401. ワーキング・ガール
私の記憶が正しければ、たしかアカデミー賞にノミネートされるほどの作品ではなかったように思います。あくまでもM・グリフィスの映画であって、ラブ・コメディなど本質的に不似合いなH・フォードが、いかにも浮いているって感じの印象しか残っていません。(男優:ハリソン・フォードが欠落しているのはイヤミなんでしょうか?>たかさん) 7点(2001-02-07 00:33:40) |
402. イレイザー(1996)
「ターミネーター」での印象があまりにも強烈な為、それ以降どんな作品を撮っても目立たないシュワちゃんだが、もうこれは致し方が無いことで(唯一の例外は同じJ・キャメロンの超大作「トゥルー・ライズ」)、それなりに制作費を賭けているんだろうけど、内容が伴なわないアクションだけっていう作品ばかりだと飽きられてしまうのは自明の理。やっぱり「T3」まで我慢しなきゃいけないのかナ? 7点(2001-02-04 23:55:28) |
403. ミザリー
有名な原作こそ知りませんが、映画はかなり良く出来ていて面白く観ました。批評家には意外なほど評価されなかったように記憶しています。キャシー・ベイツを初めて観た作品でもありますが、アカデミー賞の名演というよりまさに怪演そのもので、強烈なインパクトを感じたものです。 8点(2001-02-04 18:48:06) |
404. レザボア・ドッグス
我々観客をぐいぐい引きつけ、めくるめくような陶酔感が確かにこの作品にはある。このタランティーノの斬新で独創的な構成力には、映画を見慣れた者にも新鮮な驚きは隠せない。一見荒っぽい作り方のようだが、彼の天性の映像感覚なのか、効果的に要所要所はピタリと決まるのも見事! 8点(2001-02-04 18:33:22) |
405. ピッチブラック
ほとんど無名に近い俳優を使って良質のリアル感を醸し出している点は、スケールの違いこそあれ「エイリアン」(第一作目)に一脈通じるものがある。この作品の卓抜なアイデアと視覚効果による恐怖感には、思わず唸ってしまうほど。前段のド迫力の不時着シーンや色調を押さえた惑星のリアル感、さらに日食から暗転してからの無数のコウモリ型のエイリアン(空飛ぶイカかも?)の飛来シーン等々、かなりのこだわりを感じるし、しかもそれ相当の効果を上げている。護送中の犯罪者(結局、彼が事実上の主役となる!)が生き残りを賭けて、自ら運命を切り開き力の限りを尽くす姿には感動すら覚えるし、決して改心などしない点にも潔さを感じる。最近、これほど惹かれたアンチ・ヒーローはいない。まったく意外な拾い物で、未見の方は3度のメシを抜いても観るべし! 8点(2001-02-04 17:31:24)(良:1票) |
406. エクソシスト ディレクターズカット版
ディレクターズ・カット版に仄かに期待していたのは、まず、メリン神父の突然の死のことである。一応、心臓発作ということだが、あまりにも呆気ない死に方だったので、“何故?”という疑問をず~っと抱いていた。今回ひょっとしてその謎が解けるかなと思っていたけれど、残念ながらあのシーンには手を加えられてはいなかった。もう一つ気になっていたのが、例の映画好きの老刑事のこと。オリジナルでは何かと不可解な印象の彼を、今回ラストに登場させることによって、より鮮明に性格付けが成されたように感じた。やたら映画(しかも古典ばっかり)に誘いたがり、はたして家族がいるのかも疑わしいこの男には、「真夜中のパーティー」や「クルージング」といったアメリカの風俗の一段面として、ホモの世界を好んで描いてきたW・フリードキンの作品だけに、そういった匂いがぷんぷんしてくる。カラス神父に“君はサル・ミネオに似ている”と言わしめたのも、何やら暗示的だ。オリジナルの“売り”が首が180度廻るシーンだっただけに、いかにもオドロオドロしいだけで、あまりに突飛で作品全体のリズムを狂わすスパイダー・ウォークをカットしたのは正解だったようだ。この特別版は功罪合い半ばといったところなので、基本的には評価に変わりなし。 10点(2001-02-04 16:52:55) |
407. 評決のとき
白人の目から描いた黒人に対する人種差別を扱った映画は、結末がどうであろうとも製作者の“あざとさ”というものをどうしても感じてしまう。この作品も御多分に漏れず結末に甘さが残ってしまうが、エンターティンメントとしては実に良く出来ていて、好きなタイプの作品です。いわゆる法廷モノに弱いので点数も“甘く”なってしまいました。出演者の中では保安官役の、チャールズ・S・ダットンの人間味溢れる演技が印象的です。 8点(2001-01-30 23:55:21) |
408. 007/カジノ・ロワイヤル(1967)
本家シリーズとは全く別モノの番外篇で、顔ぶれ(かなり豪華!)から判るように、紛れもなくハチャメチャ・コメディーに仕上がっています。全編、本家のパロディかと思えるような内容で、制作費もそれなりに贅沢なほどかかっています。当時はそれなりに楽しく観た筈なんですが、ほとんど記憶に残っていないのが不思議なくらい。 6点(2001-01-28 21:56:34) |
409. 刑事ジョン・ブック/目撃者
物語は、殺人を目撃した少年とその母親を守るために、一人の刑事が敵と闘うというもの。そこにアーミッシュという異文明の話を絡ませることによって、俄然新鮮味を増し、ありふれた刑事ものにしていない。暴力肯定派と否定派といった対比が面白く、その狭間で矛盾を感じ悩むさまを、恋愛映画ベタのH・フォードが見事に演じきり、新境地をみせた作品として記憶される。 8点(2001-01-27 23:29:37) |
410. バーティカル・リミット
「恐怖の報酬」の山岳レスキュー版といったところでしょうか。そのクリフハンギングぶりには一段と磨きがかかっている。ただ見せ場のためだけのアクションという気がしないでもない。クライマックスともいえる、向かい側の断崖への大ジャンプ・シーンは、最大の見せ場としてももう少しタメが欲しかった。どうせ成功するのは分っているんだから、もうひと工夫あっても良かったんじゃないかと思う。エンディングはMrs.Sozeさん↓に同感! 8点(2001-01-27 23:11:17) |
411. ナチュラル
R・レッドフォードの実年齢だと少し設定に無理のある“遅れてやってきたヒーロー”。だが彼がひとたび演じると、なぜか気にならないというか、妙に納得してしまう。それほどこの作品のレッドフォードは、ひたすら爽やかでカッコ良くこの“生まれついての天才”を軽々と自分のものにしている。父親とキャッチボールをしていた子供の頃の牧歌的な冒頭から、ホームランの打球で外野のライトが祝福の花火のようにスパークリングする劇的なラストまで、実に鮮やかな作品に仕上がっている。 8点(2001-01-22 14:06:15)(良:1票) |
412. カジュアリティーズ
戦争体験のトラウマを持つ青年の悪夢。ヴェトナムの戦場で少女を助けたいが為に、心の葛藤を浮き彫りにしていく。兵士の狂気や戦争犯罪の告発といった社会派的な要素をベースとして、ブライアン・デ・パルマ監督のいつもながらの独自の映像様式で、けれん味たっぷりに描いた異色の戦争スリラーとなっている。それはさらに敵との交戦中、崖にかかっている鉄橋上で誘拐した少女を惨殺する、後半のクライマックスで冴えた演出力を際立たせる。 8点(2001-01-22 13:50:57) |
413. 八月の鯨
ストーリーには起伏にとんだ展開があるわけではなく、ごくありふれた日常を淡々と描いているすぎないのに、全編に綴られる老いと生の心地よい緊張感が人の心を捉えて離さない。老いていく人間と変わらぬ美しい自然の風景との対比を詩情豊かに描き出す。それでも肉体が衰えてもなお限界まで自分の力で、そして自分の家で生き抜こうとする老人の生き様は、人間の尊厳というものを、静かだが鮮烈に主張している。老いて目が不自由なためのイライラで、なにかとトゲトゲしい姉役のベティ・デイビスと、献身的に尽くす妹役のリリアン・ギッシュという往年の名優の共演がこの作品の命でもある。珠玉の名作とはこういった作品を言うのだろう。 9点(2001-01-21 18:37:09)(良:1票) |
414. バットマン(1989)
パート2以降のコメントはあるのに、パート1がないという珍しい現象。オープニングからT・バートンのゴシックな世界に引き込まれていく快感がたまらない作品だが、救出しようとヴィッキーの体重を聞いてロープでするするとビルを昇っていこうとするが失敗し、その後、再度彼女に体重を確認するシーンや、バットウイングが空中を飛行中、雲の上に出て満月に重なる瞬間、バット・シンボルの図柄となる。実にシャレっ気もきいていて、そこがもうひとつの魅力ともなっている。さらにこの作品の成功は、本当の主役J・ニコルソンの憎々しげな怪演に負うところ大である。 8点(2001-01-21 18:07:37) |
415. シックス・デイ
シュワちゃんファンの僕としてはどうしても点数が甘くなってしまう。ストーリーなどこの際どうでもよく、いかにもお金がかかっている未来社会(いかにも実現していそうな)の描写や、CGで見事な飛翔ぶりを見せてくれる未来ヘリ。もうそれだけでいいっス。 7点(2001-01-21 17:02:24) |
416. 13デイズ
あんまり話題になっていないようだけど、この正月映画では一番の作品。“キューバ危機”云々というよりも、サスペンス映画として良く出来ていて、「追いつめられて」のR・ドナルドソン監督の本領発揮というところ。最近、影が薄かったK・コスナーも、こういった作品が彼の資質にあっているのか、水を得た魚のようで息を吹き返したようだ。 9点(2001-01-21 16:52:33) |
417. ホワット・ライズ・ビニース
A・ヒッチコックの「サイコ」に代表されるように、洋画におけるバスルームがサスペンス&スリラーの題材(当然、エロティックな意味も含めて)となりやすいのは、日本映画と決定的に違う点だ。オカルト的な作品としては、S・キューブリックの「シャイニング」以来だろうか。で、とりわけそのバスルームでのクライマックスの緊迫感は良く出来ているが、全編「わっ!」という驚かせるようなシーンの連続には、いささか趣味が悪いと言わざるを得ない。だいたいそんな事が根本的な「怖さ!」ということにはならないでしょう?それよりもこの作品の本当にコワイのは、M・ファイファーの妖しい魅力にほかならない。ゼメキス監督の意図する狙いが良く分かり、又、彼女自身も見事に答えている。H・フォードを観にいって、M・ファイファーに唸った。そんな作品でした。(それにしても例の隣人夫婦が、後半まったくストーリーに絡んでこないのが不可解だ。) 7点(2001-01-21 16:16:42) |
418. 十二人の怒れる男(1957)
いまさらコメントするのも恥ずかしくなるほどの歴史的名作。さすがにリアルタイムで観たわけではなく、後年、TVの「日曜洋画劇場」で“なんて素晴らしい作品なんだ!”と、子供心ながら感心したものです。もうほとんどディティールは忘れてしまいましたが、当時のミスター・ハリウッドのH・フォンダの人間味溢れる誠実な演技を始めとする、出演者たちの的を得た達者な演技や、ストーリーの構成力の巧さ等でぐいぐい引き込まれてしまう。冒頭、裁かれようとしている(いかにも気弱そうな)青年の横顔がチラッと映るショットや、閉ざされた空間から雨上がりの道路が太陽にきらめく屋外のラスト・シーン等、何十年たっても憶えている。名作とはこういうものなのだろう。 10点(2001-01-14 18:35:11) |
419. 小さな巨人
インディアンとして育ち、白人として教育をうけ、ときにはガンファイターとなり、又、アル中になったりして、白人社会とインディアン社会を激しく往復しながら、121歳まで生き永らえた男を通してアメリカの歴史の一段面を描く。その弱虫な自分を認識して以来、徹底的にしかも卑劣に逃げ回ることに命をかけた、痛快なづっこけぶりの主人公をD・ホフマンが嬉々として演じきる。 7点(2001-01-14 18:11:52) |
420. ダンサー・イン・ザ・ダーク
現実はザラついた淡白なカラーで、主人公の夢想はクリアな画調でカラーも美しく表現されている。が、しかし夢想シーンがあからさまに“楽屋裏”を見せつけているような手法(さほど珍しくもないが・・・)は、この作品にはあまり得策ではないように思う。身につまされると言う点では、以前観た「ロゼッタ」のほうが、よほど強烈な印象として残っている。それにしても全編がカメラの手ぶれ効果とやらで気分が悪くて、映画鑑賞どころではなかったのが正直なところ。この作品にこんな落とし穴があるとは・・・。そういう意味では二度と見たくない作品ではある。 7点(2001-01-07 22:06:44) |