに言うとか、下品に商売女を呼びつけるとか…そういうのは全部フラグだったというわけです。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-05-05 03:32:28) |
31. キューティ・ブロンド
アメリカではブロンド美人は頭が悪いというイメージがあり(日本でB型人間が協調性がないと言われるのと同じような物です)、そしてこの映画は主人公がそのブロンド美人である事が大前提になっているわけですが…しかしブロンド信仰のない、というかブロンドとブルネットの区別すらつかないような私からすれば、このやたらアゴの出た、なんならうちの妹にちょっと顔の似てるウィザースプーンが美人で魅力的だとはどうやっても思えないのです。 極めて私的な理由ではあるのですが、「主人公がルックスだけは魅力的」な事が大前提で作られたストーリーで、その主人公を全く魅力的だと思えない以上、映画を観てるあいだずっと、どうにも違和感が残り続けてしまいます。 しかも弁護される女優がアリラーターで、彼女が出る度にファイナルディスティネーションが頭にちらつくのです。 あげくに元彼役が照英に似てるよなぁ…とかなんかもう余計な事ばかりが頭をよぎってしまって全然集中できないっていうね。 ストーリーは、見返してやる系ストーリーの定番。ややご都合主義が目立ちすぎるとはいえ起承転結をきっちり抑えて大団円。 よくまとまっていて楽しめる映画だと思います。 これで主人公が魅力的だったら面白かったんだろうなぁ…個人的にはそう思わざるをえません。 …まぁ映画が面白いかどうかなんて極めて個人的なものですから別にいいんですけどね。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-04-30 22:13:50) |
32. 海底47m 古代マヤの死の迷宮
《ネタバレ》 前作と直接の関係のない2作目ですが、原題の2を表す副題は「Uncaged」と前作を受けたなかなかのセンスあるもの。 それに対して邦題は直接的すぎてセンスを疑います。 内容は前作と全く関係ありません(そりゃみんな死んでるから当然ですが) 造りは大幅に変わっていてシンプルな構成だった前作と異なり今回はてんこ盛りアトラクション状態でとにかく忙しい。つか47mかどうかも怪しいですし(移動しまくるので深度は関係ない)、登場人物も増えている上に海底の暗い遺跡の中が舞台、その上全員ダイビング姿という事で、誰と誰が今どうなってるのか…という細かい状況が非常にわかりづらいのが難点です。 とはいえ、きっちりストーリーが追えさえすれば、そこはてんこ盛りアトラクションストーリー、オーソドックスな娯楽映画として楽しめます。 まぁクライマックスの洋上のシーンでは「やっぱり明るくて状況がちゃんとわかるのって大事だな」と思うわけですが。 冒頭のいじめっ子のキャサリン、最後のオチでなんか罰的なものがあるかと思いきや特に何もなかったのはちと残念でした。 前作のオチを知っている人からすれば今回のクライマックスも酸素切れ妄想オチの可能性が高い事が心配になって素直に楽しめないわけですが…今回さすがにそうでなかったのはよかったです…が、また酸素キレ落ちかも…という疑惑を抱えたまま見るクライマックスはどうしても斜めに見てしまうので全く爽快感もなく、これはシリーズとしての構造的問題かもしれません。 …いや映画に出てないだけで「実は」という可能性もなくはないですが。 それにしてもメキシコの女子高生というのはあんなに普通に車に乗りまわしみんながダイビングの基礎知識とかあるものなんでしょうか…というのが個人的には気になります。 あと姉のサーシャ、なかなかスタイルがいいんですが(特に尻)、それを活かすシーンがあまりないのは個人的に非常に残念です笑 [インターネット(字幕)] 6点(2022-04-23 14:20:22) |
33. 必殺!恐竜神父
アマプラで観たそばからここに登録されてる! 先日amazonプライムの画面を開いたら「あなたへのおススメ映画」にこの映画が出てきて「これはいったいなんだよ」と思ったわけですが、私はアマプラにどう思われてるんでしょうか… それはさておき、レビューです。 馬鹿映画の中には「ほんとにくだらないし全く評価できない」馬鹿映画(これが実に多い)と「なんか愛すべき」馬鹿映画の2種類があると思うんですが、これはどちらかというと後者にあたる映画で、そこは悪くありません。 しかし、2022年の今、この1980年代90年代テイストなインディーズ映画(にしか見えない)ただの馬鹿映画をそこまで素直に評価できるか…というとこれもまた違うかな、と思うのです。 暇な人が昔懐かしき馬鹿映画ぽいものを観たいという需要にはぴったりですが、しかしそれ以上ではない。そういう映画だと思います。点数はつけようがないので中央点を捧げたいと思います。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-04-19 23:40:54) |
34. ハードコア(2015)
レビュー書いてなかったようなのでとりあえず点数つけておきますが、FPSというゲームジャンルを知っているかどうかで印象が変わる映画かもしれません。 プレーしたことがある人なら、「まんまかよ!」と思わず突っ込んでしまうまんま映画。 今の感覚で言えば「ゲーム実況者無しでの配信を100分見せられる」ような感じのわけで、ゲーム実況って大事なんだな…と思わせてくれる映画です。そりゃEIKOはゲーム配信で人気でるわけだよ(笑) [インターネット(字幕)] 5点(2022-04-14 14:25:12) |
35. ディレイルド 脱線
巷にあふれるC級ホラー映画の中には「何かあると思わせて何も起きない」退屈なだけの映画も多いだけに、逆に無意味にイベント過多なこの映画はそれらに対するアンチテーゼなのかも…と思えなくもないですが…いやバランスよ。 何もなくてもつまらないけど、消化しきれないくらい設定やイベントを詰め込みすぎてもそれはそれでつまらないという事を教えてくれる教訓のような映画です。 明らかに設定もイベントも過剰で、前半で出てくるいろんな設定ってストーリー上全部不要で全く存在意義がないんですよね… 映画製作開始時に出てきたいろんなアイデアを実際の脚本に落とし込むとき普通だったら当然カットするような要素を全くカットせずに全部脚本にねじ込んだかのようなめちゃくちゃさ。 ちゃんとした映画を作るための反面教師用サンプルとしては非常に優秀な映画かもしれません。 「おもしろそうに見えるアイデアもちゃんと取捨選択しないとこうなっちゃうんだよ」的な。 [インターネット(吹替)] 2点(2022-03-31 21:48:35) |
36. Mr.ノーバディ
現代基準のおしゃれなバイオレンスアクション映画だなぁ…という感想。 ストーリー的には古典的なお約束の範囲を一歩もはずれず非常にシンプルなものですが、逆に言えば結局一番面白いのはまさにその手垢のついた定番ストーリー。 その古典的お約束なお話をスタイリッシュな映像と音楽で描くことで2020年レベルの映画に仕上げていると思います。 そもそもこのタイプの映画に求められているのは純粋な娯楽なわけで、そういう意味ではこの映画の出来は満点に近いんじゃないでしょうか。 逆に言えば、それ以上の物は本当に何もありませんが。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-03-29 14:50:05) |
37. リメンバー・ミー(2017)
《ネタバレ》 ピクサー作品の良さというのは喜怒哀楽のバランスの良さにあると個人的には思います。 お約束のストーリーを、多彩な小技で観客を楽しませながら最終的に期待通りのラストに着地させる。 そこにピクサーの良さがあると個人的には思っています。 (たとえばモンスターズインクなんかがその典型です) 本作品でも「写真の高祖父の顔がなくて誰かわからない」「ヘクターは写真を飾ってもらえないから消えそう」という点で「ヘクター=高祖父」なのが観客には早々にバレバレなのですが、しかしピクサー的にはそこはバレバレでもいいところ。 観客はそれはわかった上で、この映画がどんな解決をしてくれるのか…そこに、ピクサーらしいお約束な展開を期待して観るわけで、そういう意味で本作品は観客の期待にきっちり応えていて、まさにピクサーの大王道。 減点法で評価したときにほとんど非の打ちどころがありません。 そういう意味で非常に完成度は高い映画だと思うのですが、しかし一方でキャラクターや音楽の魅力という面で突き抜ける要素があまりないのも確かで、お約束からもう一歩突き抜けた何かがほしいな…と思ってしまうのも事実。 そういう意味では「とてもいい映画ではあるけど大好きというには一歩足りない」惜しい映画になっていると個人的には思いました。 [地上波(吹替)] 8点(2022-03-09 02:45:53)(良:3票) |
38. ミッドサマー
オードリー春日がアフリカあたりの村に行き現地の祭りに参加して仲間になって帰ってくる…みたいな番組が、コロナ前にはちょくちょく放送されてましたが、あの春日の行動こそがフィールドワーク的に正しい姿。自分の常識は捨てて現地の風習を全力で受け入れ仲間になって参加する。これが文化人類学的に正しい行動です。 その真逆の行動を取って殺されてたのが、かつて太平洋の小島にまで上陸してキリスト教を布教しようとしてた宣教師のみなさん。 現地の価値観総否定なわけですから、それこそフィールドワーク的にやっちゃいけない行動の典型。そりゃ当然の帰結なわけです。 …なんて事を考えさせてくれる本映画。なんか文化人類学とかをやってる界隈で(いろんな意味で)好評だそうで、フィールドワークなんかをやってる方が観るととても面白いんだとか。 で、私自身はフィールドワークをやってるわけでもないので、この映画に関するそういう逸話を面白いなぁ…とは思うんですが、この映画自体は…「この監督の作品ですよね…」としか言いようがありません。 とりあえずめちゃくちゃ映画が長く感じます。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-02-07 16:51:45)(良:2票) |
39. デンジャラス・ラン
デンゼルワシントン主演&製作総指揮の映画だそうですが、彼の「こういう映画の俺、かっこいいだろ」的なナルシズムがプンプンと漂ってきて正直観ていてつらいです。 もはや伝統芸レベルでありふれたストーリーの底の浅さも相当で、開始30分で「多分こいつが黒幕だな」と誰もが思う奴がシンプルに黒幕だったりして、その何のひねりもないストーリーに逆にびっくりしてしまうレベル。 さらに国の隠蔽体質やらマスコミへの暴露…となれば、最近洋画を観始めた高校生に書かせたの?と思えるほどの安っぽさで…こうなると製作陣の知能指数にすら疑問を持たずにいられなくなります。 (まぁ実際各種レビューサイトや海外の批評家の評価も低いようで、そういう意味では安心ではあるのですが) まぁ逆に言えば、基本をはずさずオーソドックスな展開なので、あまりこういうジャンルの映画を観た事がない人が暇つぶしに観るには十分な出来…だと言えなくもないですが、決して絶対にそれ以上ではありません。4点か5点か迷いますが観始めた後の落胆の大きさで4点でしょうか。 [地上波(吹替)] 4点(2022-02-03 16:01:56) |
40. セイント
映画自体は、テンポもセンスを悪い凡庸な出来ですが、ここではヒロインを演じるエリザベスシューについて。 私、ピラニア3Dのレビューで、「BTTFの頃より年齢を重ねたこの映画の彼女が全然魅力的」と書いたわけですが、こちらセイントでの彼女は年齢的にちょうどBTTFとピラニア3Dの中間くらい。 まさに魅力的になりつつある途中…といった雰囲気なわけで、エリザベスシューの進化図の途中が垣間見えたようで、個人的にちょっとうれしく思えました。 [地上波(吹替)] 4点(2022-02-02 19:02:58) |