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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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461.  ウォール・ストリート 《ネタバレ》 
全盛期のオリバー・ストーンは本当に凄かったんです。脚本家出身のストーンはセリフの洪水と巧みな構成によって密度の高い物語を次々と作り上げ、それが3時間越えの大作であっても、一瞬たりとも観客を飽きさせることはありませんでした。社会問題の扱いにも長けており、映画によって社会を騒然とさせることもしばしば。そんなストーン全盛期を象徴する作品こそが前作『ウォール街』であり、どうやっても映画のネタにはなりようのなかった金融戦争を真正面から扱い、これを堂々たるエンターテイメントに仕立て上げた手腕は驚異的なものでした。。。 そんな『ウォール街』から四半世紀を経て製作された『ウォール・ストリート』ですが、これが完全な凡作であり、ストーンの才能は完全に枯れしまったことが本作ではっきりとしました。社会派映画としての見応えはなく、本作におけるストーンは世界中の人々が遠の昔に知っている話をただ復唱しているのみ。小さなニュースサイトに暴露記事を掲載しただけで巨悪が倒れるという安易な決着に至っては、『JFK』で保身に走る時の権力の手強さを描いたストーンとは思えぬ手の抜きようでした。おまけにドラマの密度も低く、2時間強というストーン作品としては短い部類に入る上映時間ながら、途中で飽きてしまいます。サブプライムの扱いなどは本当に勿体ないもので、この爆弾がいつ爆発するのかという大きな山場を作り損ねています。さらには劇中のキャラクター達にも魅力がありません。特にマズかったのがキャリー・マリガン演じるウィニーを単なるヒステリックな女にしてしまったことで、マネーゲームに溺れるキャラクター達が入り乱れる本作において、一般人の代弁者たる立場にいる彼女の個性に難があるようでは、ドラマに説得力が生まれるはずがありません。彼女は拝金主義を毛嫌いしながらも、その実、大金を奪われたことがきっかけで婚約者をフったり、あれだけ嫌っていた父親が大金持参で詫びに来れば笑顔で許したりと、まさに金中心の振る舞いを繰り返します。その筋の通らなさ・薄っぺらさには唖然とするのみでした。
[DVD(吹替)] 5点(2012-11-03 17:37:34)(良:2票)
462.  ランパート 汚れた刑事 《ネタバレ》 
ジェームズ・エルロイによる何本目かわからない汚職警官ものですが、出演者がとにかく豪華。『L.A.コンフィデンシャル』以降、エルロイ作品に出ることはハリウッド俳優にとってのステイタスとなっているようですが、ここまでのメンツは過去最高ではないでしょうか。主人公を演じるウッディ・ハレルソンはかなりのハマり具合だし、ロビン・ライトは驚くほどのいい女ぶりを披露。シガニー・ウィーバーやスティーブ・ブシェミがひょっこり顔を出す場面ではお得感も味わうことができて、俳優のみに注目すればかなり充実しています。。。 ただし、肝心のお話はかなり残念な出来でした。この映画、とにかく状況説明が不足しています。主人公が社会的にどれほど追い込まれているのかという描写であったり、ロビン・ライトが主人公のどこに惹かれたのかという描写であったりがほとんどないために、ドラマへの感情移入がかなり難しくなっています。さらには、各場面の見せ方もヘタクソ。例えば、主人公が強盗被害者を誤射するという重要な場面において、編集が杜撰で一体何が起きたのかが観客に伝わらないという間抜けなことが起こっています。俳優は揃っているだけに、もうちょっと腕のある監督さんが撮るべきでした。
[DVD(字幕)] 4点(2012-11-03 17:36:35)
463.  ブルースチール(1990)
キャスリン・ビグロー監督×エリック・レッド脚本×オリバー・ストーン製作という何とも豪華なメンバーで製作されたアクションスリラー。才人が集結しただけあって部分的には素晴らしい場面はあるものの、全体としては平凡な映画だったという印象です。アクション映画としてのイベントが不足している上に、スリラーとしての張りつめた空気作りにも失敗しているので、短い上映時間ながら中弛みをしています。さらには、平凡な金持ちだったロン・シルバーがバイオレンスに目覚めた理由や、狂気に飲まれて歯止めが利かなくなるまでの過程、あるいは複数人の警官を相手とするに足りるだけの射撃術や格闘術をいつどこで身に着けたのかという説明など、この物語にとって必要なピースが少しずつ欠けているため、全体として見るとえらく説得力のない映画に終わっています。ジェイミー・リー・カーティスも劇中言われる程の美人には見えず、映画のあらゆる要素が作り手の意図したレベルに達していないという印象です。
[DVD(字幕)] 5点(2012-11-03 17:35:51)
464.  ハートブルー 《ネタバレ》 
キャスリン・ビグローによる演出は素晴らしいの一言。ハイライトであるサーフィンの美しさのみならず、強盗シーンの臨場感やチェイスシーンの疾走感も素晴らしく、もし彼女が多作の監督であれば、今頃はリドリー・スコットやデビッド・フィンチャーのポジションに居たのではないかとすら感じさせられました。ただし、脚本がボロボロなので映画としてはイマイチです。とりわけ、潜入捜査官とサーファー強盗団が互いの素性を認識して以降の展開は酷いものでした。FBIにマークされていることが分かったのだから強盗団はさっさと海外逃亡すればいいものを、キアヌ捜査官を誘ってスカイダイビング&最後の銀行強盗とはちょいと悠長すぎるでしょう。キアヌもキアヌで、女を人質にとられているとはいえ、言われるがままに銀行強盗のお手伝いまでしてしまうのは頭悪すぎ。逮捕して尋問した方が手っ取り早いと思えてしまうのは、脚本の工夫が足りない証拠です。最悪だったのは、後半の展開でパトリック・スウェイジ演じるボーディを完全な悪人にしてしまったことで、このために捜査官と犯罪者との間に生まれる友情物語という基本的な構図が崩れてしまっています。彼は、盗みこそするが決して人は傷つけない義賊に留めておくべきだったのです。
[DVD(字幕)] 5点(2012-10-30 01:09:38)
465.  コンフェッション(2002)
面白くなるべき題材をつまらなくしてしまった罪な映画。ソダーバーグの影響か、ジョージ・クルーニー監督は本作から徹底的に娯楽性を排除しており、ひどく単調でつまらない映画に仕上がっています。もちろん、娯楽性を排除するというやり方は映画作りの手法のひとつであって、そのやり方自体は否定しないのですが、問題は娯楽性以外の何かを観客に提示できているのかということです。リアリティなり、哲学的なメッセージなり、捻じれた笑いなり、娯楽性を犠牲にした引き換えとして何か一つでも飛び抜けたものがあればよいのですが、この映画にはそうしたものがありません。ただダラダラとしてフラストレーションが溜まるだけの映画に終わったのでは、監督の基本姿勢に誤りがあったと評価せざるをえません。演出は決して下手ではなかっただけに、ソダーバーグという悪しき友人からの影響が悔やまれます。
[DVD(吹替)] 3点(2012-10-29 01:19:38)
466.  魔法使いの弟子 《ネタバレ》 
「『ナショナル・トレジャー』のチームが再結集!」との謳い文句にイヤな予感はしていたのですが、案の定、つまらん映画に仕上がっていました。見せ場はそれなりに凝っており、これまでにないSFアクションを撮ってやろうという意気込みは感じられるものの、2時間の連続活劇としてまとめられていないのが大きな敗因です。世界の存亡をかけた物語なのに話に広がりが感じられないし、悪の魔法使いの封印が解けた場合に、どんな恐ろしいことが起こるのかという煽りも不足しています。「全人類は奴隷にされる」という大雑把な一言だけでは弱すぎるのです。それまで雑魚の敵すら倒せなかった主人公が、クライマックスで突如覚醒してラスボスを簡単に倒してしまうという唐突な展開にも興醒めで、主人公特権の濫用は活劇の勢いを削ぐということを学んでいただきたいものです。おまけに、そもそも主人公が戦いに参加した理由や背景までが薄っぺらなので、物語への感情移入が著しく困難な状態となっています。ルーク・スカイウォーカー、ハリー・ポッター、ネオ・・・平凡な生活から一転して激しい戦いにスカウトされた戦士というのは、往々にして引くに引けないシリアスな背景を背負っているものなのですが、一方で本作の主人公は軽すぎるのです。。。 ニコラス・ケイジ以外の俳優陣は、皆パっとしません。特に、主人公を演じたあいつは一体何者なんでしょうか?ダラしない顔にダラしない喋り方、オタクを主人公にするにしても、あそこまで無残なのは困ります。トビー・マグワイア、シャイア・ラブーフ、『ザ・ロック』に出演した頃のニコラス・ケイジらは、オタクの役柄であっても締めるべき部分では鋭い目つきを披露していました。それが出来てこそアクション映画の主役を務めるに足るオタクなのですが、一方で本作の主役は最初から最後まで一貫して間抜け面。そんな彼に惚れてしまったヒロインまでがバカ女に見えてしまう有様なのですから、彼の存在感は犯罪的です。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2012-10-28 15:00:15)(笑:1票)
467.  ジョナ・ヘックス
ジョナ・ヘックスが復讐の鬼と化す過程は数分のイントロで処理し、いきなり本筋に入るという構成となっていますが、こんな処理が許されるのは歴史も知名度もある『インクレディブル・ハルク』クラスのヒーローであって、ジョナ・ヘックス程度の知名度でこの処理は少々厳しいと感じました。また、ヒーロー・ジョナ・ヘックスの誕生に深く関与したクェンティン・ターンブルをヴィラン(悪役)とした本筋の内容から考えても、両者の因縁の源流となる導入部分はしっかりと描く必要があったと思います。。。 本筋は本筋で、これまた著しく盛り上がりに欠ける仕上がりとなっています。ヒーロー誕生の過程を削った以上、映画はいきなりサビから突入し、理屈抜きの大暴れが見られるものと期待したのですが、チマチマとした小競り合いばかりで派手な見せ場はありません。さらにはジョナ・ヘックスが異常なまでに弱く、派手な大暴れどころか地味な戦闘ですぐピンチに陥ってしまいます。生身の人間との1対1の殴り合いで劣勢に立たされるに至っては、トーマス・ジェーン版『パニッシャー』をも下回って史上最弱のアメコミヒーローに認定してしまった程です。死者と話せる能力が大して役に立っていなかったり、お供の馬・犬・烏が見せ場になると行方をくらましてほとんど存在価値がなかったりと、本作は基本設定までを持て余している始末。俳優たちはなかなかのハマリ具合でシリーズ化すればそれなりに盛り上がった可能性もあっただけに、内容のみすぼらしさが悔やまれます。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2012-10-27 21:31:50)
468.  ディア・ブラザー 《ネタバレ》 
無実の罪で投獄された兄を18年かけて取り戻した妹の実話なのですが、この兄弟の生い立ちから無罪を勝ち取るまでの約40年を、わずか107分の上映時間に収めてしまった驚異の構成には目を見張りました。かといって駆け足感があるわけでもなく、重要な場面は丁寧に描かれていることがこれまた驚きです。観客に提示する時系列を徹底的に計算し、ムダな場面を1秒たりとも作らないことで、この奇跡の構成を成し遂げています。監督は9年かけて本作を製作したと語っていますが、長期の取材で得た膨大な素材を適切に取捨選択し、事件にとっては重要であっても映画にとっては不要な要素(兄妹の母親、兄の前妻、妹の旦那etc…)をバッサリと切り捨てた決断力も大いに評価できます。。。 主人公を演じるヒラリー・スワンクは、オスカー女優ならではの抜群の貫録と安定感を披露。おまけに彼女自身もホワイトトラッシュの出身というだけあって、役柄に大変な説得力が与えられています。他方、兄役のサム・ロックウェルはやや意外なキャスティングだったのですが、コミカルなイメージのあるロックウェルのおかげで映画全体が適度に柔らかくなり、お涙頂戴のベタベタなドラマになることが避けられています。もしエドワード・ノートン辺りが演じていれば、嫌味な実録ドラマになっていたかもしれません。。。 本作は兄弟愛のドラマとして非常に充実しているのですが、同様に社会派ドラマとしても見応えがあります。主人公は、兄の無実を示す証拠を早い段階で見つけ出すものの、司法機関にそれを認めさせる過程で大変な困難にぶち当たります。自分の在任中に問題を起こされたくない地方検事が可能な限りの時間稼ぎをしてくるのですが、同様のことは日本でもしばしば発生しています。DNA鑑定の誤りが遠の昔に判明していたにも関わらず、司法がこれを認めるまでに何年もの時間を費やした足利事件や東電OL殺人事件、もはや日本国内で有罪を信じている者は皆無という状況にありながら、40年以上に渡って無実の男性を収監し続けている袴田事件のような事例がそれです。一人の人間の人生を台無しにし、その家族や友人の社会的名声までを著しく傷つける冤罪という問題に対して、司法機関の無責任ぶりは目に余ります。
[DVD(吹替)] 8点(2012-10-27 11:21:58)
469.  BLACK & WHITE/ブラック&ホワイト(2012)
『T4』に続く、McGによるジェームズ・キャメロンへのストーカー大作第2弾。今回は90年代のキャメロンを支えた撮影監督ラッセル・カーペンターまでを召喚して21世紀版『トゥルーライズ』を製作しているのですが、これが恐ろしく時代遅れなアクションコメディに仕上がっています。オフィスや自宅、果ては行きつけのレンタルビデオ屋までがおしゃれでピカピカという現実感ゼロの街を舞台に、CIAエージェントが顔バレを一切気にせずバカな騒動を起こすという何ともカックンなお話。80年代や90年代ならばこんな作風でも受け入れられたのですが、ジェイソン・ボーンが汚い路地裏を走り回り、ジェームズ・ボンドまでがリアル路線を選ばざるをえなくなった21世紀においてこのテンションはかなり厳しいと感じました。その上、主演2人も役不足です。この手のアクションコメディを演じるべきはトム・クルーズやピアース・ブロスナンのようなアクションヒーローを演じてきた俳優であって、アクションにおける代表作を持たない若手では様にならないのです。そして、さらに問題なのがヒロイン役のリース・ウィザースプーン。キャリアのピークを過ぎてしまったウィザースプーンでは、伸び盛りのクリス・パインとトム・ハーディに見劣りしています。彼女は相変わらず美人ではあるのですが、それでも二人の戦士を魅了するだけのオーラは放っていません。そして、主人公二人が抱く恋心に説得力がなければ、観客は物語に魅力を感じないのです。
[DVD(吹替)] 4点(2012-10-21 22:47:20)(良:2票)
470.  アポロ18
古くは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、最近では『パラノーマル・アクティビティ』がとった手法をSFに応用した作品なのですが、本作の映像はかなり洗練されています。フィルムの切れ目や損傷を入れるという工夫によって記録映像としてのルックスを完璧に作り上げており、本当に月面で撮られたかのような仕上がりとなっているのです。プロデューサーを務めたのは『ナイトウォッチ』や『ウォンテッド』で異様なまでの映像センスを披露したティムール・ベクマンベトフ、彼の手腕は疑似ドキュメンタリーでも冴え渡っています。誰だがよくわからない俳優さん達の演技も上々であり、映画としては水準以上に仕上がっていると感じました。。。 ただしこの映画、基礎となるアイデアがあまりに薄いことがボトルネックとなっています。どこかの映画で見たような古臭いワンアイデアで押し切った内容であり、SFらしい知的な驚きが皆無なのです。せいぜい30分程度にしかならないアイデアを無理矢理長編化したために話の密度は薄く、中盤ではかなり退屈させられました。技術的にはレベルの高い映画だけに、もう一捻りが欲しいところでした。
[DVD(吹替)] 6点(2012-10-21 18:02:55)
471.  エクスペンダブルズ2
矛盾もあれば中弛みもある、映画としての完成度は7点くらいかもしれませんが、ある特定の人種にとっては『アラビアのロレンス』クラスの大傑作に仕上がっています。もちろん私もドンピシャの世代であり、本作には数年ぶりの10点を付けさせていただきました。このキャストを見てグッとくるものを感じた方には是非とも映画館に直行していただきたい作品です。絶対に期待は裏切りませんから。。。 本作は基本的に前作の路線を引き継いでいるのですが、そのパワーアップの加減は『T1』→『T2』をも超える程であり、前作で感じたモヤモヤ(敵が弱すぎる、大物がほとんど動いていない)は解消されてお釣りがきます。今回の悪役はなんとヴァンダム。「俺が俺が」のアクション俳優の中でもとりわけ我の強いヴァンダムが悪役を引き受けたというだけでも驚きですが、その上さらにスタローンとヴァンダムがサシで勝負するという究極のカードまでが準備されています。驚きのカードはそれだけではありません。ピンチに陥るとチャック・ノリスやシュワルツェネッガーがフラっと助けに現れ、クライマックスではスタ・シュワ・ウィリスが横一戦に並んでマシンガンを乱射し、ノリスがその援護を買って出るという夢のような見せ場が待っています。シュワとウィリスがお互いの名台詞を交換したり、ノリスが自分についての噂話を茶化してみたりと遊びも利いており、笑って興奮して大変でした。。。 そんなレジェンド世代の頑張りの一方で、現役世代も負けてはいません。クートゥアとクルーズはコメディリリーフとしてエンターテイメントの幅を広げているし、ラングレンもMIT卒という自身の経歴をネタにして笑いをとります。元アスリートのステイサムは惚れ惚れとする程の美しいアクションを披露しており、彼とスコット・アドキンスによるナイフ戦は、大御所によるファンサービスの意味合いが強い本作において、数少ないガチンコの見せ場となっています。。。 とにかく本作はアクションバカにとっては至福の作品であり、この企画でやるべきことは完璧にやりきっています。もし、今回の大ヒットを受けて『3』が製作されるとなれば、それこそイーストウッドを引っ張り出すくらいのサプライズが必要になるでしょう。
[映画館(字幕)] 10点(2012-10-21 00:24:22)(良:3票)
472.  エクスペンダブルズ
映像技術の発展によって俳優がアクションを演じることが容易になり、トム・クルーズやジェレミー・レナー、リーアム・ニーソンといったイケメンや演技派がアクション映画の最前線に立っているという昨今(並べてみて気付いたのですが、なぜか全員アイリッシュ)、筋肉のみに特化したアクション俳優は急速に活躍の場を失いつつあります。そんな状況で立ち上がったのが『ロッキー』と『ランボー』の最終作を連続して成功させたスタさんであり、もはや世界で彼にしか為しえない1億ドルバジェットの筋肉祭りを開催しています。商業的な計算もあるにはあったと思うのですが、それ以上に強かったのはファンを喜ばせたいという思いであり、同業者に活躍の場を与えて再びこのジャンルを盛り上げたいという願いだったように感じます。実際、女に惚れて判断を誤ったり、敵に捕らえられて仲間に助けられたりといった損な役回りはスタさんが積極的に引き受けており(裏切り者役でメインの戦闘に参加できなかったラングレンも同様)、ベテラン勢が現役勢のために美味しい見せ場をお膳立てしてやるという配慮には、なんだか胸が熱くなりました。。。 内容は良くも悪くも80年代風。中米の小国で特殊部隊が大暴れという何とも『コマンドー』な設定の下、我らがエクスペンダブルズがロクな作戦もなしに「おりゃ!」と暴れて一国の軍隊を殲滅してしまうという、リアリティのかけらもないお話しとなっています。戦場で仁王立ちでもまったく弾の当たらないエクスペンダブルズに対し(どこが消耗品なんだ)、敵は気持ち良い程バタバタと倒れてくれます。直前に『ランボー/最後の戦場』という最先端のアクション映画を撮っているという背景から考えて、本作における偏差値の低さはスタさんが意図したものであり、これは80年代アクションを懐かしむおっさんの為だけに作られています。金曜ロードショーに育てられた私は、もちろんハートを打ち抜かれましたとも。バカって最高! ただし、問題もあります。これだけのメンバーを集めたエクスペンダブルズに対して、敵がジュリア・ロバーツの兄貴では見劣りしすぎ。マチェーテの敵にセガールを持ってきたロドリゲスの判断を見習ってほしいところです。また、ウィリスとシュワルツェネッガーという宣伝の時点で大フィーチャーされていた大物が1シーンしか出てこないのも、なんだか詐欺に遭ったような気がしました。
[DVD(吹替)] 7点(2012-10-21 00:19:17)(良:1票)
473.  ミーン・マシーン 《ネタバレ》 
『ロンゲスト・ヤード』のリメイクは本作の他に2005年のアダム・サンドラー版も存在していますが、完全にコメディだったサンドラー版と比較すると、本作は笑いと男らしさのバランスが優れていると感じました。ガイ・リッチー&マシュー・ヴォーンのコンビは相変わらずの安定感で、一筋縄ではいかないキャラクター達が入り乱れる物語をコンパクトにまとめてみせています。主人公を演じるヴィニー・ジョーンズは元プロサッカー選手というだけあって説得力が違うし、まだ主役クラスの俳優ではなかった当時のジェイソン・ステイサムを曲者キャラとして絶妙な位置に立たせるというキャスティングも気が利いています。物語には適度な波乱もあって、最初から最後まで十分に楽しむことが出来ました。。。 ただひとつ問題に感じたのは、囚人チームの力量は看守チームを凌駕しており、序盤から試合を制していたのは囚人チームだったという点です。圧倒的に強い相手を倒すことこそがこの手の映画のカタルシスなのですが、あえてそのセオリーの逆を選んだ本作の変化の付け方は、あまりいただけませんでした。所長の脅しにビビった主人公がチームを窮地に追い込むという展開などは最悪であり、このためにラストがスッキリしないものとなっています。
[DVD(吹替)] 7点(2012-10-19 00:23:49)
474.  ニクソン
『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』に『フロスト×ニクソン』、果ては『ウォッチメン』に至るまで、アメリカ人にとってニクソンとは気になって気になって仕方のない特別な政治家であるようですが、そんな数あるニクソンものの中でも本作は決定版とも言える堂々たる仕上がりとなっています。3時間超えという上映時間にも関わらず一瞬たりともダレることはなく、ムダな場面、ムダなセリフは一切なし。大変に見応えのある作品でした。。。 本作で意外に感じたのは、ハリウッドきってのリベラリストであるストーンが、ニクソンに対して非常に同情的な目を向けているという点です。金なしコネなし学歴なし(ハーバード大には合格していたものの、実家が貧しく東部で下宿する費用を捻出できなかったため、仕方なく地元の大学に進学した)の状態から人並み外れた努力によって大統領にまで登り詰めたものの、マスコミから嫌われたために国全体から悪意を向けられ続け、最終的には唾を吐かれながら大統領の座を失った悲しい男の物語として本作は製作されています。政治面では並みの大統領数人分に匹敵する実績を残したにも関わらず、その功績はほとんど評価されず、外交面での目覚ましい成果に至っては部下だったキッシンジャーの手柄にされてしまったという彼のあんまりな人生が、かなりフェアな目線で描かれているのです。ベトナムから撤退した際に「国民やマスコミが望んだ通りにしたのに、なぜ俺が叩かれるんだ」と嘆いた場面などは、特に気の毒に感じました。本作を観れば、ニクソンに対する評価が大きく変わるはずです。。。 一方で問題に感じたのは、客層があまりに限定されすぎているという点です。60年代から70年代のアメリカ社会や世界情勢についての知識を持っていることは当然、ウォーターゲート事件に至っては、リアルタイムで事件を見ていた世代でなければわからない程の不親切な描写となっており、80年代以降に生まれた私のような世代にとっては、かなり厳しい内容となっています。誰でも理解できるように作られていた『JFK』と比較すると、ちょいと不親切過ぎではないでしょうか。
[DVD(吹替)] 7点(2012-10-17 01:57:16)
475.  フォレスト・ガンプ/一期一会 《ネタバレ》 
本作は、インフレ率を考慮すると後の『スパイダーマン』や『ダークナイト』をも超える興行収入を叩き出しているのですが、アニメでもスペクタクルでもないヒューマンドラマがここまでの数字を出した例は後にも先にもこれ一本のみ。今回、十数年ぶりに鑑賞してみたのですが、確かにこれはアメリカ人から熱狂的に支持されて当然の映画だと感じました。。。 本作の舞台となる60年代から70年代にかけて、アメリカはまっぷたつに分裂していました。大統領を含む政治的リーダーはしょっちゅう命を狙われ、公安組織は市民のデモ隊に対して容赦なく暴力を振るうという世相であり、それはもはや内戦状態とも言える有様でした。そんな時代を反映するかの如く、このドラマには二人の人物が登場します。国家に対して従順なフォレスト・ガンプと、反権力に生きるジェニー・カランです。通常の映画であれば反権力に身を置く者が主人公とされるところなのですが、本作では権力に寄り添うフォレスト・ガンプが主人公となっています。そして、ガンプが堅実に生きた結果としてアメリカン・ドリームを手にする様は、あの時代のアメリカ社会の肯定を意味します。これまで真っ暗闇として描かれてきた60年代から70年代のアメリカは、本作によってようやく復権したというわけです。一方、反権力のジェニーはと言えば、ガンプやババが戦場で命を張っている間、仕事も勉強もせずに仲間と遊び呆けて暮らしています。彼女は権利ばかりを主張して義務を果たすつもりはないという身勝手な生き方をするのですが、それは反権力とかプロ市民に対して一般人が持つ反感を見事に具現化したものです。自堕落な人生のツケを払わされるかの如く、彼女がエイズで命を落とす様は、もはや勧善懲悪の世界でした。。。 以上の通り、本作は強烈な政治性を帯びているのですが、コメディを得意とするロバート・ゼメキスの演出によって程よくマイルドに落ち着いており、アメリカ人以外でも楽しめる仕上がりとなっています。あき竹城みたいな東洋人を連れて久しぶりに姿を現したダン中尉が、爽やかな笑顔で「俺にもフィアンセが出来たんだ」と言う場面なんて、涙が出る程笑ってしまいました。また、ノンフィクションものを得意とするエリック・ロスによる脚色も見事であり、歴史的事実とファンタジーとの間で絶妙なバランスをとっています。
[DVD(吹替)] 7点(2012-10-17 01:55:08)(良:3票)
476.  ザ・ファーム/法律事務所
飛ぶ鳥を落とす勢いだった若きトム・クルーズを中心とし、その周りをジーン・ハックマンやエド・ハリスといったベテラン勢で固め、さらにその外側にはゲイリー・ビジーやトビン・ベルといった個性派を配置するという層の厚いキャスティングは魅力的でした。本作はパラマウントにとって相当気合いの入った企画だったようで、スタッフ、キャスト共に最高のメンバーが名を連ねています。しかし、そんなパラマウントからの期待とは裏腹に、映画の内容は平凡の域を脱していません。不吉な前兆の積み重ねでイヤな汗をかかされる前半部分はそれなりの面白さだったものの、後半部分で映画は完全に息切れしてしまうのです。監督も脚本家も複雑な話をまとめあげることでいっぱいいっぱいになってしまい、この膨大な情報量が観客に伝わるかどうかとか、クライマックスで観客はカタルシスを味わえるかどうかということは二の次にされています。直し屋として有名なロバート・タウンが脚本家に名を連ねている時点で察するべきだったのですが、それにしても、思いの外低い完成度には驚かされました。トム・クルーズ以外のキャストを完全に持て余すという名優の無駄遣いぶりもかなりのもので、本作よりも2ランクも3ランクも劣るメンバーで製作された『逃亡者』に批評面でも興行面でも及ばなかったことにも納得がいきます。
[DVD(吹替)] 5点(2012-10-17 01:53:35)(良:1票)
477.  JUNO/ジュノ
本作の脚本でオスカーを受賞したディアブロ・コーディは、大学卒業後に普通に就職したものの興味本位でストリッパーに転職し、その後、ブログにおける圧倒的な文章力が評価されて脚本家に転身したという変わり種。そんな彼女によって生み出された本作が普通の青春映画であるわけがなく、16歳の女の子が妊娠しても誰からも怒られないし、クラスメイトからイジメや嫌がらせを受けるわけでもなく、赤ちゃんへの責任で思い悩むこともありません。妊娠して早々に、「今の自分に養育能力はないから、子供を欲しがっているお金持ちにこの子を引き取ってもらおう」という結論を出してしまうのですから。この手の映画で考えられるネタはほとんど外してきているのですが、それでいて奇をてらった嫌らしさはなく、コーディの個性がそのまま反映されたかのような奔放さに溢れています。。。 押しつけがましいドラマを嫌うジェイソン・ライトマンによる演出も、本作にはピタリとはまっています。変わった切り口ではあるものの、世の真理を突くかのような鋭さがあるために映画への共感は絶えないし、過剰ではない笑いにも独特のセンスが光ります。この映画が全米でブームとなり、フォックス・サーチライト史上最高の収益を上げた理由も理解できます。この映画には独特のセンスの良さやかわいらしさ、かっこよさがあって、この映画の良さを理解できること自体がファッションとなりうるのです。これについては、ジェイソン・ライトマンの手腕によるものと考えるべきでしょう。。。 エレン・ペイジは完璧にジュノになりきっています。皮肉屋で変わり者なんだけど、たまに女子の一面を覗かせるという絶妙な演技は、彼女以外ではちょっと無理だったのではないかと思います。なお、ジェイソン・ライトマンの映画はセリフの量が多く、かつ微妙なニュアンスの会話が交わされるので吹き替えでの鑑賞が向くのですが、特に本作におけるジュノの声のハマり具合は絶妙なので、DVDでご覧になる方はぜひとも吹き替えをお試しください。
[地上波(吹替)] 7点(2012-10-13 02:49:09)
478.  ヤング≒アダルト
幸せになれない肉食女子を描いた痛いブラックコメディなのですが、『JUNO/ジュノ』でオスカーを受賞したディアブロ・コーディによる脚本が相変わらず素晴らしく、男女を問わず楽しめる作品に仕上がっています。あらすじはかなり現実離れしているのですが、過去の栄光を懐かしんだり、初めての恋人を特別視したりといった主人公の心理には一定の普遍性があり、この点が観客と映画との間の共感の接点となっています。また、主人公の職業を小説家とし、彼女の歪んだ性根を小説によって明快に表現するという映画的工夫も素晴らしいと感じました。単なるバカ女にしか見えなかった主人公が、実は苦しい過去を抱えていたことが判明する終盤の急展開にも驚きと意外性があり、隅から隅まで計算し尽くされた脚本だと思います。。。 ジェイソン・ライトマンによる演出も安定しています。皮肉家で嫌味な性格なんだけど、どこか愛嬌を感じさせるキャラクターを描かせると、毎度この人は素晴らしい仕事をします。主人公のやっていることは最低で、その言動には同情の余地ゼロなのですが、それでもこのキャラクターを好意的に見てしまうのです。ハッピーエンドでもバッドエンドでもないクライマックスはいかにもライトマンらしい終わり方で、観客に何も押しつけてこないラフな姿勢に好感が持てます。
[DVD(吹替)] 8点(2012-10-13 02:47:36)(良:1票)
479.  ジャンパー
陽気な『インビジブル』とでも言いましょうか、まったく悩まない主人公が斬新な映画でした。能力が発現すれば、その日の夜にはさっそく家出。ただひたすら私利私欲のために能力を浪費し、社会正義などはまったく気にかけないという潔さは見ていて気持ちがよくなるほどでした。確かに、10代の若者が特殊能力を身につければ、その能力を専ら金と女に向けることは自然なことです。正義のあり方についてあれこれ悩むピーター・パーカーのような殊勝な青年はむしろ例外であり、本作はアンチアメコミものとしてなかなか興味深い姿勢で製作されています。。。 問題だったのは、ジャンパーとパラディンの戦いに緊張感がまったくなかったこと。特殊能力を持つ主人公が圧倒的に有利なことは誰の目にも明らかであり、その戦力差は憎まれ役であるはずのパラディンが気の毒になるほどでした。また、主人公が大馬鹿野郎のバカボン君だったことも、映画のテンションを大きく下げる原因となっています。パラディンの襲撃から命からがら逃げ出した直後であるにも関わらず、高校時代のマドンナをナンパしてローマ旅行に向かい、案の定、パラディンに追跡されてしまうというバカさ加減には呆れました。意図的にライトさを狙った作品であることは理解できるのですが、主人公がここまで愚かでは活劇として成立しません。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2012-10-09 23:02:23)
480.  ナイト&デイ
かねてより、私はトム・クルーズの爽やかスマイルの裏側に何か不気味なものを感じていたのですが、どうやらトム自身にもその自覚はあったようで、本作はそんなダーク・トム・クルーズの魅力を目一杯活用した作品に仕上がっています。どんな窮地に陥っても輝くような笑顔を振りまくトム・クルーズは、もはや狂人一歩手前。トムの異常なテンションと呼応するかのような気の狂った見せ場の数々も見応え十分であり、本作の前半部分はアクションコメディとして最上級の完成度だったと思います。同時に、キャメロン・ディアスは年齢を感じさせない愛嬌を振りまいており、『オーシャンズ13』以来久々のスター映画としても十分に楽しめました。。。 ただし、後半に入ると映画は急速に失速します。お祭り映画に終始すればよかったものを、マジメなスパイ映画としてまとめようとしたために全体のバランスが崩れてしまったのです。もっともマズイと感じたのは、敵方の殺し屋がむごい死に方をする様をはっきりと映し出してしまったことで、このことによってアクションから痛快さが失われてしまいました。この手の映画では敵の死などは記号に過ぎないのだから、もっと割り切った演出でよかったと思います。  
[映画館(字幕)] 6点(2012-10-09 23:00:30)(良:1票)
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